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春高2025

秋本美空(共栄学園高) 新春インタビュー U19日本代表での学び、そして春高への決意「下北沢成徳高を倒して日本一」

  • 女子日本代表
  • 2024.01.01

第76回全日本バレーボール高等学校選手権大会(春高)が1月4日(木)に東京体育館(東京都渋谷区)で開幕する。今年度は高校生で唯一の日本代表に選ばれ、8月の第18回世界U19女子世界選手権大会では得点源として活躍した秋本美空(共栄学園高〔東京〕2年)をインタビュー。日本期待の逸材が2023年を振り返り、新年への決意を口にした

 

 

2024年の抱負に「責任感」と書いた秋本

 

――2023年は春高出場、日本代表選出、そして4位に入った第18回世界U19女子世界選手権大会と、盛りだくさんの1年でした。秋本選手にとって、印象深いトピックスはどれですか?

 U19日本代表です。去年もタイ(第14回アジアU18〔ユース〕女子選手権大会)に行きましたが、大会の前に左足をねんざしてリリーフサーバーとしてしか出ていませんでした。

 今回はちゃんとスパイクを打つことができていたので、セッターの(熊谷)仁依奈さん(筑波大1年)や(日髙)心さん(園田学園女大1年)が、どんなトスが打ちやすいか、コミュニケーションをとってくれました。三さん(三枝大地監督)からは、自分と(笠井)季璃さん(旭川実高〔北海道〕3年〕)が点を決めないといけない、と言われていました。

 

――大会を振り返って、伸びたな、と思うプレーはありますか?

 レシーブです。練習では監督やコーチに打ってもらっていて、打球のスピードは速いし、威力もありました。事前合宿では、川崎橘高(神奈川)の男子選手に手伝ってもらって。ノーブロックでスパイクを打たれて、それを3人でレシーブする練習をしていました。

 スタッフの方からは「イタリアやアメリカも男子と同じくらいの打球だ」という話をされていて。実際に試合をすると、さすがに男子より強くはなかったですが、日本人選手よりも強かったです。

 

――スパイク面ではいかがでしたか?

 相手が高いので、ブロックが完成してしまうと打つところがなくなってしまいます。そのときは相手のブロックに当てて(コートの外に)出すスパイクをしたり、ブロックに当てて、リバウンドをフォローしてもらう練習もしました。

 

――国内では秋本選手より背が高い選手はなかなかいませんね

日本では相手の背が低くて。スパイクを打つときにブロックがないときもあって、自分の打点からは(コートの外に)出しにくいです。でも、ブロックが高かった3位決定戦のイタリア戦などは、腕に当てて出したり、いつもより楽に点数を取れる場面がありました。

 

 

本格的な日の丸デビューを飾った第18回世界U19女子世界選手権大会©FIVB

 

――そのイタリア戦では、14-16で落とした第5セット終盤にスパイクを決められませんでした。そこで決めきる選手になるには何が必要だと思いますか?

 いつも適当に打っているわけではありませんが、肝心なときは相手も絶対に落とさない気持ちできているので。それよりも強い気持ちで、考えてスパイクを打つことが大事だと思います。

 

――ほかのU19日本代表メンバーは「この経験をチームに還元したい」と言っていました。秋本選手はその意識はいかがでしたか?

 自分は人の前で話すのがちょっと苦手で。あまり言えていませんが、同級生には言うこともありました。

 (共栄学園高では)去年はコートに3年生のスパイカーが2人入っていましたが、今年は2年生しかいなくて。去年よりも責任感があります。自分はU19日本代表も経験したので、言わないといけないし、やらないといけなくなってきています。

 でも、「(自分が言ったことが)間違っていたらどうしよう」という気持ちもあって。自分ができていないのに、人に言うのは嫌なんです。だから、あまり言えなくて。周りの人ができないなら、自分が頑張るしかない、と思っています。

 

――もっと自信を持ってもいいのでは? と感じますが…

 それができなくて。「言ってもできていないじゃん」と自分のなかで思ってしまうんです。

 

――3年生になる今年は積極的にいきたいですね

 もうちょっと話せるようになったらいいですよね…(笑)

 

 

昨年11月の東京都春高代表決定戦で3位決定戦に勝利。2年連続で本戦の切符をつかんだ(#2が秋本)

 

——高校生活最後の1年が近づいてきました。まずは春高の目標はいかがですか?

 成徳(下北沢成徳高〔東京〕)を倒して日本一です。2023年は勝っていないので、勝たないと。

 

――ともに勝ち上がれば準決勝で戦います。11月の都代表決定戦準決勝でも対戦しましたが(●0-2)、印象はいかがでしたか?

 相手のブロックの上からコートの奥に打つことや、ブロックを利用して点を取ることはできていました。モンちゃん(イェー モン ミャ)から思いきり打たれることはそんなになかったので、個人としてはあまり悪くなかったと思います。ライトからの攻撃と守備をもう少しできるようにしたい、というのがチームの課題です。

 

――24年はどんな1年にしたいですか?

 今の高校2年生の代はほかのチームも強くて、すごい人しかいないので。(中学3年生時の)全中もすごかったですよね(笑) でも、自分たちの代だからもっと頑張りたいです。

 

――今年度のように日本代表やアンダーエイジカテゴリーに選ばれたい、という思いはいかがですか?

 まずはU20日本代表でプレーしたいです。成徳戦ではブロックの上から打って点を取れたかもしれませんが、世界には自分より高い人しかいないと思うので。もっとジャンプ力を上げて、その人たちの上から決められるように頑張ります。そうなりたいですね。

 

 

自身と向き合い、さらにレベルアップを目指していく

 

秋本美空(共栄学園高)

あきもと・みく/2年/身長184㎝/最高到達301㎝/共栄学園中(東京)/アウトサイドヒッター

全日本中学生選抜認定選手(21年度)、U18日本代表(22年度)、日本代表、U19日本代表(23年度)

 

春高都代表決定戦でも

光ったサーブレシーブ

 

 これまではオポジットとして出場してきたが、本戦出場を逃したインターハイ都予選をきっかけに、アウトサイドヒッターにコンバート。春高都代表決定戦ではサーブレシーブで大崩れせず、3位決定戦でストレート勝ちに導いた。中村文哉監督は「サーブレシーブはすごくうまくなったと思います。全然心配していなかったですね」と太鼓判を押した。

 「Vリーグを見ていてもあのサイズでサーブレシーブができるサイドはなかなかいない。古賀紗理那選手(NEC)の次に入っていく選手にならないといけません」と指揮官の期待は大きい。本戦でも徹底的なマークが予想されるが、それも成長の糧にしてみせる。

 

文/田中風太(編集部)

写真/依田裕章、田中風太

 

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