令和5年度春季大会兼大阪高校選手権大会兼全国高校総合体育大会 大阪地区2次予選のベスト4リーグが岸和田市総合体育館で6月18日(日)に行われた。男子は3戦全勝で、昇陽高が2年連続2回目の本戦出場を決めた
全勝どうしで迎えた、清風高とのベスト4リーグ最終戦。事実上の決勝に、15日(木)に左足をねんざしてから出場していなかった齊藤拓海キャプテンがスタメン出場した。テーピングで患部を固定し、痛み止めを打ってコートへ。それだけ、この一戦に懸けていた。
「清風はいちばん負けられない相手で、いちばんいいライバル。自分たちのバレーで相手を上回る、という気持ちで戦いました」(齊藤キャプテン)
第1セットは齊藤キャプテンを中心とした粘り強い守りでサウスポーエース小山海皇(みこと)につなぐ。だが、なかなかブレイクできず、サイドアウトを取り合った。14-13から3連続失点を喫し、一時は追いかける展開になったが、流れを変えたのはビッグサーバーの仲村正也。20-20から強烈なサーブで相手を崩すと、22-20から3連続エース。「ミスしてもいいから思いきり打ちました。めっちゃうれしいです」と会心の一撃でセットを先取した。
第2セットは、新チーム結成以来力を入れてきたブロックとフロアディフェンスが機能。要所でブロックを決め、抜けたボールは齋藤キャプテンと小瀬維都、リベロ倉本翔斗が何度も拾った。リードを保ち続け、25-17でセットを連取。ストレート勝ちで歓喜の瞬間を迎えた。
1年前は悲願の全国大会初出場を決め、多くの選手が涙を流した。そこから、昨年度は国体、春高にも初出場し、今年3月の全国私立高等学校男女選手権大会(さくらVOLLEY)では初優勝。着実に階段を上がってきた。
エース小山は「今年は私学大会を優勝しているし、『(全国に)行かなあかん』という気持ちもありました。強い清風もいるので、簡単ではなかったですが、僕は『絶対にいける』と思っていました」という思いを現実に。昨年度は3回戦敗退に終わった本戦へ、「絶対負けへん。今年は全部勝ちます。一致団結してチームで攻めていきたいですね」と力強く宣言した。
清風高は2年連続で本戦出場ならず
第1セット終盤まで食らいついた清風高だったが、2年連続で本戦出場を逃した。
粘り強い守りからオポジット塙大輝を軸に得点を重ね、第1セットは緊迫した展開に。14-13から塙の連続得点、ビヴォーネフランチェスコ武彦のクイックが決まり3連続得点で勢いづいた。
だが、山口誠監督が悔やんだのはその後のシーン。仲村のサービスエースで崩されたのは、交代で入ったレシーバーだった。「タラレバの話になってしまうけど、もう1周余裕のあるところで交代して、自信を持ってプレーさせてあげられたらよかった。俺の采配ミスかな」と唇をかんだ。
第2セットは終盤に追い上げたものの、一転して指導権を握られ続ける展開に。「いい部分はたくさんあるけど、1セット目にできていたことが2セット目にできなくなるのはまだまだ弱いところ。勝つチームはやっぱり強さを出しきれる」と奮起を促した。
昨年度も府予選6回戦敗退と悔しさを味わうも、厳しい夏を越えて春高の切符をつかんだ。指揮官は「夏の越え方がめちゃくちゃ大事。また一から頑張って、春高(の出場権)を取って。昇陽と勝負ができるように」と闘志を燃やした。
文・写真/田中風太(編集部)
18日の試合結果
ベスト4リーグ
2試合目
昇陽 2(25-14,25-13)0 常翔学園
清風 2(25-17,25-19)0 近畿大附
3試合目
昇陽 2(25-20,25-17)0 清風
常翔学園 2(25-21,25-23)0 近畿大附
※17日の1試合目は、昇陽が近畿大附に、清風が常翔学園にストレート勝ち
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