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パリで戦うビーチバレーボール女子日本代表の妻へ長谷川徳海がエール「とにかく楽しみきってほしい」

 パリオリンピックのビーチバレーボール競技に臨む女子日本代表の長谷川暁子(NTTコムウェア)/石井美樹(湘南RIGASSOビーチバレーボールクラブ)組。そのペアの一人、長谷川の活躍を最も近くから願うのが夫で自身もプレーヤーである長谷川徳海さん(ハウスコム)だ。

 

 

長谷川徳海(はせがわ・よしうみ/1984年8月23日生まれ/中越高〔新潟〕→中央学院大/ハウスコム株式会社所属)

 

 

ビーチバレーボール界きっての“ペア”。長谷川徳海・長谷川暁子は2013年に結婚

 

 女子日本代表としては2008年北京大会以来となる自力でのオリンピック出場権を決め、パリ大会に派遣された長谷川/石井組。出場権獲得プロセスの最後の関門、「2024コンチネンタルカップ パリオリンピックアジア大陸予選 第3フェーズ」(以下、コンチネンタルカップ)を制して、アジア代表枠をつかみとった。

 

 その決勝は、中国との対戦に。勝ったほうがオリンピックの切符をつかめるゴーデンマッチは最終第3セット、ジュースの末に最後は長谷川のブロックシャットで締めくくられた。石井はその場で崩れ落ち、長谷川が笑顔で寄り添う。その様子をネット配信の画面越しに眺めながら、喜ぶ一人のビーチバレーボールプレーヤーがいた。

「最後は僕が教えたブロックだな、と思いました(笑)」

 ジョークをまじえて、その瞬間の胸の内を明かしてくれたのは長谷川徳海さん。ビーチバレーボールの競技歴は20年近くに及ぶベテラン選手で、“ブロックモンスター”の愛称で親しまれる。そう言いたくなるのも、当然かもしれない。

 

 2人は2013年に結婚、それまでインドアで活躍してきた旧姓・内田暁子はそのあとビーチバレーボールに転向したという背景がある。夫・徳海さんが喜んだのはオリンピック出場の夢をかなえたことはもちろん、今に至るまで競技を続けてきたことだった。

「インドアからビーチバレーボールに転向すると、3、4年ほどのオリンピックのスパンで競技をやめてしまうケースが多いんです。でも、彼女や石井選手は10年近く続けている。ビーチバレーボールが好きなんだろうな、と感じました」

 

 

徳海さん(コート奥)はブロックが代名詞

 

「家の中は花束でいっぱい」とほほえむ夫が妻へ送るエール

 

 コンチネンタルカップの決勝当日は勤務先の都合や自身の練習もあり、視聴できたのは最後のゴールデンマッチだけだった。その試合直前、妻から電話が入ったと徳海さんは明かす。

「珍しいんですよ。お互いにワールドツアーなどに遠征したら、ほぼ連絡を取り合わないので。ですが電話がきて、相手チームのことを話し合って、僕からも試合を見て感じた印象を伝えました。声を聞いたらいい感じだったので、『これはいけるな』と思いながら試合を見ていました。ほんとうにいい顔をしてプレーしていましたよね」

 

 結婚して10年近く。夫婦そろってビーチバレーボール界の第一線に立ち、「チャンスがあるからには頑張る」と口にする妻のオリンピックへの思いをずっと聞いてきた。それがかない、大会本番を迎えるまでの間、徳海さんはこれまでとは違う感覚を味わった。

「(7月上旬は)壮行会や報告会で、本人はほとんど家にいなくて。それに、家の中は芸能人のご自宅のようにたくさんの花束でいっぱいなんですよ(笑) それもいいな、と思います。滅多に経験できることじゃないでしょう?」

 

 パリオリンピックの期間は「猫の世話があるため」、徳海さんは日本からパートナーの戦いを見守るという。

「僕自身はオリンピックに出たことはありませんが、お祭りだと思うので。とにかく楽しみきってほしいですね。特別な舞台や責任感にそれほど固執せず、ノリノリでプレーしてくれたらなと」

 花の都で行われるスポーツの祭典でも、いい顔を。そう願っている。

 

 

女子日本代表としてパリオリンピックを戦う(左から)長谷川/石井組

 

(取材・写真/坂口功将)

 



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