今シーズン、パナソニックに新加入したリベロ山本智大、オポジット西田有志の記者会見が7月27日、パナソニックアリーナで行われた。
山本は「早く溶け込んで、1年目からチームみんなで優勝を勝ち取りたい」、西田は「パナソニックの強いイメージを自分たちが蘇らせるという気持ちを持ちながら、最強のチームをつくっていきたい」と意気込みを語った。
パナソニックは6季連続リーグで3位以上と常に上位にいるが、優勝からはやや遠ざかっている。日本代表でも主力を務める2人は、5シーズンぶりの頂点をつかむための大きな戦力となりそうだ。
2人はパナソニックへの移籍を選んだ理由の一つに、東京2020オリンピックでフランス代表を金メダルに導き、現在はパナソニックの指揮を執るティリ・ロラン監督の存在を挙げた。西田は、「いろんなスターが集まっているチームをまとめ上げて、東京2020オリンピックで優勝させた監督。そのティリ監督が『一緒にやりたい』と言ってくれたことがすごくうれしかった」と語った。
背番号は西田が11番、山本は13番。昨季まで7年間パナソニックでプレーした、元ポーランド代表のミハウ・クビアクが背負っていた13番を選んだ山本は、思いをこう明かした。「僕がVリーガーの中で一番憧れていたのがクビアク選手。昨季までネットを挟んで対戦していて、ほんとうに素晴らしい選手でしたし、リスペクトする気持ちがとても強かったので、彼と同じ番号でこのパナソニックを強くしたいという思いで13番にしました」
会見では日本代表に関する質問も。ネーションズリーグで銅メダルを獲得した喜びを口にしながらも、2人はすでに次を見据えていた。
腰の痛みで準決勝と3位決定戦を欠場した西田は、「最後にああやってメダルを取れて、チームで喜んで帰って来られたことはうれしかった。でも自分は表彰台に上っていないので、そこの悔しさを誰よりも感じている」と無念さをにじませ、「アジア選手権、OQT(パリ五輪予選)で取り返したい」と決意を口にした。
ネーションズリーグで好守を連発し、ベストディガーに輝いた山本は、「ベストリベロを取りたかった」と悔しそうだった。「表彰式の前にブラン監督に『お前(ベストリベロ)あるんじゃない?』と言われたり、アメリカのリベロのショージも『ヤマモトだよ』と言ってくれたし、ポーランドのザトルスキも『絶対オレじゃない』みたいな感じだったので、あるかなと思ったんですけど(苦笑)」。
ふたを開けてみればポーランドのパベウ・ザトルスキがベストリベロだけでなくMVPも獲得。山本は、「数値やパフォーマンス的には僕も負けていないと思っていたんですけど、彼は要所でいいプレーをしていたり、コート内でコミュニケーションをうまく取っていた。チームを優勝させるリベロが世界一のリベロだと思っています。今回目標としていたメダルを取れたことは非常にうれしいですが、金メダルではなかった悔しさは残ったので、アジア選手権、OQTでさらにギアを上げていきたい」。
今年の日本代表の最大の目標はパリ五輪の出場権を獲得すること。西田は、「OQTでは皆さんが望んでいるチケットを取る」とあらためて決意を語り、ミッションを果たしてパナソニックに合流することを誓った。
文/米虫紀子
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