令和5年度春季大会兼大阪高校選手権大会兼全国高校総合体育大会 大阪地区2次予選のベスト4リーグが岸和田市総合体育館で6月18日(日)に行われた。女子は3戦全勝で、金蘭会高が10年連続11回目の本戦出場を決めた
インターハイ連覇を狙う金蘭会高が、スタメン平均身長177.3㎝の高さで圧倒。失セット0で優勝し、北海道行きの切符をつかんだ。
前日はルーキー馬場柚希をミドルブロッカーとアウトサイドヒッターで起用したが、この日はミドルブロッカーでプレー。初戦の四天王寺高戦では、身長180㎝の馬場のスパイクや身長175㎝のセッター花岡千聡のブロックなどで終始ペースを握った。25-14、25-15でストレート勝ちすると、全勝対決となった大阪国際滝井・大阪国際戦も第1セットは25-12と圧倒した。
第2セットもエース西村美波が好レシーブを連発するなど、高いブロックを起点とした粘り強いディフェンスが機能。だが、一時は7点リードも相手のブロックアウトを止められず、21-20と1点差に。西村のスパイクでサイドアウトを取って逃げ切ったが、池条義則監督は「反省ばっかりして終わるな、という。相手との駆け引きはあまりうまくいっていないですね」と課題を口にした。
それでも、左すねの故障で今大会はエース上村杏菜がリベロ登録になったが、池条監督は「上村が出ていないのをよう補った」とたたえた。全員がアンダーエイジカテゴリー日本代表候補に選ばれた経験を持つこの日のスタメンに負けじと、リザーブメンバーも与えられた場所で力を発揮した。
交代の際は、選手自ら池条監督に申し出るのが金蘭会高流。サウスポーの後山七星とともに、この日何度も池条監督に2枚替えを志願していたセッター中川さつきキャプテンは、大阪国際滝井・大阪国際高戦の第2セット、24-22の場面でコートへ。「最後の1点だったので。この一球にすべてをぶつけよう」と意気込んだ一打はサービスエースに。「なぜか決まりました。自分がいちばんびっくりしました」。中川だけでなく、駆け寄ってくる仲間たちも笑顔。チーム内競争は激しくても高い結束力を誇る、金蘭会高らしいラストシーンだった。
全国屈指の戦力の充実度で、連覇への期待は高い。だが、中川キャプテンは「そこを見すぎたらよくないので。目の前の一戦にしっかり集中して頑張りたいと思います」と気を引き締めた。中川キャプテンと同じく「(連覇を)狙いすぎるとよくない」と冷静に語っていた池条監督は、「62年間生きてきて、北海道という土地に立ったことがありません。行けるのがうれしいです」と声を弾ませていた。
文・写真/田中風太(編集部)
金蘭会高選手コメント
上村杏菜
「(試合に出られなくて)悔しい気持ちもあるけど、チームをどうサポートしていくかを考えられる時間になったし、出ていないからこそできることもすごくありました」
西村美波
「去年は決勝リーグで1試合負けてしまって、ギリギリで(本戦に)いっているので、今年は圧倒しようとみんなで練習してきました。出だしから自分たちのバレーができましたが、まだ課題もあるので、インターハイまでに改善していきたいです」
馬場柚希
「純粋にうれしいです。まだ不安定な部分もありますが、強気にサーブを打つことができました。日々の練習からいい選手のプレーをまねして、インターハイで優勝したいです」
6月18日の試合結果
ベスト4リーグ
2試合目
金蘭会 2(25-14,25-15)0 四天王寺
大阪国際滝井・大阪国際 2(25-21,25-21)0 城南学園
3試合目
金蘭会 2(25-12,25-22)0 大阪国際滝井・大阪国際
城南学園 2(25-21,25-22)0 四天王寺
※17日の1試合目は、金蘭会が城南学園に、大阪国際滝井・大阪国際が四天王寺にストレート勝ち
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