佐賀県で開催されている第78回国民スポーツ大会(SAGA2024国スポ)、少年女子のバレーボール競技の準々決勝、5・7位決定戦と準決勝が10月8日(火)に佐賀県のサロンパスアリーナ(少年女子)で行われた。
ベスト4に残ったなかで、唯一の選抜チームが愛媛県。2回戦でインターハイベスト4の東九州龍谷単独チームの大分県にストレート勝ちすると、準々決勝では古川学園高単独チームの宮城県にも勝利。準決勝では就実高単独チームの岡山県に1-3で敗れたが、目標のベスト4入りを果たした。今大会では大車輪の活躍を見せ、国際大会経験も豊富なミドルブロッカーコンビ、矢田和香と北川美桜の声をお届けする
——岡山県には敗れましたが、最終日に進みました
北川 準決勝は1セットを取れましたが、いけそうな雰囲気だったのに4セット目を落としてしまって。自分もそうですし、みんなすごく悔しくて、気持ちが落ちてしまっていると思います。でも、国スポは3位決定戦があります。ここでしっかり切り替えて、今日できなかったことを明日のセンターコートでできるように頑張りたいです。
矢田 今日できなかったことやできたこと、また(3位決定戦の相手である)東京にどうしたら勝てるかを全員で考えて、3位を取るという強い気持ちでやっていきたいです。
——準々決勝、準決勝とお二人の攻撃が止まりませんでした
矢田 (スパイクの)入り方などを考えたり、相手のブロックをちゃんと見て打ちわけることができたので、そこはよかったです。
北川 (前衛のスパイカーが)2枚のポジションで、オープントスも打つなかで、試合を重ねるごとに相手のマークがどんどんきつくなっていく実感がありました。それでも「決めきらんと勝てん」と思って、コースを考えて、思いきり打つことを意識していました。
——ふだんは敵ですが、味方になってお互いのプレーはどう感じていますか?
矢田 もう、すごくて! 全国のミドルブロッカーでいちばんうまいと思っています。
北川 マジで昨日の夜からずっとこれを言っているんですよ(笑)
矢田 ほんとうにそうなので。一緒のチームだったらうれしいけど、春高県予選で敵になったときは、いちばん嫌で、いちばん決められたくない人。そこは自分が止めます!
北川 (矢田)和香の下にたたき込むクイックはいちばん角度がすごい。春高県予選ではそこを抑えるように頑張ります!
こっち(愛媛選抜)でももちろんそうだけど、チーム(松山東雲高)だと自分が決めないと、という思いがより強いです。でも下がったときに和香がいてくれるから安心感があるというか。いいときにたたき込んでくれるので、(後衛時には)「和香、頑張れ!」と思って見ています(笑)
矢田 今日の試合もしんどい場面で(北川)美桜にトスが集まったときに、プッシュなどで逃げずに打って(ブロックを)弾いたり、下に打ち込んで決めたり、空いているところに打つのもすごい。自分はブロックであきらめがちですが、美桜は2枚できっちりついて、ブロックの意識も高いところがすごいと思います。
北川 ずっと言ってくれています(笑)
——ともに国際大会でのプレー経験がありますが、それは今大会に生きていますか?
矢田 自分からすればすごい人たちばかりなので、今回が(大舞台が)初めてだったら、相手を目の前にしたときに、「うわぁ」と思っていたかもしれません。でも、気持ちの面で少しは楽です。
また、ビーチはコートに2人だから、空いた場所にサーブを狙わないといけませんが、今日も(その経験を生かして)たくさんエースが取れてよかったです。
北川 和香が言ってくれたブロックの意識は、アンダー(エイジカテゴリー日本代表)の合宿にいくことで身についたと思います。強気だったり、あきらめない気持ちも、国際大会で厳しい試合を重ねたからだと思うので、感謝しています。
——明日への意気込みはいかがでしょうか?
矢田 中学生のJOC杯のころからやってきたメンバーで臨む最後の試合です。絶対に勝って、このチームでよかったと思って終われるように、全員で一丸となって頑張りたいです。(レギュラーではなかった)JOC杯はついていくという感じだったけど、今回は自分たち2人で決めきって勝ちに導きたいです!
北川 今日は決めないといけないところでミスをしてしまう場面がありました。そこを修正して、もっと頼ってもらえるようなプレーをしたいです。みんなで一つになって、どのチームよりもいちばん楽しんで、勝ちにいきます!
北川美桜
きたがわ・みお/身長177㎝/松山東雲中(愛媛)→松山東雲高3年/ミドルブロッカー
2年生時には第18回世界U19女子選手権大会に出場するなど、下級生時から世界を相手にプレー。今夏は2年ぶりにインターハイに出場した。父は愛知工大名電高(愛知)の北川祐介監督
矢田和香
やだ・わか/身長185㎝/角野中(愛媛)→今治精華高3年/ミドルブロッカー
2年生時から同級生の森川仁湖とともにビーチバレーボールにも取り組み、2年連続で国際大会に出場。9月の国スポでは優勝を飾った。インドアでは8月に北川とともに全国高校選抜に選ばれた
文・写真/田中風太(編集部)
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