関東大学秋季リーグ戦の開幕が9月7日(土)に迫るなか、春季優勝の筑波大女子がカナダで優勝7回の実績を持つアルバータ大を日本に招待し、8月31日(土)に洞峰公園体育館(茨城)で国際親善試合を行った。有観客の中、持ち味の堅い守備と強気なサーブからリズムをつくり、セットカウント3-1で勝利。秋季リーグ戦へ自信となる戦いを見せた
アメリカのカレッジスポーツ形式で
お客さんを楽しませる空間を演出
筑波大は「TSUKUBA LIVE!」と称し、アメリカのカレッジスポーツを参考にした大学主催のホームゲームに取り組んでいる。昨年は男子バレーボール部がハワイ大(アメリカ)との試合を実施。今回は1983年から交流のあったアルバータ大を招待し、女子バレーボールの競技を開催した。
会場には大学公式グッズの販売ブースや、子どもたちがバレーボールを体験できるエリアを設けて、ファンや地域の方々が楽しめる空間を演出。試合当日の午前中にはつくばユナイテッドSun GAIA(以下、サンガイア)の選手たちが公開練習と緑白戦を行い、午後には体験エリアなどで子どもたちと交流を深めた。サンガイアのキャプテン架谷也斗は「交流できることはうれしいですし、こういった活動からサンガイアのことをより知ってもらえるように」と語った。
選手入場、アップ時にはDJが会場を盛り上げ、試合前にはDAS地域スポーツ応援部 BRILLIANTS☆がダンスパフォーマンスを見せて会場の熱気は最高潮に。筑波大の中西康己監督は「30年以上の交流があるなかで、このようにお客さんを呼んで試合するのは初めて。双方にとってほんとうによかった」と目を細める。
3年生セッター大澤が躍動
「ドキドキをワクワクに変えて」
大きな盛り上がりの中で試合が始まる。この日、筑波大はセッターに3年生の大澤七佳を起用するなど3、4年生中心のメンバーでスタート。いきなり2本連続でブロックされ、ミドルブロッカーの本田凜も「大丈夫かな」と不安を感じる立ち上がりだった。しかし「サーブで攻めて流れをつかむことができた」と瀧澤凜乃が振り返るように、自身のサーブから一気に流れは筑波大へ。中盤には高い打点の相手スパイクを拾い続けてポイントにつなげ、8連続得点。守備とサーブで、試合の主導権を取り戻した。
第1、2セットを連取、第3セットは落として迎えた第4セット。瀧澤、大澤のサーブで相手を崩し、有利な展開に。大澤は「単調にならないように意識した」とスパイカー陣を生かすトスワークを見せた。そのまま第4セットを奪取し、セットカウント3-1で勝利。試合後、アルバータ大のライラ・ジョンストンキャプテンは「ディフェンスが素晴らしくて、得点するのが難しかった」と振り返り、特に第1セットの筑波大の守備を高く評価していた。
「緊張していたが、ドキドキをワクワクに変えてプレーした。高い相手に対して速さを出そうと意識した」と大澤。中西監督も「もう少しトスをコントロールできたらよかったが、本人も意識はしていた。4セットプレーできたのはとてもよかった」と振り返った。
学生最後の秋を迎える4年生は、中村悠キャプテンと門田湖都の2人。3年生の本田は「引っ張ってもらう立場ではなく、一緒に引っ張っていけるように」と秋季リーグ戦、全日本インカレへの意気込みを述べた。残り2つのタイトル獲得に向けて、準備は万端だ。
文・写真/廣田充則(編集部)
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