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春高2025

パナソニックにまつわるもう一つの名称変更。9人制女子のジュニアチーム「門真BluebellsFjr」のFに込められた地域との共創

  • 9人制
  • 2024.10.10

 

応援する保護者たちのウェアも統一され、コートとの一体感を生む

 

パナソニックブルーベルズの現役選手たちと関わる機会も

 

 チーム発足に際して、門真フェローズも“リブランディング”を遂げた。新チーム名のとおり、青色と黄色を基調としたユニフォームに様変わりし(以前は白がベース)、また黄色がアクセントカラーとして映える。さらに観客席で応援する保護者たちのウェアやグッズも統一された。これには中山監督も「選手やスタッフに加えて、保護者たちが一体となって試合を楽しめる。チームを応援してもらえるムードがつくれていると感じます」と喜ぶ。

 

 何よりの特徴は、やはりジュニアチームという体制から、トップチームの選手たちと直接交流を図れることにある。実際に同じ体育館で練習する際には、ポジションごとに選手がつきっきりで指導する機会が実現するそう。

 

「毎回の練習が勉強になっています。一回一回、“こういうところができていないから、こうすればいいよ”と教えてくださるので、課題を攻略できています」と語るは門真BluebellsFjrの蒔田有衣菜キャプテン(梶中〔大阪〕3年)。学んでいるのはスキル面だけでなく、コート上でのムードづくりも。「特にブルーベルズのキャプテンは場の盛り上げ方がほんとうに上手なんです」と蒔田キャプテンはどこか誇らしげだ。

 

 確かに、門真BluebellsFjrの選手たちはどんなシチュエーションでも明るい。門真フェローズ時代から見られた特徴でもあったが、さらに磨きがかかったようにも映る。チームの主力でアウトサイドヒッターの髙尾日織(大正東中〔大阪〕3年)は「チームがミスしたときの声かけや一本一本の切り替え方が、ブルーベルズの方々と私たちではまるで違うと感じます。自分自身もミスを減らして、さらにチームの雰囲気を自分からよくしていけるような選手になりたい」と“姉貴分”の背中を、自らの目標に重ねた。

 

「盛り上げることとプレーで全員を引っ張っていける選手になりたい」と①蒔田

 

次の世代のバレーボール選手たちへバトンをつなぐ。その役割を兼ねながら

 

 ブルーベルズと門真BluebellsFjrとのつながりは練習だけに留まらず、中学生たちが9人制の大会やイベントに協力したり、逆にチームのOGがスタッフとして中学カテゴリーの大会に帯同する機会もある。「運営面でも身軽になりました。私もそろそろ後任を探そうかな」とおどける中山監督も、連携に伴う変化をこう語る。

 

「ブルーベルズには金蘭会高(大阪)や東九州龍谷高(大分)といった名だたる高校出身の選手がいますし、『私の高校時代はこうだった』と中学生たちに伝えてくれます。それに、以前は私も含めて男性2人がコーチとして指導していましたが、女性スタッフも加わったことで選手たちもさらに活動しやすくなったと感じています」

 

 門真フェローズの創設から17年。とはいえ中山監督自身は事業を営んでおり、それはバレーボールチームの運営とはまったく別。あくまでもボランティアで、10年以上も地元の中学生たちの指導に携わってきた。今回、体制が変わり、その先に見る景色とは――。

 

「私はボランティアですが、結局はバレーボールが好きだから今に至るんですよね。こうして子どもたちを育てて、成長して選手として活躍してもらい、ゆくゆくはチームに帰ってきてボールを出したりしながら、さらに次の世代を指導してくれる、そんな人材を育てたいなと思うんです」

 

門真BluebellsFjrとなりベンチには女性スタッフの姿も

 

「ありがたいことにチームに入団してくれる子どもたちの住むエリアは門真市だけでなく、どんどん広がっています。昔は地元の子たちが自転車で練習場所まで来ていたものですが、最近は車での送迎も増えました。

 

 それは門真市のバレーボール人気の低迷を表してもいるわけですが、ブルーベルズの佐々木厚監督が先陣をきってバレーボール教室やママさんバレーのイベントを催すことで、どんどん競技普及を図っているところです。そうした機会を増やしていきたいと考えていますし、その一環として私たちのチームの活動があればうれしいです」

 

 ブルーベルズの由来は、実在する青色の花「ブルーベル」に“勝利の蒼い鐘を届ける者たち”という意味が込められている。そこに加わったFの文字。門真フェローズの頭文字であるのはもちろん、きっとこれは地域の“未来=FUTURE”へ響く鐘の音なのだろう。門真BluebellsFjrの選手たちの笑顔を見ると、そう思わずにはいられない。

 

この中から、この先のステージで活躍し、やがて指導者としてチームに戻ってくる選手がいるかも

 

(文・写真/坂口功将)

 

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