9月24日(日)まで国立代々木競技場第一体育館(東京)で激闘を繰り広げた「FIVBパリ五輪予選/ワールドカップバレー」女子大会の熱気そのままに、30日(土)からは同男子大会がスタート。男子日本代表は25日(月)にカナダと「2023男子国際強化試合」を行い、いよいよ大一番に臨む
オリンピックの出場権を懸けた決戦の舞台は国立代々木競技場第一体育館。かつては春の高校バレー(全国高等学校選抜優勝大会)なども開催され、バレーボールの“聖地”とも言われる会場だ。だが、近年は国際大会が行われておらず、男子日本代表が最後にプレーしたのは8年前。「FIVBワールドカップ2015男子大会第3ラウンド」までさかのぼる。
石川祐希キャプテンにとっては同大会以来となる代々木でのプレー。当時は柳田将洋、髙橋健太郎、山内晶大とともに「NEXT4」として注目を集めていた。優勝したアメリカからセットを奪い、ロンドンオリンピックを制したロシアとはフルセットの熱戦を繰り広げるなど健闘し、12チーム中6位に。「広島から始まって、大阪、東京と徐々に人が入った状況は覚えています。ああいった中で試合ができるのは楽しみ。今回は勝つ姿を見せられるチャンスがあるので、非常に楽しみです」と自信をのぞかせた。
セッター関田誠大にとっては、2年生時に柳田とともに春高で優勝した東洋高(東京)2年生時以来の戦いに。「体育館がどこであれ、たくさんの方が来てくれるので、それは非常にうれしいことだと思います」と連日チケットが売り切れの状況に感謝。すり鉢状の独特の体育館で、トスの感覚をつかむ。
18年に日本代表に初選出された西田有志と20年に日本代表入りした髙橋藍にとっては初の聖地。西田は「東京体育館(東京)と同じような感覚なのかなと想像していて。正直ワクワクしています」と試合を待ちきれない様子。
髙橋は「テレビでしか見たことがなくて、やってみないとわからないですけど。ドーム型ということで、雰囲気的にはやりやすいのかなと思いますね」と笑顔で語った。東京2020オリンピックに出場したが、当時は無観客開催。「地上波で放送されて、日本国内であれだけ盛り上がる試合は僕も初めて。正直想像できませんが、自分自身のバレーボールを見失わないところにフォーカスしたいです」と頼もしい言葉を残した。
同会場で24日に行われた女子日本代表のブラジル戦後は、石川、髙橋、西田らがSNSで反応。画面越しにも伝わる熱気あふれる会場のイメージを膨らませ、本番前最後の戦いに挑む。
文/田中風太(編集部)
写真/石塚康隆(NBP)、平野敬久
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