第76回全日本バレーボール高等学校選手権大会(春の高校バレー)福岡県大会決勝が11月11日(土)に福岡市総合体育館で行われた。男子は東福岡高が福岡大附大濠高を3-0(25-22,25-18,25-23)で下し、13年連続15回目の本戦出場を決めた
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東福岡高
エース葭原キャプテンの
負傷も一丸でカバー
エース葭原逢太キャプテンのアクシデントを乗り越え、東福岡高が今季3戦全敗だったライバルにリベンジを果たした。
インターハイ県大会決勝では福岡大附大濠高に敗れ、同予選の連覇は「11」で止まった。苦しんだシーズン序盤だったが、同予選後は「奇跡の物語をつくる」と掲げてリスタート。インターハイ不出場校が春高で日本一になるという目標を目指し、3週間後の全九州大会では優勝。その後も強豪校との練習試合を通して自信をつけてきた。今大会は「圧倒」というテーマで、順調に調整を続けていた。
しかし、11月4日の練習中、ブロックで着地した葭原が左足首をねんざ。松葉杖がないと歩けないほど大きくはれ、藤元聡一監督は「(決勝には)出られないと思っていたので。チームはぐっと意気消沈しました」と振り返る。それでも、懸命の治療が実り、9日からチームに合流。決勝は痛み止めを打ち、葭原は「いろんな方に支えてもらってコートに立つことができたので。何としても勝って、春高の切符を取らないといけない」と強い覚悟でスタメン出場を果たした。
万全ではないエースを支えたのは、これまで葭原に引っ張られてきた2年生たちだった。第1セットは中盤まで拮抗した展開が続いたが、この日は葭原と同じポジションで対角を入れ替わっていた松下晃大が終盤に強打を決めてセットを先取。続く第2セットは14-17から劣勢をはね返す。安座間琉新のサーブで崩すと、3本のブロックを含む8連続得点。25-18で勝利に王手をかけた。
終盤には一時リードを許すなど第3セットも苦しんだが、葭原がギアを上げた。17-18から3枚ブロックを打ち抜くと、20-20からサービスエース。終盤にブレイクすると、最後は「(葭原)逢太さんを春高に連れて行って、日本一になる」と決意した松下が、チーム最多の17得点目となるスパイクで優勝を決めた。
ストレート勝ちでのリベンジにも、日本一を掲げる選手たちに笑顔はなかった。葭原は言う。
「インターハイを逃してしまって、ずっとその思いを胸にやってきたので。またチームをつくり上げて、春高で思いきりぶつけたいと思います」
万全の状態で、最高のフィナーレを目指す。
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福岡大附大濠高
接戦もミスが響く
大賀監督は39年間の監督生活に幕
インターハイベスト8の福岡大附大濠高は、3セットとも中盤まで互角の戦いを見せたが、要所でのミスが響いた。大賀俊信監督は「努力した結果なので。向こうが上だったということですね」と前置きしたうえで、「うちのミスが多すぎたのが敗因。乗っていくところでミスをして、自分たちで流れを切ってしまった」と冷静に振り返った。
10 年ぶりにインターハイに出場するなど、県内では圧倒的な強さを誇ってきた1年だったが、春高には届かず。今大会をもって大賀監督は39年間の監督生活にピリオドを打つ。「いろんな生徒と関わって、ここまでやらせてもらって感謝しています。最後はインターハイに出られたので、それだけでもよしとしないと」とほほ笑んだ。
身長201㎝のマサジェディ翔蓮、194㎝の中村玲央らスケールの大きい選手もそろう1、2年生へ「ぜひ全国優勝を狙ってほしいと思います」とエール。今後は部長としてチームに携わる予定だ。
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