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春高神奈川県予選 男子は川崎橘高と慶應義塾高 女子は横浜隼人高と大和南高が本戦出場を決める

77回全日本バレーボール高等学校選手権大会神奈川県予選会はトッケイセキュリティ平塚総合体育館で1116日に大会最終日が行われた。インターハイの出場枠は男子1校、女子2校だったが、春高では男女ともに2校出場することができる。男子は川崎橘高が2年連続の優勝で2年連続21回目の本戦出場。インターハイに出場していた慶應義塾高は準優勝で、2年ぶり5回目の出場を決めた。女子は準決勝で今年のインターハイベスト16の川崎橘高を倒した横浜隼人高が優勝し、3年連続4回目の出場。今年のインターハイにも出場した大和南高が準優勝で、3年ぶり16回目の出場を決めた

 

 

 

得点し、雄たけびを上げる川崎橘高の#7關原

 

 

川崎橘高(男子) 磨いてきた守備でライバル慶應義塾高にストレート勝ち

 

 今夏のインターハイには出場できず、悔しさを糧に春高の舞台を目指してきた川崎橘高。左ヒザのケガでインターハイ県予選を欠場していたエースの關原(せきはら)朝飛が復帰し、チームとしても万全の状態で春高予選を迎えた。準決勝の舞岡高戦では「レシーブにこだわって練習してきた」とリベロの福本晃弥キャプテンが語る堅い守備と、セッターの池田樹生が組み立てる多彩な攻撃で主導権を握る。第1セットを25-19で取ると、第2セットも關原や池田基生のスパイクが決まり25-18で勝利。大野勝弘監督が「安心して見ることができた」という戦いで、全国の切符をつかんだ。

 

決勝はインターハイ県予選の決勝リーグで敗れている慶應義塾高との対戦に。準決勝同様の堅守で、簡単に得点を許さずに25-20でセットを先取する。第2セットは關原が守備でも活躍。慶應義塾高の橋本侑磨らの強烈なスパイクを拾い、攻撃につなげる。最後は關原がレフトから決めきり、25-21でストレート勝ち。県予選連覇を決めた。試合後、涙を流した關原は「夏はチームに迷惑をかけてしまった。責任を感じていて、ここで悔しさを晴らしたかった」と振り返った。福本キャプテンは「夏に負けてから、ずっと苦しい思いをしてきた。勝ちきれてよかった」と笑顔を見せた。

 

優勝決定後うれし涙を流す關原 左は福本キャプテン

 

敗れたものの、インターハイに続き全国大会への切符をつかんだ慶應義塾高は、身長191㎝のセッター松田悠冬キャプテンが組み立てる攻撃が持ち味。決勝の第2セットは劣勢の場面でもミドルブロッカーを多用し、得点を重ねた。松田キャプテンは決勝後、悔しさをにじませながら「負けてよかったと思っている。この試合を起点にしないと、今後もっと強いチームにはなれないと思う」と、すでに全国の舞台を見据えていた。

 

横浜隼人高(女子)サーブで流れをつかみ準決勝では9連続得点

 

横浜隼人高の#4マクアリスター エースとして優勝に大きく貢献した

 

 昨年度春高ベスト8の横浜隼人高は、12年生主体で戦ってきた。準決勝の相手はインターハイ県予選の決勝リーグで敗れている川崎橘高。セットカウント1-1で迎えた最終セット、12-175点のビハインドから、川崎橘高の熊田暖南のスパイクがアウトとなりサーブ権が移ると、佐々木結愛がサービスエース。ここから戦況が変わる。セッターの瀧澤咲羽は「みんなが笑顔で、流れが来ていると感じた。誰に上げても決めてくれると思ったが、勝つために最後はエースに上げる」と、2年生のマクアリスター アイリーン心寧にトスを集める。そのマクアリスターの3得点を含む9連続得点で21-17と逆転。その後も流れを渡さず、25-20でセットを奪って勝利。3年連続の本戦出場を決めた。

 

大和南高との決勝では、意識して取り組んできたというコンビで得点を重ね、25-20で第1セットを取る。第2セットは長いラリーが続く展開に。劣勢の状況でも大和南高の橋本優七キャプテンらのスパイクを拾い続け、攻撃につなげた。20-19とリードに成功した場面では橋本キャプテンとの打ち合いをマクアリスターが制し、ブレイクに成功。流れのまま25-23とこのセットも獲得し、優勝を決めた。

 

今年の夏、エースのマクアリスターはU17日本代表に選出され、U17世界選手権の準優勝に貢献。日本代表で練習を重ねたというレシーブには手応えを感じているという。「決勝ではレシーブがよかった。でも、自分たちのブロックが機能していたからこそコースを絞ることができた。自分だけの力ではなく、みんながやるべきことをできていたおかげ」と仲間をたたえた。

 

準優勝の大和南高は、決勝の第1セットで横浜隼人高のブロックに苦しんでいたが、第2セットでは修正。相手ブロックを利用するスパイクで得点を重ね、最後まで食らいついた。春高出場は3年ぶりで、メンバー全員が初めて経験することとなる。髙橋博之監督は「『勝って謙虚に、負けて素直に』と言い続けてきた。目標の『全国で1勝』を励みに頑張ってほしい」と選手たちにエールを送った。キャプテンの橋本は「憧れが現実になった。出しきれずに終わるのは嫌なので、自分の持っているものを出しきって悔いのない試合をしたい」と力強く意気込んだ。

 

1116日(大会最終日)の試合結果

男子準決勝(代表決定戦)

慶應義塾高 225-2125-130 向上高

川崎橘高 225-1925-180 舞岡高

 

男子決勝

川崎橘高 225-2025-210 慶應義塾高

 

女子準決勝(代表決定戦)

横浜隼人高 225-2118-2525-201 川崎橘高

大和南高 225-1225-160 星槎国際高湘南

 

女子決勝

横浜隼人高 225-2025-230 大和南高

 

悔しさをにじませる慶應義塾高の#1松田キャプテン

 

大和南高の#1橋本キャプテンは攻撃の要

 

 

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