男子日本代表は、6月6日(火)から日本ガイシホール(愛知)で行われるネーションズリーグ(VNL)に向け、5月31日(水)に愛知県内で記者会見を行った。現在のチーム事情やVNLへの思いなど、フィリップ・ブラン監督が会見冒頭に語った意気込みを全文でお届けする(コメントを一部改変)
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皆さんこんにちは。どうぞよろしくお願いします。我々の話をする前に、昨日の女子チームの勝利に賛辞を送りたいと思います。
(5月19、20日に行われた)富山での中国との練習試合(親善試合)は、合宿の成果を評価する最初の機会でした。富山合宿のあとは愛知のジェイテクト体育館で合宿を再開し、その際にメンバーセレクションが行われて、大塚(達宣)選手、富田(将馬)選手、西山(大翔)選手がBチームへ移動しました。
Bチームの真保(綱一郎)監督とその選手たちに、中国との親善試合(岩手)での勝利に対して賛辞を送りたいと思います。
そしてジェイテクト合宿からは、石川祐希選手と髙橋藍選手が少しの休暇のあと参加しました。この合宿の目標としては、あとに合流した2人のチーム力とコンビ力を高めることと、昨年度、しっかり高めることができたチーム力をまた取り戻すこと。そして全員のサーブの質を高めることでした。
選手の調整度合いがバラバラであるなか、練習の強度やボリュームを調整するのは非常に難しかったです。なぜなら新規合流の2人に対して負荷をかけすぎないようにしながら、もともといた選手たちの強度を維持する必要があったからです。
2人のミドルブロッカーに問題が発生しました。
髙橋(健太郎)選手は今、腰のケガから復帰しかけています。村山(豪)選手はヒザのケガでオフェンス力に影響が出て、交代を余儀なくされました。村山選手はメディカルスタッフとこれからケガの治療に専念する予定です。ただ、彼は間違いなくシニアの枠に入り続けると思います。
(エバデダン)ラリー選手はまだヒザのケガから復帰中ですので、今は麻野(堅斗)選手が代わりにチームに合流しています。
ポーランドとの強化試合は、VNL本戦前に試合勘をつかむために大事な機会になります。短期間ですが、石川選手、髙橋(藍)選手の調整の最終段階にあるとも言えます。親善試合ではありますが、難しい戦況でのチーム全体の意思決定や修正スキルをテストするよい機会になります。主力を欠いていても、ポーランドは世界のトップレベルなので、とてもいい経験を積む機会になると思います。
石川選手、髙橋選手にはもう少し時間が必要だと思いますが、選手、スタッフ、チーム全体がVNL本戦を待ちわびている状況です。
4月の合宿当初から、個々人にはそれぞれのスキル向上を課題として挙げていました。そして、それぞれが上達してくれたと考えています。試合を楽しみながら勝利するという一つの目標のために、彼らはこれまで努力をしてきました。
VNLは世界ランキングを維持、向上するために大事な機会ですし、さらにOQT(オリンピック予選)の前哨戦として非常に大切な大会になると思います。この大会では、世界のトップレベルとの試合経験の獲得を目指したいです。そして試合の中でのチーム力、修正するスキルや意思決定スキルを向上させながら、3試合連続で高いパフォーマンスを出すことを目標にしたいと思います。
この日本ラウンドは我々のバレーボールをファンに直接披露する大切な機会です。さらに初戦のイラン戦はアジアのトップを維持するために大事な試合。VNL決勝ラウンド進出を目指すうえで、日本大会でのトップレベルとの試合の経験の獲得は非常に大事なものになってくると思います。
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