福岡大附大濠高がインターハイ県予選に続く優勝か、東福岡高のリベンジか 激戦必至の福岡県春高予選決勝
- 学生
- 2023.11.11
東福岡高 インターハイ出場を逃すも九州大会では意地の優勝
「奇跡の物語」を、東福岡高はここで終わらせるわけにはいかない。
全九州大会を制し、笑顔の東福岡高の選手たち
シーズン前半はどん底だった。昨年度インターハイ準優勝を知るエース葭原逢太キャプテン以外のレギュラーは総入れ替え。ともに福岡大附大濠高と対戦した新人大会、インターハイ県予選決勝では、高い決定力を誇る葭原キャプテンにトスを集めたが、どちらもフルセットの末に敗戦。同予選の連覇記録は「11」で止まり、葭原キャプテンは号泣した。
「自分たちの代でインターハイにも出られない悔しさと、勝つのが当たり前のチームで、勝てなくて先輩方に申し訳ない気持ちがあって。頭が真っ白になりました」
再出発を迎えるにあたって掲げたのが「奇跡の物語をつくる」。インターハイを逃したチームが、春高で日本一に輝く。無謀にも思えるストーリーをかなえるべく、死に物狂いで汗を流した。藤元聡一監督は振り返る。
「練習でいちばん泣いていたのは葭原じゃないかな。『このままで九州が取れるか。九州を取らんとその1歩目にもならんぞ』と練習が止まることは何回もありました。本気で、この物語を体現しようと思っているんですよね」
葭原に導かれ、主力の2年生たちの心も変わった。攻撃パターンを増やし、予選敗退からわずか3週間後に行われた全九州大会では、見事に優勝。男子のインターハイ不出場校では、唯一ブロック大会を制した。これまで何度も九州を制してきた藤元監督も「こみ上げるものが少しあるというか。初めての経験をしましたね」と感慨深い表情。苦しんできたチームに、今季初めて光が差した。
葭原はその後も、昨年の第14回アジアU18(ユース)男子選手権大会に続き、第18回世界19男子選手権大会に出場。東福岡高ではスパイカーだが、セッターとしてチームを引っ張った。さらに、国体では福岡大附大濠高の選手たちとともに鹿児島へ。今季初めて全国の舞台を経験し「自分たちのやってきたことは間違いじゃない。(仲間には)このままいけば春高でも通用すると伝えたいです」と鋭い目つきで語った。
東福岡高からは唯一国体に出場した葭原
福岡大附大濠高がオレンジコートへの切符をつかむのか、それとも東福岡高がリベンジするのか。決戦は、11日11日(土)の13時より行われる予定だ。
文/田中風太(編集部)
写真/山岡邦彦(NBP)、田中風太、前田一星
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