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VNLを前に男子日本代表が練習を公開 19歳の甲斐を周囲がサポート

 

紅白戦中に笑顔を見せる石川主将(中央)ら

 

 男子日本代表は富山での親善試合(中国戦)を終え、66日(火)から日本ガイシホール(愛知県名古屋市)で始まるネーションズリーグ(VNL)予選ラウンド第1週に向けて愛知県内で国内合宿を行っている。大会まで2週間を切った525日(木)、報道陣に練習が公開された。

 選手たちはウォームアップのあと、スパイク練習や紅白戦、サーブ練習など行い、4時間ほど汗を流した。

 練習ではフィリップ・ブラン監督が選手へ直接声をかけにいく場面が多く、積極的にコミュニケーションを図っている様子がうかがえたほか、選手どうしや、スタッフと選手間での会話シーンも頻繁に見られた。

 以下、参加選手中、取材日時点で最年長の深津旭弘(35歳)と、富山で行われた親善試合で代表デビューを果たした最年少(19歳)、甲斐優斗選手のコメント。

 

 

メンバーと談笑する深津旭弘(左)と甲斐優斗(右)

 

■深津旭弘選手コメント

「今チームは非常に雰囲気もよくいい状態です。(国内合宿に合流した)海外組の石川(祐希)や、髙橋(藍)とは久しぶりに顔を合わせましたが、もういつ試合が始まってもOK、というくらい、コンビネーションはバッチリ。常に『今がベスト』という状態を作りたいと思っています。

 昨年は(日本代表の)Bチームだったので、本格的にブラン監督のもとで動くのは初めてですが、監督の方からコミュニケーションとってくれていると感じ、とても助かっています。積極的に一つ一つ『もっとこうした方がいいんじゃないか』と声をかけてくれますし、『これはやってはいけない』『これは素晴らしい、やっていい』ということを、はっきり伝えてくれる。監督の考えをしっかり理解して、体現していきたいです。

 自分はチーム最年長で、一つ下の代でも山内(晶大)や関田(誠大、ともに29歳)で、少し世代が離れます。自分の役割と立場で、チームに還元できるものをしっかり表現していこうと思っています。コートの外で何か積極的にやろうというのは決めていませんが、とにかくチームの誰に対しても自分をさらけ出し、オープンに接しようと思っています。

 メンバーで今、気にかけているのは甲斐(優斗)。まだ19歳で、みんなと少し年齢が離れているというのもありますし、(A代表は)初めてですから。甲斐から何かを発信するのは難しいと思うので、まずこちらからフォローしてあげようと。そして先々『もっとこうして欲しい』という言葉が自然と出てくるように、それを引き出してあげたいなと思います。

 代表初選出は2010年で、そこから数えても13年やってきました。長くプレーしてきたなかで、今は若い時とは違うやり方で、『今の自分のスタイル』が確立できていると感じます。技術的な部分もありますが、考え方や生き方の変化によるところが大きい。バレーボールとの向き合い方が変わってきたというか。大変なことに挑戦していくというのは変わりありませんが、『勝ちたいから苦しむ』という感覚よりも、『勝ちたいからこそ楽しむ』という方向にシフトしてきた。どんな状況でも、真剣に堂々と笑顔でやっていきたい。

 66日からネーションズリーグに入り、試合が始まったらきっといい面も悪い面も色々出てくると思います。それに直面したときにどう問題を解決していくか、というのは課題。いろいろ起きることは予想しながら、でも自信を失わず、しっかり楽しんで取り組みたい。地元、愛知県でプレーできるのは身が引き締まる思いです。結果をしっかり残さないといけません。全員で一丸となって取り組んでいきたいです」

 

 

ラリーを止めて指導するブラン監督(中央)

 

■甲斐優斗選手コメント

「(富山での親善試合)で519日に初めて代表としてコートに立って、プレーももちろんですが、たくさんの観客に見てもらっているという環境自体がとても楽しかったです。

 高校3年間はミドルブロッカーをやっていましたが、代表ではアウトサイドヒッターでいきたいと希望していたので、希望通りに選出、起用されてうれしく思います。アウトサイドヒッターの魅力は『最後にトスが上がってくるところ』だと思っていて、そこがプレーしていて楽しいポイント。どんなときでも最後のボールを決めきれる選手になれるよう、頑張ります。

 ブラン監督にはコミュニケーションを取ろうと気にかけていただいているのがわかります。今日、指導いただいたなかで、特に印象に残っているのは『トスがネットに近かったり、短いときはブロックに向かって思いきり打たず、まずはリバウンドを狙って立て直そう』という言葉です。中国戦でもブロックされる場面が多かったので、今後は改善してきたいと思っています。

 自分から話しかけることはあまりなくて。皆さんの方から声をかけてくださって、すごく楽しいですし、やりやすい環境だと感じています。練習中、ミスをしたときに一番声をかけてくれるのは深津(旭弘)さん。『次、次、気にしないでいこう』と言ってくれるので、すごく気持ちが切り替えやすく、引きずらずに取り組めます。コンビについても『今のトスどうだった?』『もっとこうした方がいいよね?』と細かく確認してくださるので、とても息が合ってきていると感じます。

 昨年は大学入学、代表初選出と環境の変化も大きく、代表の活動が難しい部分もありました。今年は、(専修)大学の(吉岡達仁)監督に、『代表に集中してやろう』というふうに送り出していただきました。ブラン監督ともよく話して、代表に集中できる環境が整えられています。ネーションズリーグの開幕を迎えますが、まずは自信をもって、自分のプレーが発揮できるように準備して、最後まで戦い抜きます」

 

取材/淺井恭子

 

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