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春高2025

Vリーグ、大学生チームを破り駿台学園高が天皇杯ファイナルへ 早稲田大、日本大、日本体大も切符獲得

  • V男子
  • 2023.10.24

令和5年度天皇杯・皇后杯全日本6人制バレーボール選手権大会関東ブロックラウンド(男子)が1022日(日)、武蔵野の森総合スポーツプラザ(東京)で行われた。早稲田大、駿台学園高、日本大、日本体大が128日(金)から同会場ほかで開催されるファイナルラウンドの出場権をつかんだ

 

 

駿台学園高

 

【フォトギャラリー】令和5年度天皇杯・皇后杯全日本6人制選手権大会関東ブロックラウンド(男子)

 

駿台学園高

唯一の高校生チームが厳しいグループを勝ち抜く

 

 し烈なBグループを突破したのは、高校生で唯一今大会に出場した駿台学園高(東京)だった。1回戦はV3の千葉ZELVA2回戦では筑波大、そして代表決定戦では駒澤大を撃破。梅川大介監督は「関東ブロックを抜けるのは至難の技。彼らがほんとうによく頑張ってくれたと思います」と喜びを爆発させた選手たちをたたえた。

 

 山場になったのが昨年の全日本インカレ王者・筑波大との2回戦。第1セットは先にセットポイントを握られながらも食らいつき、最後はサウスポー三宅雄大がスパイクを決めて33-31で奪い取った。

 第2セットは中盤にリードされると、三宅から身長195㎝の川野琢磨にスイッチ。23-25でセットを落としたが、最終第3セットは、先発起用された川野が高さを生かしたスパイクとブロックで存在感を見せた。高校屈指の堅いディフェンスで、筑波大のポイントゲッターである身長210㎝の牧大晃の強打にも徐々に対応。終盤には2本のサービスエースで抜け出し、25-22で接戦を制した。駒澤大戦は2セットともに25-19で勝利した。

 

 インターハイ王者として臨んだ国体では、準々決勝で高川学園高単独チームの山口県に敗れ、目標の全国三冠を逃した。それからわずか10日間ほどでの好成績。

「持ち直すところまではいっていませんでしたが、この大会で少し結果が出たので。春高でこの戦いをもう1回できれば、勝負になるという思いにはなったのかなと思います」(梅川監督)

 高校男子で今季最注目のチームが、再び上昇気流に乗った。

 

 

昨年の全日本インカレ王者の筑波大に勝利

 

早稲田大

下級生をたたえる一方

水町キャプテンは危機感も

 

 関東秋季リーグでは全勝で首位を走る早稲田大が、失セット0でファイナルラウンドの切符をつかんだ。だが、水町泰杜キャプテンは「ほっとしているというより、来週(のリーグ戦)に向けてやらなければいけないことがたくさんある」と引き締めた。

 

 この日は4年生アウトサイドヒッター山田大貴がベンチ外。代わってルーキー安食浩士をスタメンで起用した。つくばユナイテッドSunGAIAとのAグループ代表決定戦では、勝利に王手をかけた第2セットに先にセットポイントを握られたが、そこから安食のスパイクと2年生、畑虎太郎のブロックで同点に。最後は安食がスパイクを決め、ジュースを制した。水町キャプテンは「後半になるにつれて彼(安食)の持ち前の高さが出てきて、いい収穫になったと思います」と後輩を労った。

 

「下級生はよくやっている」と語る一方で、矢印を向けたのが4年生。この日は終盤の接戦をものにしたもの、秋季リーグ戦では取りきれないセットもあった。「2点差を取れない理由を考えたときに、練習中に僕たちの甘さがあって。チームがうまく一つになれていない」と危機感を口にする。

 

 6連覇を逃した昨年の全日本インカレのような悔しさを味わわないためにも、水町キャプテンは「ここから全日本インカレまでの1ヵ月で全部出しきって、自分たちというより、後輩にいい思いをさせてあげられるように」と鋭い眼差しで語った。

 

 

㉑安食の緊張をほぐす①水町キャプテン

 

日本大

部員70人の力を合わせ

グループ戦を突破

 

 仲間たちの声援も受け、日本大が関東ブロックラウンドを突破。森垣陸キャプテンは「自分たちのバレーがどれだけ通じるか楽しみ。残り少ない試合数が増えてうれしいです」と笑顔を見せた。

 

 初戦の東京ガスエコモ戦はリザーブメンバーを中心に勝利。「誰が出ても同じようなバレーをするのが試合前に掲げた目標。このあとの全日本インカレにも、来年にもつながる収穫です」と大きな白星に。主力が出場したCグループ代表決定戦の大東文化大戦は、第2セットに森垣キャプテンの2本のサービスエースを含む8連続得点でリードを広げ、主導権を渡さなかった。

 

 天皇杯ファイナルラウンドの前に行われる全日本インカレに向けて「全員で日本一に向かう練習をしています。会場を日大の色に染めて、観客も巻き込んでいければ」。この日のように大所帯の応援を力に変える。

 

 

得点に笑顔を見せる①森垣キャプテン(㊻は国京大海)

 

日本体大

一条が自身初のファイナルラウンドへ導く活躍

 

 3年生アウトサイドヒッター一条太嘉丸の活躍が光った日本体大が、Dグループ代表決定戦で東海大に勝利。12年生時もこの大会に出場しながら、あと一歩で敗れてきた一条は「3年目でやっと勝ちきれてうれしいです」と胸をなでおろした。

 

 東海大戦ではフルセットに持ち込まれたが、第3セット序盤から一条がエンジン全開。4-4から強弱をつけたサーブで連続エースを決めると、その後もバックアタックやブロックで得点を重ねた。中盤以降は対角を組む池城浩太朗キャプテンも躍動し、東海大から秋季リーグ戦に続く白星をあげた。

 

 現在開催中の秋季リーグ戦では2位と好調をキープ。「ミスが減ってきた」とプレーの安定感が増してきた一条は、全日本インカレでかなえたい思いがある。「池城さんや安原(大)さん、森田(元希)さんは特に、ずっと一緒に試合に出させてもらったり、よく練習をしていたので。優勝して、いいかたちで終われたらと思います」。勝負の舞台でも、4年生に結果で恩返しする。

 

 

プレーでも声かけでも存在感を発揮した一条

 

文・写真/田中風太(編集部)

 

 

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