バレーボールの関西大学1部春季リーグ王者の近畿大男子が7月23日に創部初となる現役生vs.OBのスペシャルマッチを行った。これは近畿大のオープンキャンパスの企画の一つとして催され、会場の近畿大学記念会館(大阪)には高校生や一般のバレーボールのファンの姿が多く見られた。
コートでは随所で世代を超えた交流があり、なごやかなムードで試合は進んだ。なかには学年が被っており、直接対決に闘志を燃やしていた選手どうしも!? 試合後、今季の現役キャプテンを務める後藤陸翔(4年)と、その2つ年上でキャプテンマークをつけた中野倭(ウルフドッグス名古屋)による対談が実現した。
手のひらの上でコロリ!? 中野の先制サービスエース
試合直前には記者に「陸翔、狙います」と宣言していた中野。その言葉どおり、自身のサーブで始まった試合のその1本目にショートサーブを打ちこみ、見事サービスエース。目の前に落ちたボールに、後藤は一歩も動けなかった。
――宣言どおりのサービスエースでした
中野 思ったよりもお客さんが入ったということで、陸翔の性格上かなりいきりたっていたはずで。
後藤 ははは(笑)
中野 「やってやろう、見せつけてやろう」みたいな感じの顔をしていたので、これは足動かへんやろうな、と。
後藤 違う、違う(笑)
中野 それで前に落とそうと思ったら、もう案の定!!
後藤 いや、あれはいつもなら別の選手がカバーしてくれて。その彼が固まっていたので…。
中野 これは確実に言い訳です。という、言い訳をするまでが、こっちの描いたプランでしたから。
後藤 してやられました(笑)
――続いて2本目はドライブ気味のサーブを後藤選手へ。レシーブはできましたが…
中野 思ったよりも、弾き具合が少なかったな、と。もうちょっと弾いてくれたらプランどおりの展開で、「今日はもう終いや」って僕はベンチに下がっていたはず。
後藤 2本目はイージーサーブでしたよ。
中野 おぉー、成長しましたね。
――後藤選手がレフト側、中野選手がライト側でマッチアップする場面もありました
後藤 まだまだ高さが足りないかな、と。
中野 その話題は、こちらとしては困るやつ。
2人 (大爆笑)
中野 (自分のブロックは)いいところがなかっただけに。
後藤 アタック面では圧勝だった、と記事に書いてください。
中野 いつかVリーグの公式戦で、あのマッチアップができたらね。
日本一を目指す後輩へ送るエール
――今日の最後のセットは現役とOBが混ざった編成で、2人は同じチームになりました
中野 もう上げやすさは、ピカイチなので(チラッ)
後藤 横目で見ないで(笑) 自分のリズムというか、こちらの思い描いたとおりのトスを上げてくれるので、すごくやりやすかったです。今は自分が下級生を引っ張っていく立場ですけれど、一緒にプレーしていた当時を思い出して、なつかしく感じる楽しい時間でした。
――中野選手は久しぶりの凱旋になりました
中野 昨日までここで練習していたんかな、と思うくらい、ふつうにプレーできました。けれど、さすがに暑すぎて!! そこだけは勘弁してほしかった~。
後藤 それは間違いないです。
中野 今、ウルドの体育館(WD名古屋の練習拠点であるエントリオ〔愛知〕)で汗出ることないですもん(笑)
――では最後に、大学はシーズン後半戦に突入します。先輩からエールを
中野 前半戦で何がよくて何が悪かったのか、がチームとしても、キャプテンである陸翔自身も見極めて、悩んで、考える時期だと思うんです。夏は大会が少なくてモチベーションの維持が難しくもあると思いますが、成長につながる時期ですし、ここでどれだけ頑張れるか。それによって秋季リーグや全日本インカレの結果が変わってくると思うので、キャプテンとして悔いなく頑張ってほしいです。
後藤 これから終盤戦に入りますが、秋季リーグも始まればあっというまですし、全日本インカレも5ヵ月をきっている。大学バレーをやりきって悔いなく終わりたいですし、まだとれていない日本一をとりたいです。
中野 ほんまに思ってる?
後藤 みんなに言うてます!! 「日本一をとろう」って。
中野 心のどこかで「ベスト4でエエ」って思ってへん?
後藤 思って、ません!!(キッパリ)
中野 正直、オレは思ってました!!(ドヤッ)
後藤 それ!!(笑)
中野 取材カメラの前では「日本一になりたかった…」って言うたけど、本音ではベスト4入りたかったぁ~(最終結果は第5位)。
後藤 この差、っスよ!! 皆さん。
中野 「ベスト4入れば、もういいで」とは、心の中ではね。けど結局はそれが達成できなかったから、僕は今もこうして頑張れているのかなと思います。
(取材・写真/坂口功将〔編集部〕)
【ギャラリー】近畿大 現役vs.OB戦-現役サイド-〔35点〕
【ギャラリー】近畿大 現役vs.OB戦-OBサイド-〔50点〕