ネットやボールが違う! 地域クラブが初の東京都中学校大会で直面した現実と今後の決断
- コラム
- 2023.07.29
アップゾーンから熱心にエールを送る控えのメンバーたち。コールがやむことはなかった
変化する中学バレー界において、変わらぬ思い
そこにあるのは、部活とクラブチームのどちらがいい悪い、という議論ではない。杣木監督は思いを語る。
「私自身、本来は部活動で取り組んでほしいと思っています。学校の先生のもとで、学校生活を通じて心と体を育んでいくのが最善ですから。クラブチームでは技術を磨くことはできますが、生活面までフォローするのは難しいと感じます」
実際、全国各地を見渡せば、教員が在籍校とはまったく別でクラブチームに従事しているケースはある。もっとも、杣木監督自身は会社勤めのサラリーマン。そうした事情も、自身の部活動とクラブチームの向き合い方につながっている。
今は、狭間にいる。中体連への参加が可能である以上、これまで以上にそちらへ重きを置いたり、それに応じた運営方法を模索する必要が出てくるかもしれない。この先、活動していくうえで、その決断は常に隣り合わせだ。それでも胸に留めているのは、子どもたちの成長である。
「変えていく必要がある、変えなければいけない部分を精査しながら、引き続きチャレンジしていきます。根底にあるのは、子どもたちにたくさんのことを経験させて、その子の可能性を大きくすること。そのチャンスがあるならば、どんどん取り組んでいきたいです」
10年以上、チームに携わる杣木監督が見守る中、初めての舞台を戦った
初めての都大会を終えて、キャプテンの感想は
たくさんの経験を積む。DropJYVCにとって今年は、その機会が中体連の都大会だった。初日の、それも一試合だけで戦い終えることになったとはいえ、やはり試合があることが選手たちにとっては価値があった様子。浅見キャプテンはこのように語った。
「試合がないと、練習もばく然としたものになってしまうので。試合に向けて取り組んでいるんだと思えると、練習の士気も高くなる。それが、やっぱり試合や大会があるといいな、って思えるところです」
チームの活動は続く。今後は中体連の大会に参加していた面々が戻ってき、すでに出場権を獲得している秋の全国大会に向けて再び歩みを進める。
「去年も全国大会に出場できましたが、そこで強いチームとわたり合うところまではいってないので。全国でもしっかりと勝負できるような、粘り強いチームになりたいです」(浅見キャプテン)
精いっぱいバレーボールに励み、楽しみ、そして成長したいと願う。その思いは、学校であろうとクラブチームであろうと、きっと変わらない。
秋には全国大会が控える。まだまだ切磋琢磨し続ける
(文・写真/坂口功将〔編集部〕)
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