北海道旭川市を舞台に8月8日(火)〜11日(金・祝)に行われ、駿台学園高(東京)の7年ぶり2回目の優勝で幕を閉じたバレーボール男子インターハイ。堅いディフェンスと多彩な攻撃で、前評判どおりの戦いを見せた同高は、ライバルたちの目にはどう映っていたのか。対戦した選手、監督たちがその印象を語った
東山高(京都)
決勝 0(22-25、19-25、22-25)3 駿台学園高
練習試合では「9-25」で落としたセットも。連覇が懸かる決勝でリベンジを狙ったが、第1セット、第3セット終盤の競り合いを制せず
松永理生監督
「駿台の選手はみんなコートで話していますね。3セット目の競っているときも、(ミドルブロッカーの)秋本(悠月)が何かを言ったら、セッターがサインを交換していたんですよ。ああいう部分からもみんなでチームをつくっている感じもします。そこはうちは全然足りなかったですね」
昇陽高(大阪)
準決勝 0(20-25、17-25)2 駿台学園高
近畿大会王者。3月の全国私立高等学校男女選手権大会(さくらVOLLEY)ではU19日本代表合宿で亀岡聖成、秋本を欠く相手を破り、優勝した。フルメンバーの駿台学園と初めて戦ったが、自慢のディフェンスを崩された
ミドルブロッカー 仲村正也
「レベルが違いすぎました。どうやったらあんなにハマるのかがわからないです。ブロッカーと一対一になっても、(レシーバーが)体に当てて上げてくるので。そういうところがすごいと思いました。
相手のトスを上げるところはわかりましたが、クイックが高くて。リード(ブロック)で待っていたら追いつけない。割りきるしかなかったです。いつものようなプレーができなかったですね」
東北高(宮城)
準々決勝 0(20-25、27-29)2 駿台学園高
予選グループ戦 0(14-25、15-25)2
東北大会王者。予選グループ戦で隠していた引き出しを見せ、準々決勝の再戦では互角の戦いも。惜しくも敗れたが、高いポテンシャルを感じさせた
アウトサイドヒッター 坂本アンディ世凪
「亀岡聖成君はスパイクもそうですし、粘りの部分でも一段とすごくて。守備では、ミドルブロッカーも含め、全員がきっちりレシーブできる強さがありました。ブロックとディグの関係もすごくいいですが、自分たちの穴をついてくるような攻撃だったり、組織的にもきっちりされていて。そこが少し自分に足りないと思いました。選手層が厚くて、誰が出ても強いチームだと思います」
松本国際高(長野)
3回戦 0(17-25、24-26)2 駿台学園高
北信越大会王者。エース德留巧大を中心に、第2セットには駿台学園高にとっては今大会初のジュースに持ち込んだが、最後は力の差を見せられた
アウトサイドヒッター 德留巧大
「自分のスパイクが何回か決まったぐらいで、ディフェンスに関してはお手上げですよね。練習試合からほんとうにいい経験をして、駿台を崩せたら勝てるというか、どこにも負けない自信になります。でも今回は、崩せなかったという事実だけが残ってしまいました」
壬生裕之監督
「向こうのディフェンスは定評があるので。ある程度捕られることは覚悟していたましたが、いやぁ、堅かった。ここにブロックを飛んで(コースに)抜けさせるというディフェンスのかたちがしっかりしているうえに、イレギュラーに対してもコートへのボールの残し方がうまい。つなぎの練習を相当やられているんだな、と思います。見本にして、また持ち帰って練習したいです。
2セット目を取れれば3セット目に勝負を仕掛けるかな、というところでしたが。(紙一重か? という問いに)その厚さはどえらく分厚いんじゃないですか?(笑)」
全国三冠を目標に掲げ、インターハイ完全優勝でその一歩を踏み出した駿台学園高。10月8日(日)〜11日(水)には、その2つ目のタイトルを懸けて鹿児島県で行われる特別国民体育大会に臨む。
文/田中風太(編集部)
写真/山岡邦彦(NBP)、田中風太
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