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春高2025

日本戦でセットポイントから逆転したトルコ女子の強さ。 「いつも選手たちを信じている」指揮官が告白するあの場面の胸中

  • コラム
  • 2023.09.29

 バレーボールの「FIVBパリ五輪予選/ワールドカップバレー2023」女子大会が924日に閉幕し、全勝のトルコそして日本との直接対決を制したブラジルがオリンピックの出場権を獲得した。そのトルコは日本戦で、何度も窮地に立たされながらもひっくり返す強さを見せた。その光景を、指揮したダニエレ・サンタレッリ監督に振り返ってもらった。

 

 

オリンピック予選通過の証しであるキャップを手にする女子トルコ代表の面々

 

日本戦で勝利し、パリオリンピック出場権を獲得したトルコ

 

 923日、女子大会6日目。この時点で全勝対決となった一戦で、日本はヨーロッパ選手権女王のトルコを追い詰めた。キャプテンの古賀紗理那のアタックとブロックシャットによる連続得点で始まった第1セットを先取すると、第2セットは先に20点に到達、第3セットも先にセットポイントにたどり着いた。

 だが、結果として日本がセットを奪ったのは第1セットのみ。第2セットは22-19から6連続失点、第3セットは24-22から4連続失点を喫し、セットを落としている。

 

 いずれのセットも日本は攻撃を切り返され、得点されるケースが続いた。試合後、日本の選手たちが口にした「決めきる力」の差が出たのは確かだ。と同時に、トルコとしては終盤の連続得点の場面で、第2セットはイルキン・アイドゥンが、第3セットはジャンス・オズバイが、ミスすることなくサーブを打ちこみ、効果的に日本のサーブレシーブを崩していた。

 

 その崖っぷちの場面で、トルコのサンタレッリ監督はどんな心境だったのか? 大会を終えて振り返ってもらうと、「I always believed.」と二度繰り返して、こう話した。

「私はいつも信じています(I always believed)。彼女たちが決してあきらめないことを。そして、勝てることも、ね。だからこそ、私自身は選手たちのためにできることをやるまでなんです」

 

 

日本戦で13得点のアイドゥン(コート奥)は10代の頃からシニア代表に名前を連ねてきたアウトサイドヒッター

 

まるで違うバレーボールのスタイルに対応する難しさ

 

 今年はネーションズリーグ、ヨーロッパ選手権を制し、堂々のFIVBランキング1位で来日したトルコ。けれども、サンタレッリ監督自身は決して楽観視することなく臨んでいた。

「今回の予選では、素晴らしいチームと対戦するわけでしたから。毎試合、自分たちとは違うスタイルのバレーボールに適応させることは簡単ではありません。そのなかで、自分たちがいいバレーボールができたこと、その結果、予選通過を果たせたことを誇りに思います」

 

 適応力を要したのは、日本戦も同様だった。

「日本のシステムに私たちのバレーボールを対応させるのはほんとうに難しいんです。研究はしていますが、実際に戦ってみないと日本のプレーを理解することはできません」

 

 第1セット、日本は終始リードする展開を作り、最大8点差としている。それでも終盤にかけてトルコはじりじりと詰め寄り、13-21から最終的に22-25まで迫った。

「一歩ずつ改善、向上させること。第1セットは非常に難しい展開になりましたが、挽回できました。そうして第2セットはさらによくなりました。試合を戦いながら、各セットで準備を施し、勝利に結びつけることができました」

 

 

第3セットの窮地からサーブを打ち込んだオズバイはベテランセッター

 

【次ページ】「3、4点差は決しておおきくない」とサンタレッリ監督

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