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第3回PROGRESS CUPは太宰府U14クラブが連覇 参加した中学男子の全16チーム紹介

 中学生世代の男子クラブチームによる「第3回U-14 PROGRESS CUP」が5月5日(金・祝)~7日(日)に笠岡総合体育館(岡山)で行われた。北は岩手、南は大分から全16チームが集って争われ、太宰府U14クラブ(福岡)が決勝でWOLFDOGS名古屋U-14(愛知)を2-0(22-20,21-19)で下し、第1回大会に続く連覇を果たした。(第2回大会はU-13のカテゴリーで実施)

 ここでは参加した16チームを紹介する。(取材・写真/坂口功将〔編集部〕)

 

<決勝戦の様子>

 

◆太宰府U14クラブ(福岡)…優勝

 昨年4月に行われた第1回大会で優勝した“初代PROGRESS CUPチャンピオン”。代替わりをして新チームで臨んだ昨年末の第2回大会では準優勝に終わったが、そこで「僕たちは粘りのチームなのに、全然レシーブが拾えていなかった」と大久保龍之介キャプテンは再確認し、練習に励んできた。その成果を発揮しつつ、エースの池田光喜がパワフルなアタックで得点を重ね、見事に優勝を飾った。

<エースの⑪池田は大会MVP選出について「チームのために頑張った結果です」と語った>

 

◆WOLFDOGS名古屋U-14(愛知)…準優勝

 Vリーグのウルフドッグス名古屋のジュニアチームで、昨年夏のVリーグジュニア選手権では優勝に輝いた実績を持つ。現在の新チームではエースの福島諒(185センチ/上写真)を筆頭に、富田レオン(189センチ)、福谷政宗(190センチ)と大人顔負けの高身長選手がずらり。「今大会で負けたチームに次は勝てるように、全員で頑張っていきます」と福島。

<Vリーグジュニア選手権や全国ヤングクラブ男女優勝大会などで今年は本命視されそう>

 

◆パンサーズジュニア(大阪)…第3位

 Vリーグのパナソニックパンサーズのジュニアチームで、OBには男子日本代表の大塚達宣がいる。サウスポーエースの宗助飛空が力強いアタックで得点を重ね、今大会では準決勝進出を果たした。「みんなでしっかりと盛り上がって戦えたことはよかったですが、まだ出だしが課題なので修正したいです」とセッターの森本善斗キャプテン。

<サウスポーエースの宗助も懸命にボールに食らいつく>

 

◆福岡PROCEED.VBC(福岡)…第3位

 新山明(写真①)と岩野泰雅のダブルエースは破壊力抜群。今大会では準決勝で岩野が負傷したが、それでも新山が高い決定力を見せて、WD名古屋U-14の高いブロックを何度もこじあけた。敗れて涙した新山だったが、「今回のように誰かが抜けたとしても次に入る選手で補えるように、一からチームをつくっていきたい」と意気込んだ。

<1年生ながらガッツを見せた⑧原田聖絆は「足を引っ張るのではなく、チームを引っ張れるようになりたい」と意気込む>

 

>>><次ページ>大会ベスト8以下ののチームを紹介

 

◆S FRONTIER(富山)…ベスト8

 第2回大会以降はチームとしてサーブレシーブを強化し、U16男子日本代表候補合宿に参加したキャプテンの樋口孔太(上写真/樋口健策監督は父親)がセッターとして、コンビを組み立てる。「試合序盤はチームも盛り上がれるのですが、次第に下がってしまうので、気持ちを高めて中盤以降も点数を取れるようにしていきたい」と樋口キャプテン。(※樋口の“樋”のシンニョウは点1つ)

<得点シーンでは控えメンバーも一体となって盛り上がる>

 

◆京都匠ヤング(京都)…ベスト8

 「楽しもう。挑戦しよう。感謝しよう」をモットーに、昨年の全国ヤングクラブ男女優勝大会に初出場を果たした。磨かれた守備力がベースであると同時に、今季は全国中学生長身選手発掘育成合宿に参加したサウスポーエースの寺島輝良(上写真⑬)が攻撃の中心となる。「バックアタックを練習中」と話す寺島を軸に、再び全国の舞台へ。

<チーム全体でレシーブ力は目を張るものがある印象だ>

 

◆花巻男子ヤングクラブ(岩手)…ベスト8

 全国大会にも例年出場している宮野目中(岩手)の部員を軸に据えつつ、当校の池田雄一監督が地域の中学バレー活性化のために活動している。「学校が違っても、それほど意識することなく、いい雰囲気で練習できています!! 全員で戦うことを心がけています」と語る駒込詠斗キャプテンはすがすがしかった。

<「試合では出だしからみんなでつないで盛り上がって戦えました」と①駒込キャプテン>

 

◆倉吉pearsユース(鳥取)…ベスト8

 エースの徳山天とセッターの徳山色(上写真②)は双子の兄弟。「その2人を中心に成長してきましたが、徐々に周りのメンバーも伸びてきた」と岩垣宏次監督は語る。とはいえ、ボールが集まってしまうのは徳山(天)の決定力の高さゆえ。本人も「みんなで万遍なく打っていければ、もっともっとチームがよくなると思う」と、全員で切磋琢磨していく。

<「レシーブなどチームの守備力は伸びました」(①徳山〔天〕)と成長曲線は右肩上がり>

 

>>><次ページ>大会9位&13位相当のチームを紹介

 

◆PROGRESS倉敷(岡山)…9位相当

 大会のホストチーム。中学生たちは試合を戦い、小学生たちが大会運営のサポートに走る姿が見られた。新チームになってからはサーブとレシーブの強化に励んできたそうだが、「攻めすぎてサーブが外れたり、安全に打ってミスをしたりしていたので改善したい」と守屋結人キャプテン。「工夫しながら全員バレーで頑張りたい」と言葉に力をこめた。

<「たくさんの収穫や課題を得られました」と①守屋キャプテン>

 

◆STINGS Jr.(愛知)…9位相当

 VリーグのジェイテクトSTINGSのジュニアチーム。今大会を前にトップチームと同じデザインのユニフォームが渡され、「たまらなかったです」と早川陽介キャプテンは目を輝かせて振り返る。それはスタッフ陣が選手たちに極秘で進めていたサプライズだった。「最高です!! これを着るからには頑張らないと」と早川キャプテンは気を引き締めた。

<「目立たなくても存在感があるリベロ」を目指す①早川>

 

◆翔耀VC(徳島)…9位相当

 中学に部活動がない子どもや、部活以上に上達したい選手たちが集まる。学校が異なっても「みんな、仲がいいんですよ!!」と藤原啓修キャプテン(上写真①)は胸を張る。同年代と交流を持つのがうれしいようで、大柄な体格の藤原は「見てのとおり、僕が特徴的なので。ほかのチームからも話しかけられやすいですし、それがめちゃくちゃ楽しいです」と笑顔を浮かべた。

<しっかりと得点を重ねた⑭松岡来基は大会優秀選手に選ばれた>

 

◆GOLD BIRD(大分)…9位相当

 2019年に創設され、県内各地から選手が集って活動している。今年の春から加わった中学3年生の今村望夢はチームの印象について「みんな仲がいいですし、試合中も声が途切れません。それは決してふざけているのではなくて、楽しんでバレーボールをしている証しです」と微笑む。その言葉どおり、試合中の笑顔が印象的なチームだ。

<大型アタッカーとしてチームから歓迎された②今村>

 

◆唐津クラブ(佐賀)…13位相当

 佐賀県内では2番目の人口を誇る唐津市だが、中学校における男子バレーボール部の数は0。そこで10年前に木下晴之監督が立ち上げ、今に至る。全国規模の大会への出場機会も少なく、今回は「自分たちで気落ちしてしまった」と木下監督も悔しげ。山崎孝大キャプテン(上写真①)は「試合中も対戦相手に立ち向かえるようなチームにしていきたいです」と誓った。

<選手たちにとっては大きな舞台。この経験を今後に生かしていく>

 

◆横浜BLUE WAVES(神奈川)…13位相当

 意外にも横浜市では初の中学男子クラブチームとして2022年に誕生したばかり。この春には小学生時代からの競技経験者も加わったが、それでも橘健太監督が奮起を促すのは3年生たちだ。その中でも元気にコートを駆け回る高見啓太キャプテン(下写真⑦)は「チームとしても高さがない分、声を出して盛り上げることで流れを持ってきたい」と自身の役割を語った。

<チーム発足から1年。着々とステップアップを目指す>

 

◆PROGRESS大阪(大阪)…13位相当

 PROGRESS倉敷の兄弟チームとして発足し、南大阪エリアを拠点に活動する。「練習に参加して、自分自身が成長できるチームだと感じたので入団しました」と話すのは戸木心翔キャプテンだ。府内にはパンサーズジュニアなど実績あるクラブチームがひしめくが、「府予選を勝ち抜いて、全国大会に出場するのが目標です!!」(戸木キャプテン)

<「どの試合も雰囲気よくプレーできたと思います」と①戸木キャプテンは振り返った>

 

◆SELECT京都(京都)…13位相当

 洛南高(京都)で指導経験を持つ西又啓太さんが昨年秋に立ち上げたばかり。大会への出場も今回が初めてで、「めっちゃ緊張していました」と福田蕗亜キャプテン(上写真①)が言うのも無理はない。それでも「楽しかったです。対戦中はもちろん、ほかのチームどうしの試合を見ることで次に生かしたいと思いました」(福田キャプテン)と貴重な機会になった様子だった。

<登録メンバー以外もメモを片手に試合を見ていた>

 

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