ブラジル女子が組んだ静かな円陣 トルコとの大一番を前に金メダリストが逝去 「娘を失ったようだ」とギマラエス監督
- コラム
- 2023.09.23
<2008年北京オリンピックで女子ブラジル代表を金メダルに導いたギマラエス監督。手前⓺はタイーザ>
「彼女のことを一生忘れないでしょう」(ギマラエス監督)
「ほんとうにつらい一日です。いろんなことを今日は思い出しました。まるで娘を失ったような感覚です」
そう語ったのは、女子ブラジル代表のジョゼ・ギマラエス監督だ。北京オリンピックでも監督を務め、ヴァレウスカ、タイーザと喜びを分かち合った。
「彼女はブラジルを代表して戦うことを、とても誇りに思っていました」
そう語るギマラエス監督の“盟友”への思いは尽きない。
「私がときにエキサイティングし過ぎたときは、彼女が寄り添ってバランスをとってくれたものです。自分の意見を出すこともいとわず、何よりチームのためにいつも全力を尽くしていました。とても誠実で、個々の基礎的な技術を磨くことに努力を惜しまなかった。彼女と一緒に戦えたことを光栄に思います」
ともに戦ったタイーザは「笑顔にあふれ、遊び心のある女性。それでいてプロフェッショナルで、情熱的。リーダーシップのお手本でした」と表現した。誰もが認める、まさにロールモデル。それが、ヴァレウスカ・オリベイラだった。
「アスリートとしてのレガシーを私たちに残してくれた彼女のことを一生忘れないでしょう」(ギマラエス監督)
金色に輝くレガシーをつなぐ女子ブラジル代表の戦いは、パリそしてその先の未来へ続いていく。
<2013年ワールドグランドチャンピオンズカップで優勝。後列左から3番目がヴァレウスカ(写真/FIVB)>
(文/坂口功将〔編集部〕 写真/石塚康隆〔NBP〕)
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