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230試合出場記念インタビュー 青柳京古(埼玉上尾メディックス)

 バレーボールVリーグのV1女子、埼玉上尾メディックスに所属する青柳京古が114日にリーグ通算230試合出場を達成し、Vリーグ栄誉賞の表彰基準に到達した。引き続き活躍を続ける青柳の、喜びの声をご紹介する。

 

230試合出場を達成しての花束贈呈  写真提供/埼玉上尾メディックス 

 

――230試合出場達成、今のお気持ちを教えてください

 昨シーズンの終盤くらいに「来季はVリーグ栄誉賞だね…」と言われてそこで初めて気づいて、そんなすごい賞がもらえるんだととてもうれしかったです。

 Vリーガーでいられるだけで幸せなことだと改めて思いました。私は学生時代に一度も全国制覇やタイトルを取った経験がありませんでした。目標に届かず、そこでバレーを辞めてしまう選手も中にはいるかもしれませんが、それでもずっと続けていたら出会いもあるし、いいことだってたくさんある。そういうことを伝えられる一人になれたのかなと思います。

 

 

ミドルブロッカーで代表になると決意

 

――メディックスでプレーしてきて、一番印象に残っている試合は何ですか。

 内定選手(大学在学中)で出場した2013-14シーズンのV・チャレンジマッチ(入替戦)は絶対に忘れません。シーズン中はアウトサイドヒッター(以下サイド)でプレーしていましたが、この試合はミドルブロッカー(以下ミドル)で出場して、そこで活躍できたことが自信として今もずっと残っています。

 

――そこから本格的にミドルとしてプレー。メディックスに入団したことが大きなターニングポイントになったのでは?

 そうですね。ミドルに専念したいと具体的に感じるようになったきっかけは、2016年のリオデジャネイロオリンピックです。これからの代表にはミドルが求められていると思って。当時はメディックスにも松本(亜弥華)選手や丸山(裕子)選手といった強力なブロッカーがいて、私は攻撃力しかなかったから、それをもっと磨いて代表を狙いにいこう! と、決心しました。

 

 当時の監督にも「サイドの控えとして出るならミドルだけに専念したいです」と伝えました。複数のポジションができるのは強みだし、それで活躍している選手もいましたが、私は嫌だった。今思えば大きな決断でしたね。

 

――確かに、攻撃力は青柳選手の魅力だと思います。何か意識していることはありますか?

 元々サイドだったので、点を取るためにボールを力強く打つことが求められていました。ミドルでも少し攻撃のテンポが速いだけで他は変わらない。アタックラインよりも後ろから長く助走距離を取って、全力でジャンプしてしっかりたたき込む。オトリだとしても全力でプレーすることはブレずに意識しています。

 

2014年4月のV・チャレンジマッチにて

 

やらなければならないことがたくさん

 

――2023年は目標にされていた日本代表にも選出されました。来年はパリオリンピックもありますが、今はどんなお気持ちですか?

 最初は東京2020オリンピックでの代表入りを目標にしていましたが、選ばれなかった。そのときはとても辛かったです。でもチームメートが励ましてくれて、頑張ることができました。

 代表になってからは毎日が過ぎるのが本当に早くて、やらなければならないと思うことがたくさん出てきます。代表でも自チームでも、あと何回ブロック練習ができるんだろう…、間に合わない…、みたいな。

 

 そんなとき思い出すのは(荒木)絵里香さんが現役のころのインタビュー記事。「自分は下手くそだからもっと練習しないといけない…」とおっしゃっていたのをずっと覚えていて、あの絵里香さんがそう言うなら、自分なんてもっともっと練習しなきゃと、いつも思っています。

 

――ずばり、青柳選手にとってバレーボールの魅力は何ですか?

 難しい…、ですね。うまく言葉にできないのですが、バレーボールを通じていろいろな人とつながることができるのが私にとって魅力かもしれません。最近パーソナル診断というものをしてみたのですが、私はどちらかというと職人タイプ。一人で黙々と努力をすることが得意でチームプレーは向いてないと書かれていて(笑) でも今こうしてチームプレーをしている。自分一人では補えない部分をバレーボールで成長させてもらっているなと思います。

 

――ここまでは現役で頑張ろう、という思いはありますか?

 まだまだ引退は考えてないです。でも、(岩崎)こよみさんみたいに1回休憩して子育てもしたりして、将来的に自分の子どもにプレーを見せたいという気持ちはあります。

 

――最後に、今後の目標を教えてください。

 最後の1点を託される選手がサイドだけではなく、ミドルにもいるのがバレーの最先端だと思います。20点までたくさん点を取ったって、それ以降クイックはありませんと思われたらつまらない。最後を託されるミドルになりたいです。

 

 また、これまでメディックスでずっとプレーしてきて、優勝がまだできていません。課題であるブロックでもっと点を取って、ラリー中のスパイクでも自分のよさを発揮する。そこが優勝につながるポイントなのかなと思うので、私自身の成長で優勝に貢献できるように頑張ります!

 

 

2018-19シーズン。背番号は今と変わらない

 

青柳京古(あおやぎ・きょうこ)

19911216日生まれ。長野県上水内郡信濃町出身

 家族の影響で中学時代に競技を開始する。長野日本大学高校、愛知学院大学を経て、2013-14シーズンに上尾メディックス(現・埼玉上尾メディックス)に内定選手として登録される。学生時代はサイドアタッカーとしても活躍していたが、入団後本格的にミドルブロッカーに転向し、いつでも全力で打ち込む攻撃力を武器に活躍。2023年度は日本代表にも登録され、アジア選手権に出場し銅メダルを獲得。2023-24シーズンでVリーグ通算230試合出場を果たし、特別表彰制度の「Vリーグ栄誉賞」の表彰基準に到達。大卒の女子選手としては3人目の快挙達成となる。

 

■記録達成日

 2023-24 V.LEAGUE DIVISION1 WOMEN

 2023114日 対KUROBEアクアフェアリーズ戦 

 CNAアリーナあきた(秋田市立体育館)

■初出場

 2013-14 V・チャレンジリーグ女子大会 

 2013127日 対JAぎふリオレーナ戦(和水町スカイドーム2000

 

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