令和6(2024)年度春季大会兼関東大会予選(東京女子)最終日が5月12日(日)に十文字高、文京高(ともに東京)で行われた。共栄学園高を下した下北沢成徳高が3連覇を飾った
下北沢成徳高は2023年度女子日本代表の秋本美空を擁する共栄学園高に、1月の都私立高等学校選手権大会、そして2月の都新人大会で連敗。3月の全国私立高等学校男女選手権大会(さくらVOLLEY)で、新チーム結成後初めて勝利した。いずれも対戦したのは決勝。そして、今大会も宿敵との優勝を懸けた戦いが実現した。
第1セットは序盤からミドルブロッカー柳千嘉の3本のブロックなどで5-1とリード。その後は一進一退の攻防を繰り広げながらも20-17と先に20点台に乗せたが、共栄学園高の中山楓にスパイクを決められるなど4連続失点を許した。その後も秋本のスパイクや森愛唯のブロックで勢いづく相手を止められず、23-25でセットを落とした。
第2セットも秋本に立て続けにスパイクを許すなど、4連続失点と苦しいスタートに。中盤まで追う展開が続いたが、11-13から柳の高さを生かしたスパイクや、サウスポーでオポジットの久米未唯奈のサービスエースなど5連続得点で逆転。その後はリードを許さず、試合を振り出しに戻した。
勝負の第3セットは要所でブロックを決めながらも、秋本に3連続得点で食らいつかれ、中盤まで一進一退の展開。だが、15-15からアウトサイドヒッター荻野明花、久米のスパイクで抜け出し、18-17からリリーフサーバー金政華音の2本のサービスエースを含む6連続得点で勝負を決めた。
1年生の2月に左足のアキレス腱を断裂し、これまではリリーフサーバーでの出場が多かった久米は「まだまだなところもありますが、少しずつ成長したなと感じました」と手応え。昨年度全国二冠に大きく貢献した同級生たちに「ついていくのではなくて、自分が鼓舞して、自分の力で勝ちにいくという気持ちです」と強い覚悟を示した。
駿台学園高女子
全国三冠経験を持つ新監督の下
インターハイ予選突破へ
3位決定戦では、新人大会で4位だった八王子実践高がストレート勝ち。その強敵に敗れたが、駿台学園高が準々決勝で文京学院大女高を破って“東京四強”の牙城を崩した。
同戦では昨年U19日本代表に選ばれたエース山内志織を軸に、第1セットを先取。1-1の第3セットでは23-24と先にマッチポイントを握られながら、3連続得点で逆転勝ちを飾った。
駿台学園高時代は2016年度に全国三冠を果たした経験を持ち、昨年度はコーチを務めた吉田裕亮が、今年度から監督に就任。「ここで四強に入ったからには、四強としてのプライドを生徒たちにわかってもらって、次も文京(学院大女高)さんに負けないこと。これでインターハイ予選で負けてしまったら意味がないので」と6月の全国大会の切符を懸けた戦いを見据えた。
※吉田監督の吉の字はつちよし
試合結果(十文字高)
準々決勝
共栄学園高 2-0 小石川淑徳高
(25-20, 25-11)
八王子実践高 2-0 藤村女高
(25-8, 25-15)
駿台学園高 2-1 文京学院大女高
(25-22, 12-25, 26-24)
下北沢成徳高 2-0 修徳高
(25-14, 25-7)
5位決定戦
小石川淑徳高 2-0 藤村女高
(25-17, 25-19)
文京学院大女高 2-0 修徳高
(25-14, 25-22)
準決勝
共栄学園高 2-0 八王子実践高
(25-15, 25-18)
下北沢成徳高 2-0 駿台学園高
(25-13, 25-11)
3位決定戦
八王子実践高 2-0 駿台学園高
(25-22, 25-21)
決勝
下北沢成徳高 2-1 共栄学園高
(23-25, 25-19, 25-18)
※文京高での結果もふまえ、東京都からは以下のチームが6月1日(土)~2日(日)に小田原アリーナ(神奈川)ほかで行われる関東大会への出場を決めた
下北沢成徳高、共栄学園高、八王子実践高、駿台学園高、小石川淑徳高、文京学院大女高、藤村女高、修徳高、駒場高、府中高、東京立正高、日本女体大附二階堂高
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