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オリンピック出場権獲得へ 男子日本代表が最終調整 石川祐希キャプテン「個人だけでなくチームとして自信がついている」

 FIVBパリ五輪予選/ワールドカップバレー2023 男子大会(OQT)に930日(土)から出場する男子日本代表が、味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC/東京)で最終調整を行っている。その練習の模様をお届け

 

ツーボールゲームでガッツポーズを見せる石川キャプテン

 

【写真】味の素ナショナルトレーニングセンターで最終調整中の男子日本代表フォトギャラリー

 

 初の銅メダルを獲得したネーションズリーグ、そして3大会ぶりの頂点に輝いたアジア選手権大会を経て、9月には沖縄で合宿を行った。タイトな日程をクリアして臨むNTCでの最終調整だが、コートには明るい雰囲気が漂っていた。

 

 練習前には、大塚達宣、小川智大、関田誠大、髙橋藍、富田将馬、宮浦健人、山本智大が試合前でも恒例のサッカーのメニュー「鳥かご」に熱中した。関田が山本の股を抜くと、豪快にガッツポーズを見せた。

 

 練習がスタートすると、それぞれの方法でおよそ15分間をかけてじっくり体をほぐしていく。終盤には期待のアウトサイドヒッター甲斐優斗がフィリップ・ブラン監督、深津貴之コーチとともにレシーブ練習。2mの体で華麗なフライングレシーブを見せると、ブラン監督は親指を立ててたたえた。

 

 その後はツーボールゲームで白熱。山本、小川の両リベロをはじめ、軽快な動きで相手コートにボールを落としていく。石川祐希チームが終盤までリードを許すも、最後はそのキャプテン自ら得点を決め、千両役者ぶりを見せた。

 

 

リラックスした表情を見せる髙橋藍(左)と大塚

 

 キャッチボールを経て、ワンタッチボールの処理の練習へ。両サイドにいるスタッフが持った板に向けて台上のスパイカーが打ち、その高く跳ねたボールをつなぐというもの。西田有志が「走れー!」と鼓舞し、大塚がフライングレシーブ。髙橋(藍)はギリギリでボールをつなぐと、「上がったでしょ!」と笑顔でアピールした。意識が板に集中していると、ダイレクトで強打を打たれる場面もあった。

 

 ディフェンスのメニューは続き、二段トスからの攻撃に対するディグ練習に取り組んだ。ノーブロックでたたきこまれるスパイクをレシーブし、攻撃へ。ここでも山本、小川がさすがの好守備を連発。

 

 サーブレシーブからのコンビ練習を行ったのち、「S5」、「S6」など、指定されたローテーションでサイドアウトを取る練習へ。関田が「ずっとしていますよ」というメニューに最も時間を割いた。

 これまでの大会の主力メンバー、そしてリザーブメンバーがネット越しに対峙。ジャンプサーブ、そしてチャンスボールから得点を決めると、髙橋(藍)が「130㎞ちょっとは出ているんじゃないですか? あそこまで速い選手はいないです」と苦笑いするサーブマシンが待ち受ける。強烈なサーブにノータッチエースが決まるシーンもあったが、徐々にコート内にキープ。関田のトスワークで幅の広い攻撃を展開した。

 

 

マシンからの強烈なサーブに、レシーバー陣は何度も食らいついた

 

 主力組、そしてリザーブメンバー組が交互に取り組んだのち、最後は主力組に山本龍、宮浦が2枚替えで投入されたケースも練習した。

 アジア選手権大会で初めて合流した山本に対し、石川キャプテンは「彼が代表1年目とか、途中から入ってきたとか、それはまったく言い訳にならない。僕たちは彼に対して合わせないといけないですし、彼も合わせなければいけない。お互いにわかっているので、コミュニケーションを取って、合わせられるだけ合わせていきたい」とこの合宿のポイントに挙げた。

 

 沖縄合宿では「体の問題で練習を休むケースが多かった」という石川キャプテンは、この日すべてのメニューを消化した。「沖縄合宿もいい練習ができたと思うので、チームの雰囲気は非常にいいと思います」と充実した表情。自身7年ぶりのOQTに向けて引き締めた。

 「ネーションズリーグ、アジア選手権と結果がしっかり出ているので、個人だけではなくて、チームとしても自信がついていますし、8年前よりレベルも上がっていると思います。だからといって、OQTで簡単に勝てるわけではない。そこは全員がわかっていると思うので、足元をすくわれないように戦いたいと思います」

 

 妥協なく突き詰め、パリへの道につなぐ。

 

 

OQTまで残り10日を切った。戦いのときまで、腕を磨き続ける

 

取材/田中風太(編集部)

撮影/石塚康隆(NBP

 

 

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