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春高2025

身長168㎝の中山沙也(金蘭会高)が驚きのベストOH賞 「やっぱりレベルが高い」先輩とさらに高みへ【2024女子U17世界選手権大会】

  • アンダーエイジ
  • 2024.09.19

2024女子U17世界選手権大会が8月17日(土)〜24日(土)にリマ(ペルー)で行われ、U17女子日本代表は銀メダルを獲得した。ベストアウトサイドヒッター(OH)賞に輝いたのが身長168㎝の中山沙也(金蘭会高〔大阪〕1年)。自ら切り開いたバレーボール人生が、初の国際大会でも力を発揮させた

 

U17日本代表で着用したユニフォーム、そして銀メダルを手に笑顔の中山

 

 

高いブロック相手に磨いたストレート打ち

 

 日本選手団の最後列に並びながら、中山沙也はささやかな反省会をしていた。閉会式を待ちながら三枝大地監督と言葉をかわす。

 

 「中国のブロック、やっぱり高かったなぁ」

 

 直前に行われた決勝。ストレート負けを喫した高い壁を思い返しながら、指揮官の言葉にうなずいた。視界が急に明るくなったのはそのすぐ後だった。「え、何?」。スポットライトを浴び、会場中の視線が集まる。チームメートが声を上げた。

 

「沙也、ベストアウトサイドヒッター賞やで!」

 

 夢か現実かわからないまま壇上へ。「全然やり方がわからなくておどおどしていました」と笑いながら、中国、イタリアの選手たちと肩を並べた。「やっぱり自分って小さいな」。世界だけでなく、日本チームでも小柄な身長168㎝のスパイカーがタイトルを受賞。8日で7試合の過密スケジュールの最後にご褒美が待っていた。

 

 初の国際大会も驚きから始まった。期末テストを終えた7月中旬。およそ1週間後に行われる今大会の最終合宿に急きょ招集された。「もしそういう経験ができるならと思って、すぐに親に言いました」。と、話を受けた翌日にはパスポート取得の手続きへ。迷うことなくチャンスをつかみにいった。

 

 どちらかといえば高さのあるトスを打ちきる金蘭会高とは違い、U17日本代表は「結構トスが早かったり。そこはちょっと違うなと思いました」と戸惑う部分もあった。だが、宮嶌里歩(文京学院大女高〔東京〕1年)や頼冨果穂(武中〔鹿児島〕3年)ら、中学時代に対戦した選手たちに温かく迎えてもらい、チームに順応した。なかでも力を入れたのがストレート打ち。国内にはない高いブロックを攻略すべく、引き出しを増やした。

 

「金蘭(会高)でも教えてもらっていましたが、打ちやすくて決まるクロスに打ってしまっていて。だけど、U17日本代表では徹底的にそこを練習しました。(トスを)伸ばして、ストレートに打ってみたら決まるんだな、って。大会でもやってみようと思いました」

 

表彰式では、自身より頭一つ分大きい中国、イタリアの選手たちと肩を並べた©FIVB

 

 自分より頭一つ分以上高いブロッカーに打ち込む分、阻まれればダメージは大きい。「またブロックされた」「また拾われた」。嫌な残像ばかりが脳裏に焼きついたが、コンスタントに数字を残した。全試合にスタメン出場し、7試合中2試合でチーム最多得点。中国と戦った最終日には「ブロックがすごく高かったですが、ストレートに打ったら意外と弾けることがわかって。クロスは拾われたりブロックされるから、ストレートに多めに打ちました。ストレート打ちができるようになったのは大きいと思います」と自信が芽生えていた。 

 

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