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成長続ける西山大翔(パナソニック)を見守る兄貴分 トーマス・ジェスキー「自分の若いときと似ていて、弟のよう」

昨年12月の天皇杯を制し、310日(日)にはV・レギュラーラウンドの優勝を決めたパナソニックパンサーズ。西田有志がベンチを外れているなか、オポジットとして結果を残しているのが西山大翔だ。高いポテンシャルを秘めた大器の成長を、間近で見守る選手がいる

 

 

シーズン終盤から活躍が続く#18西山

 

 

シーズン終盤に

チャンスをものにした西山

 

 チーム最年少21歳の西山が、シーズン終盤に飛躍のときを迎えている。

 

 昨季Vリーグデビューを果たすと、V・ファイナルステージ ファイナル4も経験。日本代表には初選出された。だが、2年目の覚醒が期待された今季は、同じポジションに西田が加入し、2枚替えの起用が続いた。悔しさを押し殺しながら、西山はこれまでの戦いを振り返る。

 「西田選手という大きな存在がスタートで入っていたので。出たいという気持ちはありましたが、実力不足も感じていました」

 

 それでも、シーズン終盤にチャンスが巡ってきた。218日(日)のウルフドッグス名古屋戦では第3セットからスタメン出場すると、チーム2位の19得点をマーク。23日(金・祝)の日本製鉄堺ブレイザーズ戦はコンディション不良でベンチを外れた西田に変わって今季初のスタメン出場を果たし、ダイナミックなスパイクとサーブで力を発揮した。連戦を終え、「第2、第3セットに沈んでいる部分が多々見られたので。そこが改善点だと思います」と反省しながら、「武器であるスパイクとサーブがVリーグの上位チームに通用していることは、プラスにつながったと思います」と自信を深めた。

 

 

最高到達点350㎝から放つダイナミックなスパイクとサーブが持ち味

 

多くの選手を見てきたからこその

ジェスキーの期待

 

 そんな期待の若手の成長を、楽しみに見守る選手がいる。新加入のトーマス・ジェスキーだ。リーグ3位のアタック決定率57.1%310日現在)をマークし、V・レギュラーラウンド1位通過に貢献した助っ人。仲間へのリスペクトが強いが、なかでも西山には特別な思いを抱く。

「自分の若いときと少し似ていて、ほんとうに弟のような存在です」

 

 ジェスキー自身も、駆け出しのころは細い体でよく跳んでいた。選手としてのステージをさらに上げるために取り組んだのが、「若いときはそれに集中していました。よりうまい選手になるためには力が強くならないといけない」というウエイトトレーニングだった。

 

 西山にも「力がつけば非常にいいプレーができると思いますし、それに気づいたらほんとうに素晴らしい選手になれる」と期待するからこそ、その取り組みに目を光らせる。ウエイトトレーニングルームでは常にそばにいて、挙げる重量もチェック。トレーニング後のプロテインの摂取も助言してきた。「彼は頑張っていると思うけれど、より重りをつけて頑張るように。プッシュできるように面倒を見ています」と笑顔を見せる。

 

 

#18西山への期待が高い#6ジェスキー

 

 アメリカ代表や、5ヵ国を渡り歩いたクラブシーズン。世界トップレベルでプレーを続けるなかで、能力があっても力を発揮できなかったり、挫折してしまった者。さまざまな選手と関わってきた。

 「いろんなバレー人生を見たからこそ、西山選手のバレー人生がどのぐらい大きくなるかが見えます。いい方向にいくように一緒に連れていくのがいちばんの目的。なるべくプラスにいくように案内しているという感じです。

 西山選手は大学を途中で辞めて、プロの世界まではほかの人とは違う道でしたが、それは全然いいことだと思います。いっぱい努力すれば誰も止められないくらいポテンシャルがある。一緒にプレーできることは非常にうれしくて、いいことしかないです」

 

 そうたたえる一方で、「あとは単純に彼がどのくらい努力するかという問題。まだまだ経験不足なところがあって、試合に出ないといけないと思います」とシビアに語る。

 

 西田のベンチアウトが続くなか、西山は223日の日鉄堺BZ戦から6試合連続でチーム最多得点を記録。24日の試合後、決意を口にした。

 「今はチームのみんなに支えてもらっている状態なので、自分で変えられる部分は変えていきたいです」

 

 316日(土)、17日(日)のJTサンダーズ広島戦を終えると、いよいよV・ファイナルステージへ。その一瞬一瞬の奮起が、ジェスキーの想像を上回る姿に成長させる。

 

 

CAP笑顔でシーズンを締めくくれるか

 

西山大翔

にしやま・ひろと/200334日生まれ/身長193㎝/最高到達点350㎝/東海大付相模高(神奈川)出身/アウトサイドヒッター

 

文/田中風太(編集部)

写真/山岡邦彦(NBP

 

 

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