5連続サービスエースの衝撃よ、再び。日本男子 宮浦健人がフランスの地で剛腕をうならせる
- 男子日本代表
- 2024.07.31
パリオリンピックのバレーボール競技を戦う男子日本代表は7月27日、プール戦の初戦でドイツと対戦した。フルセットの末に敗れたものの、セットカウント2-1で迎えた第4セット、27-27からサービスエースを奪ったのは背番号4、宮浦健人(ジェイテクトSTINGS)だった。
宮浦健人(みやうら・けんと/身長190㎝/最高到達点347㎝/鎮西高〔熊本〕→早稲田大→ジェイテクトSTINGS→ニサ〔ポーランド〕→パリ〔フランス〕→ジェイテクト)
パリオリンピック前の取材で口にした「頑張る」宣言
ジュースにもつれ、一進一退の攻防が続くドイツ戦の第4セット。27-27の場面で宮浦の放ったサーブは相手コートのコーナーぎりぎりに着弾した。ふだんは物静かなたたずまいを見せる男が、雄たけびをあげる。勝利をぐっと引き寄せる一発。
その姿に、およそ2週間前の本人との問答がよみがえった。
7月10日に催されたパリオリンピック前の最後の取材の場。選手一人を記者がぐるりと囲む形式がとられ、宮浦も一つ一つていねいに答えていく。どの記者にとっても貴重な取材の機会であるため、なかなか質問をするタイミングが難しいものだが、めぐってきたチャンスに、いくつか聞きたかったことをぶつけ、最後に投げかけてみた。
パリオリンピック本番もサービスエースを期待していいですか?
その問いに宮浦は少し照れくさそうに、それでもはっきりと口にした。
「全然!! 頑張ります」
強烈なサーブで得点を奪う宮浦
年々増す、サーブを打つ際の勝負強さ
形容するならば、剛腕。筋骨隆々とした肉体の、特に利き腕の左腕から繰り出されるサーブは豪快そのものだ。
宮浦の強烈サーブは学生時代そして社会人になってからも猛威を振るってきた。そして2022/23シーズンに自身初の海外挑戦を決断し、ポーランド・プラスリーガのニサではオポジットの2番手で主な起用法がリリーフサーバーだったこともあり、サーブ一本一本にいっそう勝負強さが宿ったように感じる。
例えば今年のネーションズリーグ予選ラウンドのアメリカ戦。セットカウント2-0で迎えた第3セット、21-19の場面から宮浦は3本連続サービスエースを決めて、勝負を決定づけている。
「攻める気持ちを常に持っているので。個人的にはあのように競り合った場面や終盤でのプレーには自信を持っています。(アメリカ戦の)あの場面は楽しみつつ、攻める気持ちで打っていました」
24-19となり、マッチポイントに到達。自身のサーブ順は続く。このまま自分が決めてしまいたい、という欲はあったのだろうか。
「ほんと、決めようと思っていました。フィーリングもよかったので、いいサーブは打てたと思います。ですが、相手がキープしたので、しかたないなぁと」
結果的にアメリカにサイドアウトを許したものの、宮浦のサーブに対する天井知らずの期待値が、さらに高まったシチュエーションだった。
ネーションズリーグのアメリカ戦では5本のサービスエースを含む18得点をマークした④宮浦
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