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金蘭会高 大森咲愛&西村美波対談(前編) 大会前の不振&ケガを乗り越えて夏の頂点へ

  • 高校生
  • 2024.09.20

7月下旬に行われたインターハイで2年ぶりの頂点に輝いた金蘭会高(大阪)。ベスト6に選ばれた大森咲愛、西村美波キャプテンの対談を2回にわけてお届け。前編では大会前、そして大会中にも襲われたアクシデントについて。苦しみながらも熾烈(しれつ)なトーナメントを勝ち上がった

 

 

インターハイのチャンピオンTシャツを着用し、笑顔を見せる西村(左)と大森

 

 

——7月は2024女子U20アジア選手権大会に出場し、インターハイでは優勝。今年はどんな夏になりましたか?

西村 高校3年間の夏でいちばん濃かったよな。

 

大森 うん。いちばんしんどかったこともあり、楽しかったこともあって。(西村)美波が言うように濃かったし、充実した夏でした。(7月中旬の)JT合宿では3年生を中心に結構怒られて。ボールを触る時間より、怒られていたときのほうが長かったというぐらい。

 

西村 インターハイ前は結構、夜に3年生でミーティングしたな。

 

大森 ダメやった日もみんなで話して。プレーというよりは、チームの雰囲気がうまくいかなくて。みんなで言うところは言って、お風呂でなごむ。3年生で「疲れたー」とか言ったりして(笑) 3年生がやらないとみんなもついてこないし、明日からまた頑張ろうって話していました。

 ほんまに優勝したい気持ちが強すぎて。美波、1回泣いたよな?

 

西村 この夏は結構泣いてた(笑)

 

大森 去年のこと(※)があったから、「今年はほんまに優勝したい!」って急に泣き出して。それでみんなでもらい泣きした。毎日誰かが泣いているんじゃない? というぐらい3年生は泣いていたよな(笑)

※連覇を狙った前回のインターハイは、シードで決勝トーナメント2回戦から登場。大森と西川凜が第18回世界U19女子選手権大会に出場して不在、そしてコンディション不良の選手が多いなか西村を中心に奮闘したが、進徳女高(広島)にフルセットの末敗れた

 

西村 いつもできていることができひん、って。

 

大森 自分はほんとうに近畿大会でのプレーがヤバくて。ユース(2024女子U20アジア選手権大会)から帰ってきたあと、バレーが合わないこともありました。なんでこんなにできないんだろう、と思うぐらいで。みんなに迷惑をかけてしまったので、合宿でしっかり取り戻そうと思いました。

 

——特にどのプレーが難しかったですか?

大森 海外の高いブロックと対戦していたこともあって、近畿大会ではブロックが低いときにミスが出てしまいました。ブロックを意識しすぎて奥に打つとアウトになったり、これまで(ブロックに)かかっていたところがかからなくなりました。

 

西村 合っていなかったよな。それまではもっと生き生きとやっていたけど、(近畿大会では)表情が死んでいたというか(笑) (大森)咲愛じゃなかった。

 

大森 プレーがダメだったら気持ちが落ち込んでしまって。美波に言われて、よく「やらないと」という気持ちになっていました。3年生が例年よりも多くコートに立たせてもらっているので、コートに入っている(馬場)柚希たち2年生を引っ張らないといけないと、多く指導を受けていました。

 

 

10連覇を飾った近畿大会では、苦しんでいたという#1大森

 

——大会前の不振も乗り越えてたどり着いたインターハイの頂点。お互いの活躍はいかがでしたか?

西村 めっちゃよかったです。

 

大森 ほんまに?

 

西村 バックアタックも、前衛でのスパイクもよかった!

 

大森 ちょっと恥ずかしい(笑) インターハイ期間中はヒザが痛そうで、いつもの美波ではなかったです。ほんとうはもっとすごいんですよ!

 でも、悔しかったと思うけど、キャプテンらしくチームを盛り上げてくれて。プレーもすごいけど、シュンとしたときに明るくしてくれる。それは自分にはできないことだから、ほんとに尊敬しています。

 

西村 恥ずかしい(笑)

 

大森 ふだん言うことがないしな(笑)

 

——西村選手のひざはどんな状態でしたか?

大森 予選グループ戦(対東九州龍谷高〔大分〕)の公式練習が始まるときに美波がいなくて。

 

西村 ほんまにヤバかったんです。「咲愛、来て」って呼んで。

 

大森 美波が「ヒザが抜けた!」と言っていて。「いやいや、何言ってんの? やるで!」って返して。めっちゃ痛そうで大丈夫かよって、思いました。こっちも焦るじゃないですか。大会の最後のほうだったらわかるけど、まだ始まってもいなかったから。しかも、いきなり東龍(東九州龍谷高)戦だったので、美波がいないとヤバイやろ、って。

 

——組み合わせが決まったときの心境はいかがでしたか?

西村 母から(予選グループ戦の)組み合わせが送られてきたときに「え?」って。「間違っている…?」と思っていました。

 

大森 向こう(中国)で見て発狂していた(笑) ダッシュで近づいてきて、「咲愛、やばい! 東龍!」って。去年の進徳女高戦があったから、焦っていたよな。でも、(ともにU20日本代表に選ばれていた西川)凜とか(花岡)千聡も「え、そうなん? イェーイ!」って。美波一人だけ焦ってた。

 

西村 トラウマがな(笑)

 

 

痛みを抱えながらもともにベスト6に選ばれる活躍を見せた2人

 

 

——大森選手も万全のコンディションではなかったそうですね

大森 3回戦の成徳(下北沢成徳高〔東京〕)戦から腹筋が痛くて、準決勝の東龍戦で「ブチっ」といってしまって。腹筋の肉離れでした。泣きそうなぐらい痛かったです。

 ふだんはけがをしないので、ケガは初めてぐらい。でも、やるしかないと(テーピングを)グルグルに巻いてプレーしました。勝ったときはうれしさが半分、最後までもってよかったという気持ちが半分。思い出すだけで痛いです(苦笑)

 

 

西村美波

にしむら・みなみ/身長178㎝/最高到達点296㎝/金蘭会中(大阪)/アウトサイドヒッター

小中高すべてのカテゴリーで日本一を経験。金蘭会中では3年生時のJOC杯でも優勝に導き、最優秀選手賞に当たるJOCJVAカップを受賞した。金蘭会高では1年生時からレギュラー。3年生時に自身初のアンダーエイジカテゴリー日本代表に選ばれた

 

大森咲愛

おおもり・さえ/身長173㎝/最高到達点298㎝/小野中(愛媛)/アウトサイドヒッター

小野中3年生時のJOC杯では準優勝し、優秀選手に選出。金蘭会高1年生時に出場した第14回アジアU18女子選手権大会でMVPとベストアウトサイドヒッターに輝いた。その後も毎年アンダーエイジカテゴリー日本代表として活躍

 

発売中の月刊バレーボール202410月号では、インターハイ優勝チームのストロングポイントに迫る。金蘭会高は、準決勝(対東九州龍谷高)で20本、決勝(対就実高〔岡山〕)で9本を決めたブロックについて深堀りした。

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取材/田中風太(月刊バレーボール編集部)

写真/山岡邦彦(NBP)、月刊バレーボール編集部

 

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