第67回兵庫県高等学校総合体育大会は、6月10日(土)に加古川市総合体育館(兵庫)で大会最終日が行われた。女子は氷上高が決勝で神戸常盤女高にストレート勝ちし、7年連続42回目の本戦出場を決めた
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レフトから助走に入った身長180㎝の木下結稀キャプテンが、力強く右腕を振り抜いた。相手のブロックを弾いたボールがコート外に弾むと、笑顔の仲間たちが次々と駆け寄ってくる。失セット0での優勝に、木下キャプテンは「試合前はあまりいい雰囲気がつくれていなくて。でも『どんなことがあっても絶対に下を向かない。上を向いて笑顔でやる』と言っていました。優勝できたのはめっちゃうれしかったです」と目尻を下げた。
決勝の相手は2月の新人大会で唯一セットを落とした神戸常盤女高。同大会では第2セットに追いつかれ、最終第3セットは27-25で辛勝していた。だが、前回対戦からの大きな違いはそのフォーメーション。第20回2023全日本ジュニアオールスタードリームマッチにも出場したミドルブロッカーの木下を、3月にアウトサイドヒッターにコンバートした。川釣修嗣監督は「あれぐらい高さのある選手が高いトスを打ってくれるほうが、全国を見据えたときに勝ち目があるかなと思いました」とその狙いを明かす。
木下がサイドに回ったことで、身長176㎝の西村心花、175㎝の高下百々花の両ミドルブロッカーを含め、高い壁に迫力が増した。決勝でも要所でブロックを決め、ディフェンスも機能。エースの木下やその対角の池田莉奈も託されたトスに応えた。
指揮官が「ここ1、2週間でだいぶ調子を上げて頑張ってくれた。かなり決定力がついてきています」という高下が決勝のコートに立ったが、それまでは身長178㎝の溝上愛那も活躍。「彼女もほんとうにいいセンスを持っています。ブロックもいいし、ジャンプサーブはミスしないですから」と太鼓判を押すルーキーの存在もあり、選手層に厚みが増してきた。
理想の試合運びで大会を制し、指揮官は「高さを上げるイコール、ブロックというところだったので。ブロックがしっかりしてきたら、相手のスパイカーも大変だと思います。そこはだいぶできてきたのでは」と手応え。本戦での躍進を目指し「木下をサイドに持っていった狙いはそこにあるので。一暴れできればなと思います」と笑顔を見せた。自信とともに、北の大地に乗り込む。
文・写真/田中風太(編集部)
最終日の試合結果
準決勝
氷上 2(25-16、25-13)0 兵庫大附須磨ノ浦
神戸常盤女 2(25-21、27-25)0 日ノ本学園
3位決定戦
日ノ本学園 2(24-26、27-25、25-17)1兵庫大附須磨ノ浦
決勝
氷上2(25-20、25-18)0神戸常盤女
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