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春高2025

「相棒でライバル」男子U16日本代表 新山明と岩野泰雅が友情を武器に日本一へ 全国ヤングクラブ大会が開幕

  • アンダーエイジ
  • 2023.09.29

 バレーボールの「第26回全国ヤングクラブ優勝大会」(以下、全国ヤング)が9月30日(土)から男子は和歌山、女子は大阪で開幕する。大会は男女ともU14とU19の2世代のカテゴリーが設けられており、特にU14は全国から集った48チームによって争われる日本一決定戦(U19は12チーム)。とりわけ男子は今年の全日本中学校選手権に出場したクラブチームやVリーグのジュニアチーム、そしてU16日本代表選手が所属するチームが並ぶ。(カッコ内の学年は現在のもの)

 

<今年の全国ヤングに出場する岩野泰雅(左)と新山明(右)は男子U16日本代表のメンバーでも>

 

クラブチーム「福岡PROCEED.VBC」に所属する新山明と岩野泰雅

 

 今年7月中旬、味の素ナショナルトレーニングセンター(東京)には12名の若き才能が集っていた。今年から新設された国際大会「第1回アジア男子U16選手権大会」に臨む面々だ。シニア代表とデザインは異なるものの、真紅のユニフォームの左胸には日の丸が光る。

 

 その中の2人、背番号2の新山明(学業院中〔福岡〕3年)と背番号12の岩野泰雅(朝日中〔大分〕3年)がコートに並ぶ。ともにポジションはアウトサイドヒッター、だが、ここでは岩野がチーム唯一のリベロとして招集された。

 

 「やっぱり存在感があって、頼りになります。いつも一緒にプレーしている分、安心する感じが。リベロとして難しいボールも上げて、周りを助けてくれています」

 

 とっさの反応でボールを拾い上げる岩野の姿を、新山はそう語った。反対に、新山の姿は岩野にこのように映っていた。

 

 「相手ブロックがきたときの対応力が、ふだんとまるで違います。ばぁーん! と弾いてアタックを決めている。すごいなと感じます」

 

 中学は違うが、2人は同じクラブチーム「福岡PROCEED.VBC」(福岡/以下、福岡プロシード)でプレーし、そこではエース対角を組むどうし。だからこそ、変化と成長に気づき、目を丸くし、どこか安心感を覚えたのである。

 

<今年、国際大会に臨んだ男子U16日本代表の選手たち。②が新山、⑫が岩野>

 

2年生時からチームの主軸として活躍してきた2人

 

 福岡プロシードでは2年生の頃からすでに主力を務め、2枚看板を形成してきた新山と岩野。SNS上ではプロフィールの欄に、そろって“相棒”と載せるほどの間柄だ。その関係性は、彼らが2年生時の取材で口にしたお互いへの期待からも見られた。

 

 「自分が全部レシーブするから、全部決めてほしいです」(岩野)

 「ミスしても自分がキャプテンとして励ましたり、支えてあげるから、思いきり攻めてほしいです」(新山)

 

 頼りがいに満ちあふれ、それでいてコート上では支え合う。そんな絆がきらりと輝く。

 

 その存在の大きさを思い知ったのが、今年春の「第3回U14 PROGRESS CUP」だった。全国各地から有力チームが集ったこの大会で、福岡プロシードは昨年末の第2回大会に続く連覇を目指し勝ち進む。準決勝では、身長180㎝超えの大型選手が並ぶWOLFDOGS名古屋U-14(愛知)と対戦。その第1セットで、岩野が足をねんざし途中退場を余儀なくされたのである。

 

<全国ヤングの県予選を控えた重要な大会として、PROGRESS CUPに臨んだが…>

 

<次ページ>無念の負傷退場となった岩野に言葉をかけることができなかった新山

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