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春高2025

スロベニアの37歳ペアに要警戒。同志の思いを胸に戦う司令塔と、パイエンクが語る日本への警戒「アメリカよりも速さがある」

  • コラム
  • 2023.10.07

<アレン・パイエンク(Alen Pajenk/1986年4月23日生まれ/身長203㎝/最高到達点366㎝/ミドルブロッカー/スロベニア>

 

アメリカ戦でインパクトを残したパイエンクのサーブ

 

 そのビンシッチと一緒に過ごしてきたメンバーの一人が、現在37歳のミドルブロッカー、アレン・パイエンク。クイック、ブロック、サーブとどれも高い水準にあり、スロベニアを支える。

 

 今大会では尻上がりに調子を上げ、エジプトとの第4戦、アメリカとの第5戦ではいずれもチーム最多3本のブロックポイントをマーク。また、アメリカ戦では相手リベロのエリック・ショージやエースのトリー・デファルコからサービスエースを奪った。

 

 「いつもどおりです。バリエーションに微々たる差があるだけで、今ではどのチームも強いサーブを備えていますから。やはりブロックしやすくするためには、ネットから3メートル以上遠ざけるように、相手のサーブレシーブを崩さなければ。今日はそれがよくできていたと感じます」

 

 ウルナウトのコンディション不良による欠場やモジッチの不調も重なり、スロベニアは1-3でアメリカに敗れたものの、パイエンクのサーブはその弾道と同様に強烈なインパクトを残した。

 

<アメリカのデファルコ(奥⑧)のバックアタックを仕留めた場面>

 

取材中、自ら口にした日本への警戒心

 

 それと同時に光ったのは、バックアタックに対するパイエンクのブロックだ。アメリカはセッターのマイカ・クリステンソンが多彩な攻撃を組み立て、なかでもデファルコやトーマス・ジェスキーらアウトサイドヒッターのバックアタックは大きな武器。パイエンクはそのバックアタックを2度、シャットしてみせた。

 

 「まず戦術的な観点からすると、アメリカは多くのパイプ攻撃(センターエリアからのバックアタック)を使ってきます。なので、こちらとしては常に頭の片隅に置いておかなければいけません。特にサーブレシーブがきちんと返ったときこそ、ブロックするのは難しくなりますね。ですが、今日はなるべく多くのタッチを取ることを心がけて、うまくできました」

 

 こちらが日本のメディアであることもあってか、パイエンクは自ら、このように語ってくれた。

 

 「アメリカは速さのあるパイプ攻撃を繰り出してきますし、それは日本も同じですよね。明日(7日)の試合も同じようなゲームになると思います。もしかしたら、今日(6日)のアメリカよりも速いかもしれませんね」

 

 “大きなハート”を宿し、初のオリンピック出場を目指すスロベニア。37歳の熟練ペアの闘志と技が、日本の前に立ちはだかる。

 

<同い年のベテランペアがチームをリードする>

 

(取材・文/坂口功将〔編集部〕 写真/石塚康隆〔NBP〕)

 

<次ページ>【ギャラリー】強いぞ、男子スロベニア代表 今大会の模様〔10点〕

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