令和5(2023)年度春季大会兼関東大会予選(東京女子)最終日が5月14日(日)に十文字高校、文京高校(ともに東京)で行われ、下北沢成徳高が3連覇を飾った
優勝した下北沢成徳高
下北沢成徳高がまたも都内のライバルたちを圧倒し、今年2月の新人大会に続く失セット0での優勝を飾った。同大会に続いて決勝で共栄学園高に勝利。昨年度の春高都予選代表決定戦で敗れ、本戦出場を逃した相手を下し、セッター小山明は声を弾ませた。「そのときの3年生の思いもあって、共栄(学園高)と試合をするときは毎回『絶対勝たせない』という気持ちが出てきます。勝ててすごくうれしいです」。
平均身長179.2cmを誇る5人のスパイカーを、小山が輝かせた。第1セットはいきなり3連続失点を喫したが、身長183cmのオポジット河俣心海の連続スパイクなどですかさず逆転。その後も河俣や身長183cmの柳千嘉が攻撃を決めるなど、イェーモンミャと後藤ビビアン愛音の両エースに頼りすぎないトス回しで、リードを保った。さらにリリーフサーバー緑栞希が相手の守りを崩すと、高さあるブロックでプレッシャーを与え、6連続得点でセットを奪った。
#2河俣をはじめ、スタメンには6人の2年生が名を連ねる
第2セットは相手のミスを誘い、9-3と序盤から主導権を握る。その後も柳の連続得点などで点差を広げると、18-11から柳が連続ブロックを含む3連続得点。最後はエースのイェーモンがスパイクを決め、2セットともに25-14と大差で奪った。
小川良樹前監督から伊藤崇博監督に替わって初めてのシーズン。小山が「伊藤先生が監督になってから、いろんな人から『攻撃が変わった?』と言われますが、小川先生が教えてくださったことがベースです」と語るように、伝統のオープン攻撃はぶれない。ただ、今大会ではミドルブロッカー陣のクイックに加え、後藤がブロード攻撃を見せるなど、幅のある攻撃を見せた。それは、北沢中(東京)時代から共に戦う選手たちをはじめ、信頼を寄せるスパイカーの存在が大きい。
「ライトが生きたらミドルブロッカーも使えるし、ミドルブロッカーとライトに(ブロックが)集まったと思ったら、レストが絶対に決めてくれる。この代になってから、『自分がチームを引っ張る』という気持ちが全員からすごく出てきて。誰にトスを上げても決めてくれると思います」
巧みなトス回しを見せた#11小山
3月に行われた全国私立高等学校男女選手権大会(さくらVOLLEY)では、優勝した金蘭会高(大阪)に敗れてベスト4。インターハイで頂点に輝くべく、6月の関東大会でさらに弾みをつける。
試合結果(十文字高)
準々決勝
下北沢成徳高 2-0 藤村女高
(25-14, 25-12)
八王子実践高 2-1 実践学園高
(15-25, 25-20, 26-24)
文京学院大女高 2-1 駿台学園高
(26-24, 24-26, 25-14)
共栄学園高 2-0 淑徳SC高
(25-12, 25-20)
5•7位決定戦
実践学園高 2-0 藤村女高
(25-20, 25-22)
駿台学園高 2-0 淑徳SC高
(25-20, 25-15)
準決勝
下北沢成徳高 2-0 八王子実践高
(25-16, 25-20)
共栄学園高 2-1 文京学院大女高
(25-16, 17-25, 25-23)
3位決定戦
文京学院大女高 2-0 八王子実践高
(25-23, 25-19)
決勝
下北沢成徳高 2-0 共栄学園高
(25-14, 25-14)
※文京高での結果もふまえ、東京都からは以下のチームが6月3日(土)〜4日(日)に日環アリーナ(栃木)ほかで行われる関東大会女子への出場を決めた
下北沢成徳高、共栄学園高、文京学院大高、八王子実践高、実践学園高、駿台学園高、藤村女高、淑徳SC高、修徳高、高島高、駒場高、東京立正高
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