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上林直澄「やっぱりバレーが好き」 山形県選抜での国体がきっかけで男子日本代表若手有望選手合宿へ

 男子日本代表若手有望選手合宿が昨年1211日から15日まで、味の素ナショナルトレーニングセンター(東京都北区)で行われていた。その中に一人、聞き慣れない所属の選手がいた。大学を卒業して社会人3年目の上林直澄だ。

「ジェネレーションギャップ、あります(笑)」

 もっとも年齢が近い選手でも、自身が大学4年生のときの1年生。高校生も参加した合宿で、「若さに圧倒されながら、なんとかやれています」と苦笑した。

 

 

上林直澄(かんばやし・なおずみ)/1998年10月14日生まれ/身長183㎝/東亜学園高(東京)→明治大→WellOne株式会社/セッター【写真:月刊バレーボール】

 

 

 ことの始まりは昨年の燃ゆる感動かごしま国体に、山形県選抜(成年男子)の一員として出場し、5位・7位決定戦で茨城県代表の筑波大と対戦したことだった。

 

「大学時代お世話になったので、秋山(央/筑波大監督)先生にあいさつに行ったら、『こんなところで何してんだよ。V(リーグ)にいく気はないのか』というような声をかけていただいて。いきたい気持ちはあったけれど、大学卒業と同時にいくのとは訳が違うし、年齢も25歳で、半ばあきらめていました。でも、いけるならいきたいと思って伝えたら、いろいろと動いてくださったみたいで、『この日程は空いているか』と合宿に呼ばれました」

 

 2022年も同時期に合宿が行われていたこともあり、参加する合宿は想像がついていた。とはいえ、トライアウトなどVリーグへの話が進んでいるのかと思っていただけに、驚きは大きかった。

 

 

6対6の練習に参加し、年の離れた選手と合わせる

  

 

 明治大卒業と同時に、Vリーグに進むことは考えていなかった。

「春高で決勝までいって、正直その熱を超えるものが大学ではなくて、学生という区切りでバレーから離れました。“大学4年で辞める”ってかっこつけていた部分もあったんです(笑) でも今、本気でバレーボールについて考える期間を過ごして、やっぱり自分はまだバレーが好きで、バレーをやりたいんだ、ってわかりました」

 

 地元の山形に帰って、社会人1年目は遊びでバレーをする程度。2年目で国体に出場したクラブチームに呼ばれて、競技を再開した。3年目で出場した国体では山形県選抜のキャプテンを務め、1992年に開催された山形でのべにばな国体以来、31年ぶりの入賞を果たした。

「山形のために、と率先してキャプテンになって、全力でやって、その結果秋山先生に声をかけていただいたので、国体ちゃんとやってよかったな、と思います」

 

 

東亜学園高3年生時に春高準優勝(前列左から3番目)

  

 

 現在は仕事をしながらクラブチームに参加しており、合宿にも有給休暇を使用して参加。今後、どうなるかはわからないが、「(フィリップ・)ブラン監督に教えていただける機会はそうそうないことなので、世界目線の考え方を吸収して、(国体の)チームに持って返って還元したい。それでもし、Vリーグでできる機会があるなら、チャレンジしたいですね」。

 

 チャンスはどこに転がっているかわからない。まずは目の前のことに全力で取り組んで、思い出した「バレーボールが好き」という気持ちを、今後も置かれた場所で表現する。

 

 

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