バレーボールの国内トップリーグ、SVリーグ男子の日本製鉄堺ブレイザーズが8月10日、11日に日本製鉄堺体育館(大阪)で「VOLLEYBALL MATSURI 2024(バレーボール祭り)」を開催した。
中国のクラブチームとのエキシビションマッチを2日間にかけて開催
10月から開幕する2024-25 SVリーグに向けて各チームがファンイベントやプレシーズンマッチを展開していくなか、日鉄堺BZが題したのは“お祭り”。会場では夏の時期に合わせた新しい応援グッズの発売のほか、応援パフォーマンスチーム「B-REX」による24-25シーズンメンバーのお披露目がなされた。
10日は計3つのエキシビションマッチが設けられ、まずは堺ジュニアブレイザーズとパンサーズU15の試合から。日鉄堺BZと同じくSVリーグ男子を戦う大阪ブルテオンのジュニアチームであるパンサーズU15は9月に全国大会「第27回全国ヤングクラブ優勝大会」が控えており、目指す日本一へ向けて弾みをつけた。
U15エキシビションマッチの様子(提供:ブレイザーズスポーツクラブ)
続いて行われたのは中央大と立命館大による第66回定期戦。今季ここまで関東大学春季リーグと東日本インカレの“大学二冠”を手にしている中央大はこの時期、SVリーグの各チームのもとで長期の合宿に臨んでおり、試合では強化中だという高速パイプ攻撃を繰り出す姿が見られた。
定期戦を戦い終えて、キャプテンの柿崎晃は「ふだん、このような場所での試合はめったにできないので、堺ブレイザーズさんに感謝の気持ちでいっぱいです。自分たちのスキルアップを感じているので、秋季リーグと全日本インカレでしっかりと結果を出したいです」とコメント。また立命館大の安達省斗も「関西ではできない経験ができたので、今後の糧にしたい。『関東の大学に勝ちきる』が目標なので、全日本インカレでは成長した姿を見せられるように頑張りたい」とシーズン後半戦へ意気込んだ。
中央大と立命館大の定期戦の様子
「課題を克服できるように」(安井)「エースのメンタルを吸収したい」(上村)
バレーボール祭りの初日を締めくくったのは日鉄堺BZと中国リーグの保定沃隶男子排球倶楽部との4セットオープンマッチ。日鉄堺BZはシャロン バーノン・エバンズ(カナダ)や今季新加入のルチアーノ・パロンスキー(アルゼンチン)ら外国籍選手が不在だったが、高さで上回る相手に対して、オフシーズンの練習の成果をぶつける。中でも入団2季目の安井恒介やルーキーの上村琉乃介が存在感を見せた。
安井は日鉄堺BZに入団後、それまでのミドルブロッカーからサイドアタッカーに転向。昨季は主にオポジットとして2枚替えで起用され、今季からは本格的にアウトサイドヒッターでプレーする。これまでのキャリアではポジション柄、試合でサーブレシーブに入ることはほとんどなかったが、今は当然、相手のサーブを受けることになる。この日の試合では高い打点からのサーブを何本も浴び、「スピンのサーブに対しては、いい感覚で返すことができましたが、フローターサーブに体勢が崩されたり、パスがずれてしまったので。(出来は)まだ60点くらいです」と安井は苦い顔。チームからも守備面、特にサーブレシーブの安定感は求められている部分であり、「リーグまでに課題を克服できるように頑張りたいです」と言葉に力を込めた。
一方の上村は最高到達点350㎝超えの高さとルーキーらしい勢いを買われ、オポジットとしてコートに立つ。内定選手でプレーした昨季は主にリリーフサーバーで起用されていたが、この日は高さを生かした豪快なアタックをライト側から何本も突き刺した。とはいえ、「クロス方向へのアタックは相手の高いブロックに当ててしまって。打ち出しの速さとライン側に出すことを意識していきたいです」と修正点を受け止めていた。
同じポジションには身長206㎝、最高到達点382㎝の圧倒的なフィジカルを誇るエバンズが君臨する。いずれは戦列に帰ってくる大砲とともに戦うことになるわけだが、「自分は違うタイプのオポジットにならなければ。いろいろとやらないといけないことがありますし、考えることが増えましたね」と上村。それでも「楽しみです。サイドのパロンスキー選手はオリンピックに出場していましたし、上手なので。エースのメンタルを吸収できたらいいなと思うんです」と意欲的な姿勢をうかがわせた。
外国籍選手が合流前であり“フルメンバー”とはいかなかったものの、24-25シーズンを戦う新チームをファンたちの前に披露した日鉄堺BZ。上村は「皆さんの応援してくださる気持ちに触れられて、いっそう頑張ろうと思えました。もっともっと期待に応えたいです」と、お祭りの高揚感を力に変えていた。
【日鉄堺BZ vs. 保定沃隶男子排球倶楽部/試合結果】
8月10日:3-1(25-20,25-19,21-25,26-24)
8月11日:3-1(25-20,25-19,15-25,25-15)
※4セットオープンマッチ
(取材・写真/坂口功将)
■「大阪からバレーボールを盛り上げる」大阪3チームがタッグ 大阪バレーボールエキスポ開催中
【ギャラリー】2024年度日本代表の渡邉晃瑠らがファンと交流。日鉄堺BZの「VOLLEYBALL MATSURI 2024」の模様〔15点〕