バレーボールのFIVBパリ五輪予選/ワールドカップバレー2023 女子大会に出場している女子日本代表は、失セット0の4連勝を飾っている。30日(土)から同じ国立代々木競技場第一体育館で決戦に臨む男子日本代表の目に、その活躍はどう映るのか。選手たちにその思いを聞いた
【写真】味の素ナショナルトレーニングセンターで最終調整中の男子日本代表フォトギャラリー
昨年12月に女子日本代表の古賀紗理那キャプテンと結婚を発表した西田有志は、妻の活躍に「まあ、家族が頑張っているだけなんで」とさらり。それでも、話を聞いたのは古賀が相手の厳しいマークにあったアルゼンチン戦の2日後。同じスパイカーとして、エースを思いやった。
「数字が出ていなかったとしても、彼女は自分をコントロールできると思いますし、対策されてなかなか決まらないのはエースの証拠なので。彼女は自分を責めていましたが、アルゼンチン戦を見ても全然悪い感じはしなかったですし、そんなに気にする必要はなかったと思います。終盤にかけてしっかりとやれるようになるんじゃない? という話をしています」
西田の言葉どおり、20日のブルガリア戦では古賀はチーム最多の13得点をマーク。コートで明るく振る舞う姿に、「今、彼女はバレーボールをすごく楽しんでいますし、そういうところを見ても、自分と重ね合わせられる」と刺激を受けている。
決戦のOQTは「シビアな戦いになることは全員が覚悟したうえでの戦い」と語るように、これまでにない重圧がかかるはずだ。だが、「その中で勝ちきれる日本を見せられるように。簡単に勝てる試合は一つもないと思うので、常に全力のパフォーマンスをして、チケットを取れるように頑張りたいと思います」と誓った。
妹の真佑が出場している石川祐希も、アルゼンチン戦を観戦。「女子のプレーについてどうこうということはあまり気にしていません」としながらも、「お客さんも入っていて、盛り上がるんだろうなと」と画面越しに会場の雰囲気をチェック。「バレーボールを見ていただいて、おもしろいと思ってもらうきっかけにもなるので。ほんとうにプラスでしかないと思っています」と熱を感じている。
石川と対角を組む髙橋藍は「自分たちにとっても力になっています。いいスタートを切っているので、女子にも頑張って切符を取ってほしいですし、そこから自分たちも出場権を取る、という流れにつなげていきたいですね」、セッターの関田誠大も「女子がいいスタートを切れているので、個人的には僕たちも乗っていきたいと思っています」と力を得ているようだ。
女子がオリンピック出場権を獲得し、続いて男子大会へ。そのときを願いながら、最終調整に汗を流す。
取材/田中風太(編集部)
撮影/石塚康隆(NBP)
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