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「たった2年やけど長く感じました」池条義則監督(金蘭会高)が振り返る2年ぶりのインターハイ頂点への道

  • 高校生
  • 2024.09.19

7月下旬に行われたインターハイで2年ぶりの頂点に輝いた金蘭会高(大阪)。池条義則監督のインタビューをお届け。予選グループ戦の東九州龍谷高(大分)戦をはじめ、強豪がひしめいた頂点への道のりを振り返る

 

池条義則監督(金蘭会高)

 

 

——2年ぶりに優勝したインターハイは、どんな大会になりましたか?

 

 正直、グループ戦(対東九州龍谷高〔大分〕)からきついところでしたが、負けたとしても次(敗者復活戦)を頑張れば、という思いもあったので。地元のチームが相手でしたが、そんなに気負わずにいきました。左の1年生の対策もうまくいって。いい状態で勝ちきれて、トーナメントに臨むことができました。

 

 でも、(決勝トーナメントの)くじを引いたらいわゆる強豪校がたくさんいるゾーンで(笑) しかも、ひょっとしたらまた東龍(東九州龍谷高)とも戦わないとあかんな、とも考えました。

 

 ただ、とにかく一つ一つ戦っていくしかないので。去年のインターハイ(※)はいきなり2回戦からの試合だったので、たくさん試合ができたらいいな、という気持ちでした。

 

※連覇を狙った前回のインターハイは、シードで決勝トーナメント2回戦から登場。大森咲愛と西川凜が第18回世界U19女子選手権大会に出場して不在、そしてコンディション不良の選手が多いなか西村美波を中心に奮闘したが、進徳女高(広島)にフルセットの末敗れた

 

 トーナメントの1試合目の相手は埼玉県の狭山ヶ丘高。試合後のあいさつで、「ごめんね。名前を知らないチームやったけど、すごいね」と言いました。さすが埼玉県を勝ち抜いただけあるわ、という。小さいけど、非常に粘りのあるチームで勉強になりました。

 

 僕は昔、小さいチームで戦っていたので、「粘って勝ってきはったんやな」「これだけ小さいチームも頑張っているんだ」という気持ちになって。相手にリスペクトしながら戦えました。

 

 そこからはだんだん名のあるチームばかりになっていきました。(3回戦の)成徳(下北沢成徳高〔東京〕)に勝ちきれて、準々決勝で対戦した岡崎学園高(愛知)は中部総合(第74回中部日本6人制総合男女選手権大会)の優勝チーム。ほぼ3年目のメンバーということもあり、よっぽどテクニックがあるんやろうな、と大警戒しながら臨んで、うまく戦うことができました。

 

 準決勝の東龍戦はセットを取られてフルセットになりましたが、あそこで負けたらグループ戦で勝った意味もなくなるので(笑) これまでは2セット目を取られると負けることが多かったですが、そこも克服することができました。

 

——決勝の就実高(岡山)戦はストレート勝ちでした

 

 向こうも(昨年度から)ほとんどメンバーが変わっていないなかで勝ちきれて。3セット目がいちばん伸び伸びと戦うことができて、考えてみたら最後がいちばん楽な展開でした。5セットマッチを3セットで終われるなんて、なかなかないですよ。

 

 たった2年ぶりやけど長く感じました。去年とは違って、たくさん試合ができてよかったです。

 

2回戦を終え、狭山ヶ丘高の選手たちに声をかける池条監督。話を聞く選手たちの表情も笑顔に

 

——今大会で光ったのがブロック。準決勝の東九州龍谷高戦で20本、就実高戦で9本を決めました

 エースがいたり強気に打ってくるチームに、ブロックで何とか食らいつかないと勝ち目がないので。より一層集中したと思います。

 

 (ブロックを)かわされたり、抜かれると、うちのチームはさほどレシーブがうまくないと思っているので。やっぱりブロックがあってナンボ。そういう数字を言われると、だからああいう試合になったんやなと、わかりますね。

 

——アンダーエイジカテゴリー日本代表の経験も生かし、選手たちは狙いを明確にしてサーブを打っていたそうですね

 林(寛二)コーチが気づいたらここに打てと指示をしますが、あまり言いすぎたらサーブが弱くなるし、(指示を)出していいときと悪いときがあるな、と。だから、任せることもあります。そうやって何も指示がなくても自分たちの考えでやれるのも、選抜チームで訓練されて帰ってくるから。でも逆にそれをやりすぎて、ミスが多かったら僕に怒られるわけやけど(笑) うまく考えがマッチしたんじゃないですかね。

 

——8月24日(土)、25日(日)に行われた国スポ近畿ブロック大会では、本戦出場権を獲得。滋賀県戦でセットを奪われながらも全勝しました

 しっかりと予選を戦わないと(本戦に)出られないことはわかっていて。ただ、1試合目(対奈良県)を悪くなく勝ちきったので、気を抜いたわけではありませんが、(滋賀県戦は)僕たちスタッフも含めてフワッとしたかな、というところもありました。選抜チームということもあって応援の数も多くて、すごい勢いでしたよ。向こうが乗ってきて、こっちが乗り切れずに1セット目を取られました。

 

 でも、2セット目からはまずまずで、持ち味を出したらこちらのペースになったというか。次の日(代表決定戦)も選抜チームの兵庫県との試合でしたが、気合いを入れてね。気持ちが入って戦えたと思います。

 

——滋賀県戦の第1セットは西村美波キャプテンを外して戦ったそうですね

 ひざの状態がいい状態までいっていないので、できたら使わずにいけたら、というところはありました。代わりに出た安間(こころ)は1試合目はよかったけどね。ただ、終わってみればセットを取られたこともよかったと思います。次の日も気合いを入れて頑張ってくれました。

 

——国スポに向けて、ここからどんな強化をしたいですか?

 台風の影響で9月の近畿総合(令和6年度第66回近畿6人制総合女子選手権大会)が中止になってしまって。Vリーグのチームとも試合ができるし、大学を倒す力もあると思っていたから、久しぶりに楽しみにしていたんです。最近の総合は出てもすぐに負けるからおもしろくなかったけど、今回は残念ながら。

 

 ただ、9月に入ってからは毎週のように大会があります。大阪の私学大会、あとは皇后杯の近畿ブロックラウンド。負けられない戦いをしながらまた成長してくれたらこれからにつながると思います。

 

 ただ、いつまでも(インターハイで)勝ったと思っていてもアカン。せっかくなので締めていったほうがいいと思っています。

 

インターハイを制し、3年生、スタッフで記念撮影

 

 

——それだけ力のある選手がいるということですね

 抜いたら並のチームになることは国スポのブロック大会でよくわかったので。我々も含めて、やっぱり締めていかないとあかんな、と。それにこの子たちは生徒やからね。もちろん勉強をしたり、体育祭や文化祭もある。この9月の過ごし方が大事になると思います。

 

取材/田中風太(月刊バレーボール編集部)

写真/山岡邦彦(NBP)、編集部

 

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