バレーボールの中学生世代は中学校、クラブチームともにシーズンが本格化し、いよいよ各都道府県では全国大会に向けた予選がスタートする。各地の中学生たちがメキメキと成長を遂げる中、今年度注目選手の一人が富山の小葉松健だ。
今年2月の全国中学生長身選手発掘育成合宿に参加
188㎝の高身長に最高到達点は330㎝越え。すらりと長い手足とダイナミックな動きは否応なく注目を集める。今年5月、岡山で開催された第5回PROGRESS CUPに小葉松健の姿があった。全国大会出場の実績を持つ富山のクラブチーム「S FRONTIER」に所属し、今季はエースアタッカーとしてコートに立つ。
バレーボールを始めたのは小学4年生から。その頃からすでに身長は160cmほどで、それまではとくだんスポーツをしていなかったが、バレーボール経験者の父親の影響で始めることに。それから約6年、今では父親と身長が並ぶほどになった。
「練習でできたことが試合でも発揮できると楽しいですし、相手の強いスパイクを拾い上げたり、3枚ブロックを打ち抜けたらうれしいです」とバレーボールをするうえでの喜びを語る小葉松は今年2月、全国中学生長身選手発掘育成合宿に参加。そのポテンシャルへの評価は高い。そして本人にとっても、合宿は有意義な時間となった様子だ。
「各地から大きな選手が集まっていて、その中で自分がどういうプレーをしていく必要があるかを学べました。特にブロックの手の出し方を教えていただき、それは今も意識していることです」
「最後は自分に託される」とエースの心を宿してプレーする
学びを持ち帰り、コートで発揮する。S FRONTIERではミドルブロッカーの山下憧(身長180cm)と一緒に前衛では相手に決定機を与えない。と同時に、味方が切り返しては豪快にボールを打ち抜く。PROGRESS CUPではこんな場面もあった。
後衛からバックアタックを仕掛けるが、クロス方向に放ったアタックは2本連続でアウトに。すると、次はその逆方向のクロスへしっかりと振り抜き、得点を決めた。
「修正できました。どの位置にいても最後は自分に託されると思うので。力を乗せてボールを打ちました」
大会途中に腹筋を痛めたこともあって、「いつもどおりのプレーは出せなかった」と本人は悔しがるも、その力強い姿はインパクト十分だった。
「常にいろんなプレーを見たり、もっともっと成長できる1年にしたいです」と誓う小葉松。ここからさらにステップアップを遂げていく。
(文・写真/坂口功将)
※「月刊バレーボール」7月号に掲載しました小葉松選手のプロフィール内の読み仮名に誤りがございました。正しくは「こばまつ・たける」になります。ここに訂正しますとともに深くお詫び申し上げます。
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