全国二冠へ 国体王者の高川学園高が「ほぼ100点」の予選突破【山口県春高予選(男子)決勝レポート】
- 学生
- 2023.11.16
第76回全日本バレーボール高等学校選手権大会(春の高校バレー)山口県大会決勝が11月12日(日)に下松スポーツ公園体育館(トラックワンアリーナ)で行われた。男子は高川学園高が宇部商高を3-0(25-15,25-16,25-16)で下し、9年連続12回目の本戦出場を決めた
高川学園高
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第3セットにほころびも
すぐに修正
高い修正能力を見せ、国体王者の高川学園高が全国二冠への切符をつかんだ。
宇部商高との決勝。ブロックポイントを量産して第1セットを奪うと、第2セットはオポジット小寺澤壱輝の2本のサービスエースや安田成希のスパイクなど、序盤の7連続得点で突き放した。終盤には交代選手も活躍し、第1、第2セットともに相手を20点以下に抑えて圧倒。理想的な展開で優勝に王手を懸けた。
だが、第3セットは相手にフェイントを決められるなど、持ち味の守りにほころびが生じた。8-7と競り合ったが、そこで崩れないのが国体王者たるゆえんだろう。有吉健二監督は言う。
「1、2セット目にブロックで仕留めすぎて、結果的にバランスが少し悪くなったところがありました。ただ、例年だとそこから無理にブロックで点数を取りにいこうとして、またバランスが悪くなることもありますが、今年の選手たちはとても修正が上手だったと思います」
12-10からまたも小寺澤のサービスエースなどで4連続得点と勢いに乗ると、岩本純弥のブロックなどで4連続得点。さらに、南太陽のブロックを含む3連続得点とたたみかけた。最後はエースの門田凌也キャプテンがチャンピオンシップポイントを決め、終わってみればこのセットも25-16と大差に。攻守の要の小寺澤は「自分たちのチームはブロックとレシーブの関係がすべて。試合中に全員で修正することができて、ほぼ100点ですね」と笑顔を見せた。
サービスエースを連発した小寺澤。本戦では「もっと自分に注目してほしいです!」
国体で優勝してからはたくさんの祝福を受け、門田キャプテンは「いろいろな方の見る目が変わったというか。『優勝おめでとう』と言われて、春高も期待されているので。そういう部分ではプレッシャーがあります」と語るが、春高の目標は「国体に続いての二冠です」ときっぱり。国体の準々決勝で対戦し、全国二冠を争う駿台学園高(東京)との再戦を心待ちにしながら、本戦までアップデートし続ける。
練習時には国体の「チャンピオンTシャツ」を着用。春高では二冠を目指す
宇部商高
国体王者に持ち味を出せず
「すべてのレベルが違いました」
モットーの「耐えて勝つ」を体現できず、宇部商高は悔しいストレート負けを喫した。
第1セットはいきなり1−6と先行される苦しいスタート。その後も相手の堅い守りに攻撃は阻まれ、不完全燃焼に終わった。エースの篠田李琦は「ブロックが高くて、それを避けようとするとミスをしてしまいました。すべてのレベルが違いました」と国体王者の強さを実感。スパイクやサーブで引っ張ったが、「自分がもうちょっと頑張っていれば」と悔やんだ。
篠田は右足の半月板損傷のケガを負い、中学3年生時、高校1年生時と2度手術。「ケガをしてチームに迷惑をかけてきたので。悔しさもありますが、みんなはよくつないで自分にトスを上げてくれました。とても感謝しています」。信頼する仲間たちとともに、高校バレーを締めくくった。
エースとして得点を重ねた#4篠田(宇部商高)
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