バレーボールのパリ五輪予選/ワールドカップバレー2023女子は4日目が終了。各チームは全7試合を戦うため、ここで折り返したことになる。国立代々木競技場第一体育館(東京)で行われている日本大会では現在、日本、トルコ、ブラジルが開幕から無傷の4連勝をあげて、一歩抜け出したかたちだ。
日本は山場であるラスト3デイズへ。飛車落ちのベルギーをクリアすることから
まずは日本大会の4日目終了時点の順位がこちら。
【パリ五輪予選/ワールドカップバレー2023女子/順位表=4日目終了時点=】
1 日本 4勝0敗(セット率:MAX)
2 トルコ 4勝0敗(セット率:6.000)
3 ブラジル 4勝0敗(セット率:6.000)
4 ベルギー 2勝2敗
5 アルゼンチン 1勝3敗(セット率:0.444)
6 プエルトリコ 1勝3敗(セット率:0.300)
7 ブルガリア 0勝4敗(セット率:0.166)
8 ペルー 0勝4敗(セット率:0.083)
これまでを振り返ると、大方の予想を裏切って苦戦しているのがベルギーだ。大エースのブリット・ヘルボッツがケガのため来日せず、開幕戦こそブルガリアとのヨーロッパ対決を制したものの、2日目にプエルトリコに逆転負け、3日目にはアルゼンチンにストレート負けを喫した。エースを務めるマノン・ストレイジエが得点源となり、守ってはヨーロッパ選手権でトルコを相手にブロックポイント11本を叩き出したミドルブロッカー、マルリース・ヤンセンスがチームを牽引するが…。今大会は相手サーブに苦しむ場面も見られるため、日本としてはサーブから勝機を探りたい。
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ヨーロッパ女王のトルコはバルガス&カラクルトの強力デュオが脅威
日本大会における最後の3連戦。22日の最大の注目は第3試合に行われるブラジルとトルコの全勝対決だ。両チームとも、最高の状態で来日してきた。
今年はこれまでネーションズリーグとヨーロッパ選手権の二冠を獲得しているトルコは、FIVBランキングでも1位に君臨(9月21日時点)。昨年まで6年間指揮したジョバンニ・グイデッティ監督の退任で始まった2023年だったが、ダニエレ・サンタレッリ新監督がチーム力をさらに高めることに成功。キャプテンのエダ・エルデムは新指揮官について「常に、私たちに新しいことをトライさせてくれるコーチ。決して怒らず、もちろん怒ることがあっても私たちへの敬意を失うことなく前向きに接してくれます」と語る。
加えて、今年からは元・キューバ代表のメリッサ・バルガスが帰化し、代表入りが解禁。エースのエブラル・カラクルトと世界屈指の2枚看板を形成し、他国の脅威となっている。
先の話だが、パリオリンピック出場となれば金メダル候補筆頭といえるトルコ。とはいえ、エルデムは「日本はとても若い選手が多いけれど、素晴らしい守備とサーブを備えています。こちらとしてはサーブで攻めなければ、(敗れた)ネーションズリーグのような結果になってしまう。今大会でも難しい試合の一つになるでしょう」と警戒を緩めなかった。
ベテランミドルブロッカーの存在感が光るブラジル
そのトルコとまずは全勝対決に挑むブラジルは、直前の南米選手権で史上最多23度目の優勝を果たし、状態は最高潮にある。キャプテンの“ガビ”ことガブリエラ・ギマラエスも「今年最大のターゲットはパリオリンピック予選ですが、その準備という点で重要な南米選手権を全勝で締められたこと、そしてチームの試合ごとの成長とパフォーマンスに満足しています」と自信を深めていた。
トルコに比べるとサイズは劣るものの、ディフェンス力の高さはオリンピック2度の金メダルを誇る“バレーボール大国”の強み。今大会では身長196㎝のタイーザ・メネセスや“キャロル”の愛称でおなじみのアナ・ダシウバのベテランミドルブロッカーが熟練の技を披露している。トルコ戦では強力な2枚看板をいかにはね返すかが注目だ。
いずれにせよ、トルコとブラジルの直接対決によって、どちらが今大会初の黒星を喫する。“これ以上負けられない”状況になることで、日本との対戦が控える終盤戦では、さらに気を引き締めて臨んでくるのは間違いなし。
上位2つに与えられるパリオリンピックの切符は、まだ誰の手にも渡っていない。
(取材・文/坂口功将〔編集部〕 写真/石塚康隆〔NBP〕)
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