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金蘭会高単独チームの大阪府が全国二冠なるか 少年女子最終日の見どころ【SAGA2024国スポ(少年女子)】

佐賀県で開催されている第78回国民スポーツ大会(SAGA2024国スポ)、少年女子のバレーボール競技の準々決勝、5・7位決定戦と準決勝が10月8日(火)に佐賀県のサロンパスアリーナ(少年女子)で行われた。9日(水)のカードは大阪府と岡山県の決勝、そして東京都と愛媛県の3位決定戦に。それぞれのチームの戦いをお届けする

 

 

#5馬場柚希と#7丹山花椿(大阪府)

 

 

大阪府(金蘭会高単独)

U18日本代表セッター丹山がオポジットに

全国二冠へあと1

 

 金蘭会高単独チームの大阪府は、インターハイに続く全国二冠に王手をかけた。

 東京都との準決勝、平野シアラに代わってオポジットで途中出場したのは丹山花椿。今年は女子U18アジア選手権大会でベストセッターに選ばれた司令塔だが、池条義則監督は「サーブレシーブがうまいことを発見して。次の年はセッターとして頑張らないとあかんけど、今はとにかくやれることをやってもらいたい」と8月の国スポ近畿ブロック大会後からはスパイカーとしてプレーする。スパイク、ブロックで得点を決め、ストレート勝ちに貢献した。指揮官は「昨日までは調子が悪かったけど、今日はよく踏ん張ってくれました」と賛辞を送った。

 

 決勝の相手は就実高単独チームの岡山県に。インターハイと同じカードに向け、「向こうもそんなに(メンバーが)変わらないなかで、いかに戦うか。こっちはエースが本調子ではないので、その解決とほかの選手たちも機動力を生かしていきたいです」と意気込んだ。

 

 

岡山県(就実高単独)

エース福村の奮起で接戦を制す

夏のリベンジなるか

 

 準決勝(対愛媛県)で苦しみながらも、就実高単独の岡山県がインターハイに続く決勝進出を決めた。

 

 2セットを連取して勝利に王手を懸けた準決勝、第3セットは矢田和香(今治精華高)、北川美桜(松山東雲高)の両ミドルブロッカーの攻撃を止められず。19-25で落とすと、第4セットも20-22と劣勢が続いた。しかし、そこから福村心優美がエースらしい活躍。二段トスを決めて同点とすると、対角を組む髙橋凪のサービスエース、福村のスパイクなど5連続得点で試合を決めた。西畑美希監督は「決めきるか、そのまま終わってしまうかという試される場面を経験できたのはよかった」と勝負どころを乗り越えたエースをたたえた。

 

 決勝は夏の再戦となるが、「これではリベンジできない」ときっぱり。アウトドヒッター陣のみならず、準決勝では精彩を欠いた押川優衣、比留間美晴らの奮起が不可欠だ。

 

岡山県

 

 

愛媛県(今治精華高、松山東雲高、済美高、宇和島東高)

四強で唯一の選抜チーム

北川&矢田が大暴れ

 

 愛媛県が選抜チームでは唯一の最終日に進んだ。インターハイ出場は逃したものの、四国大会、そして皇后杯四国ブロックラウンドで初優勝した今治精華高が軸。準決勝では岡山県に敗れたが、2回戦では東九州龍谷高単独チームの大分県をストレートで下すなど、伝統校相手にも堂々たる戦いを見せた。

 

 チームの二枚看板は矢田と北川のミドルブロッカーコンビ。矢田はチームメートの森川仁湖とともにビーチバレーボールのアンダーエイジカテゴリーで2年連続国際大会を経験し、9月の国スポでも優勝。北川も1年生時からアンダーエイジカテゴリー日本代表で国際大会経験豊富な選手だ。岡崎大志監督(今治精華高)は「すごいですよ。2人が合わさったらこれだけ力が出るんだな、と。全国でも証明できたと思います」と頼もしげに語る。

 

 ベンチ入り12人のうち半数以上が中学3年生時のJOC杯で準優勝したメンバー。本戦出場を逃した昨年の国体四国ブロック大会でも、今大会とほぼ変わらないチームで強化を続けてきた。目標のベスト4入りはかなえたが、ここで満足するつもりはない。

 

 

#8北川美桜(愛媛県)

 

 

東京都(八王子実践高)

メキメキと力をつける若きチーム

1年生両エースの活躍に期待

 

 大阪府にストレート負けを喫したが、八王子実践高単独の東京都がベスト4入り。シーズン序盤は下北沢成徳高、共栄学園高の後を追っていたが、インターハイ都予選ではその両校を下して優勝。本戦ではベスト8入りを果たしており、右肩上がりで成績を残す。

 

 サウスポーの市川悠乃キャプテンのスタメン以外は12年生の若きチーム。なかでも攻撃の中心を担うのは、吉井美樹(※)と小林愛雅の1年生エースコンビだ。中学3年生時に全国中学選抜を経験した吉井は引き出しの多いスパイク、そして小林は強打を武器に、大阪府のブロックが相手でも点数を重ねた。高いミドルブロッカーがそろう愛媛県にも持ち味を存分に発揮し、し烈な春高都予選への糧を得たい。

 ※「吉」はつちよし

 

 

#5吉井美樹と#10小林愛雅(東京都)

 

 

文・写真/田中風太(編集部)

 

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