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鎮西高 畑野久雄監督50周年祝賀会を開催 豪華OBが集結し、宮浦健人らのメッセージも

「鎮西高等学校 男子バレーボール部 畑野 久雄先生 監督就任50周年 祝賀会」が76日(土)、熊本市内で行われた。軽快な司会で盛り上げた朝日健太郎さんと諸隈直樹さんや、若手では今年5月の第72回黒鷲旗全日本男女選抜大会で引退した福山汰一さんなど、日本代表、Vリーグで活躍したOBたちが名将の節目を祝った

 

 

OB会長を務める朝日健太郎さん(左)からの質問に、笑顔で応える畑野監督

 

 

8度の日本一

教え子たちに感謝

 

 全国8度の日本一を誇る名門の歴史は、畑野監督の指導者人生とともにある。

 

 畑野監督は1945428日生まれ。熊本商高(熊本)から広島県の帝人三原男子に進み、その後日本体大へ。卒業後は神戸製鋼でプレーし、アタッカーとして全日本実業団選手権連覇に貢献した。キャプテン、選手兼コーチも務めて28歳で現役を引退。そして、74年、鎮西高の監督に就任した。49年に創部したチームだったが、当時から高い意識を持つ選手がそろっていたわけではない。

 

 「初戦で試合に負けて、次の日に生徒を全部集めて。『全国で勝てるチームをつくる』と言うと、ポカンとしているんですよ。このおっさん、何を言っているんだろうか、と」(畑野監督)

 

 選手集めに苦悩した時期や、九州勢で切磋琢磨し、全国の頂点に挑んだ日々。そして大手術も乗り越えてたどり着いた節目。「当たり前のことを当たり前に」をチームのモットーに、ミスを許さず、エースが打ちきるバレーで数々の名選手を輩出した。全国大会の優勝はインターハイ、国体、春高で計8度。「皆さんが鎮西高校を選んでくれた、これがいちばんの勝因じゃないか。そして50年間監督ができたことは皆さんのおかげだと感じております」と感謝した。

 

 今回、出席できなかった現役選手からはビデオメッセージが届いた。鎮西中学、高校出身で、パリオリンピックメンバーの宮浦健人は「畑野先生のような指導者のもとで6年間バレーボールができたことをすごく誇りに思います。体に気をつけて、引き続き頑張ってください。僕も鎮西高校バレー部の活躍に負けないように頑張りたいと思います」と力強く語った。

 

 

お祝いのメッセージを送った宮浦

 

 そして記念品として畑野監督の名前と日本一の回数が刻まれた特製ユニフォームが登場。「俺には大きいん違うかな」と笑うと、会場は和やかな空気に包まれた。

 

 鎮西高は今後、731日(水)から大分県中津市を中心に行われるインターハイへ。全日本中学生選抜でプレーした注目の1年生エース一ノ瀬漣ら、伸びしろ抜群の下級生主体チームで臨む。指揮官は8度の日本一以上に10度の準優勝を「負け越している」と悔しげだったが、今後その回数をひっくり返す可能性も秘めた選手たちがそろう。

 

 79歳にして第一線に立ち続ける名将は、短い言葉で会を締めた。

 「本日は私のお祝いをしていただきましてありがとうございました。私が思うことは、皆さんが今後さらなる活躍をしてくれることです。期待していますので、しっかり頑張ってください。以上です」

 

 黄色いユニフォームを着ていたあのころのように。およそ70人のOBたちは、背筋を伸ばして会場を後にした。

 

文・写真/田中風太(編集部)

 

 

さまざまな年代のOBが恩師との交流の時間を楽しんだ

 

OBが語る畑野選手の教えなど、この会の模様は月刊バレーボール9月号(819日発売予定)にも掲載予定。

 

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