ウルフドッグス名古屋からエースの高梨健太とリベロの市川健太がペアを組んだ
ジャパンビーチバレーボールツアー2024第6戦グランドスラム名古屋大会が9月21日、22日に名城公園tonarino(愛知)で開催され、SVリーグ男子のウルフドッグス名古屋から高梨健太と市川健太のペアがワイルドカードで参戦。インドアとはまるで異なる競技性に四苦八苦するも、駆けつけたファンはふだんと違うプレー姿に湧き上がった。
ホームタウンの名古屋で実施された今大会に向けて、まずはチーム内で出場ペアを決める“予選”を行ったWD名古屋。選手の組み合わせはヴァレリオ・バルドヴィン監督が決めたそうで、同じ“健太”の名前そして同じ日本体大卒業生と共通点を持つ高梨/市川組が出場権を獲得した。
当日の観客席には2人の応援グッズを身につけたファンの姿が見られるなか、高梨/市川組は初戦でビーチバレーボール界では百戦錬磨の池田隼平(株式会社カブト)/髙橋巧(ANAあきんど株式会社)組と対戦することに。試合開始から6連続失点を喫するなど洗礼を浴びて、第1セットは6-25で奪われる。これには「1点を取るのに必死でした」と市川。それでも「第2セットは7点を取ろう、と言って臨みました。とはいえ、変に力が入ることなく、楽しめたかな」と徐々に動きにもキレが増し、第2セット中盤にはポール際の難しいボールを市川がうまくさばいて相手コートに返球し、思わず本人も「返った!!」と驚くファインプレーも。結果的として13-21で落として初戦敗退となったものの、見せ場はつくった。
「今季こそは優勝できるように」(市川)「開幕戦をベストな状態で」(高梨)
天候に恵まれ強烈な日差しが降り注ぐなかでの試合に、終わってからは疲労困憊の市川は「インドアとは違う競技だなぁ」としみじみ。インドアではリベロだが、こちらでは1本目のパスを返し、そのままアタックに入るシチュエーションも多かったことから「スパイカーは大変なんだと思いました。レシーブしたら必ず次は打たなければいけない、そのプレッシャーがありました」とビーチバレーボールならではの競技性を肌身で味わった様子だった。
一方の高梨は「ラリーが続くと自分たちは厳しかったです。けれどもスパイクは少しだけ決まったのでうれしかったです」とにやり。試合開始直後にオーバーハンドでの処理でダブルコンタクトがとられ、「想像以上に厳しい笛でした」と苦い表情を浮かべるも、「できなかったからこそ、楽しめる部分はありました」とビーチバレーボールの公式戦デビューを振り返った。
WD名古屋としては、かつてチームを率いたアンデッシュ・クリスティアンソン監督体制時代からビーチバレーボールへの取り組みには積極的で、同時に今回のジャパンツアー参戦は開幕まで1ヵ月をきった2024-25 大同生命SVリーグに向けたチームの魅力発信という機会でもあった。試合を終えて市川は「明日からはリーグ戦に向けて練習します。今季こそは優勝を、そして自分もチームの勝利に貢献できるように頑張りたい」と意気込み、高梨も「チームの完成度も少しずつ上がっているので、開幕戦をベストな状態で迎えられるようにしたい」と言葉に力を込めた。
なお、WD名古屋に所属し、ビーチバレーボールとの“二刀流”として活動する水町泰杜(トヨタ自動車)も、今大会にはスロベニア籍のネイツ・ゼムリャックとペアを組んで参加し、結果は一回戦敗退。これで今季のビーチバレーボールの活動が終了となる水町は「もっともっとやりたい」と名残惜しんだ。
2024-25 大同生命SVリーグの男子は10月11日(金)に開幕。WD名古屋は翌12日(土)に東京体育館(東京)で東京グレートベアーズとのシーズン初戦に臨む。
(取材・写真/坂口功将)
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