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春高2025

福村心優美(就実高)×西村美波(金蘭会高)「全国大会の決勝でエースの打ち合いを」【月刊バレーボール2024年4月号バックナンバー ドリームマッチ対談】

  • 高校生
  • 2024.12.28

第77回全日本バレーボール高等学校選手権大会(春高)が来年1月5日(日)に東京体育館(東京都渋谷区)で開幕する。ここでは2月の「2024全日本ジュニアオールスタードリームマッチ」の際に行い、月刊バレーボール20244月号に掲載した対談をお届けする(プロフィールなどの表記は当時のまま)

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逸材ぞろいの2年生の中で、注目の両エースによる対談が実現。今年の春高で日本一に輝き、最優秀選手賞に輝いた福村心優美(就実高〔岡山〕)と、1年生時からエースとして活躍する西村美波(金蘭会高〔大阪〕)が、お互いへの熱い思いを語った

 

 

チームWINGでプレーした西村(左)とSTARの福村

 

 

――今大会の対戦を振り返っていかがでしたか?

福村 (西村)美波はブロックの上からたたいてきて。決められたら「しかたがない」と言っていました。めっちゃ強く打ってくると思ったらフェイントもしてきて嫌でした。

 

西村 (福村)心優美はインナーのスパイクがエグすぎて。コースに入っていても、全然守れませんでした。ブロックの間が空いたら、ドーン!と打ってきて。「捕れへんし!」と思いました。

 心優美のスパイクは守りが準備する前にはもうたたきつけているイメージです。スイングと打球がすごく速くて拾えないです。守備もできるので見習いたいです。

 

福村 見習い合いですね。美波のすごいと思うところは、とにかく打点が高くてパワーがあること。正面に打たれても、打球が重くて弾かれます。バックアタックも打つし、強弱をつけるスパイクはまねしたいなと思うし。今回対戦して、学ぶことはいっぱいありました。

 美波のスパイクは正直、怖いですよ。クロスがくるとわかっていても、怖くて逃げてしまいます。ほんとに嫌だ。

 

西村  嘘つけ!

 

福村  ほんまや(笑)

 

西村 どこに打ってくるかわからないし、コースに打つのも上手やから。負けないように頑張ろうと思います。

 

福村 今大会はキャプテンどうしで戦えたのがめっちゃ楽しくて。コイントスもおもしろかった。

 

西村 「この関係、変やなぁ」って。

 

福村 もしかしたら最初で最後だったかも。いい経験になりました。

 

 

マッチアップし、互いにブロックポイントをマーク(手前が西村、奥の⑥が福村)

 

 

――お互いを初めて認識したのはいつですか?

2人 対戦した(中学3年生時の)全中です。

 

福村 美波は自分たちのブロックの上から打ってきました。ほかの選手と打球の音が違って、「金蘭(会中)の3番がすごい」と話題になりました。

 

西村 後衛と真ん中から打ってきたよな? ブロックは3枚飛んでいましたが、その脇を抜かれて。「すごいスパイカーがいるやん」と思って、そこから意識しました。

 

福村  最後(第2セット、24-25の場面)はドシャットで終わったけどな。フェイントをして決められるのは後味が悪いから、ブロックに向けて思いきり打ちました。着地する前にはボールが落ちていたけど(笑)  めっちゃ強かった。

 

西村 当時はまだ仲よくなかったよな。

 

福村 仲がよくなったのは高校1年生のユース合宿。話がめっちゃ合うんですよ。バレーの話もそうですし、くだらない話もできるので。それまではもっとクールなイメージがあったけど…。

 

西村 おい、クールや!(笑)

 

福村 自分、関西人にツッコまれるのが好きなんですよね(笑)  話していてすごくおもしろいです。

 

西村 (おもしろいのは)君もね。心優美はもっと怖いイメージでしたが、話したら真逆すぎて。明るいし、うるさいし、超しゃべるし。

 

福村 それは全部、美波も同じ(笑) 自分は「逆」で、美波は真逆(笑)

 

――高校でも切磋琢磨してきましたが、改めてどんな存在ですか?

福村 自分たちの学年は同級生にすごい選手が多いじゃないですか。その中で強いて名前を挙げるのであれば、美波かなと思います。

 

西村 自分もいちばん意識しています。仲がいいからこそ負けたくない、という感じですね。

 

福村 確かにそうかも。美波とは話すことが多いからこそ、決められたら「自分も決めんと」と思う。インナーに決められたら、自分も打ち返そうと思っています。

 

西村 (準決勝で対戦した)今年の春高では心優美が“無双”していました。3枚ブロックでも抜かれるし、弾かれるし。悔しかったです。

 

福村 3枚で「なんで?」と思ったけど、金蘭は守備もブロックもできるのは知っているから。打ち抜こうと思って、思いきりフルスイングしました。美波は負けず嫌いがプレーに出ていたと思います。

 

西村 単調な攻撃だけになってブロックにかかることが多かった。今はコンビを使えるように考えたり、積極的に守備の練習もしています。

 

 

キャプテンマークを背負ってプレーした西村

 

 

――来年度のチームの目標はいかがですか?

福村 もちろん優勝ですが、就実は守備のチームなので、そこは負けないように。新チームはまだ始まったばかりなので、またたくさん守備の練習をして、基本プレーの精度を上げていきたいです。

 

西村 今年度よりもチームワークを高めていいバレーができるように。そして優勝できるように頑張りたいです。

 

――次はどんな戦いをしたいですか?

福村 よく「エースの打ち合い」と言うじゃないですか。ちょっと引かれるかもしれないけど、それをずっと美波としてみたくて。美波が1年生のインターハイで優勝してから、「同級生だし、将来はそういうふうにできれば」と思っていました。

 

西村 引いていないよ、うれしい(笑) 今は自分が負けているので、もっと互角に戦えるように。打ち合えるレベルになれるように頑張りたいです。

 

福村 次の大会では決勝で戦えるように頑張ろう! 反対側の山に入って決勝で戦いたいです。

 

西村 ずっと言っているよね、それ。自分も決勝で就実と、いや心優美と試合がしたい。就実に勝ちたい気持ちもあるけど、心優美に勝たないと就実には勝てないから(笑)  だから、心優美に勝てるように頑張ります。

 

福村 来年度の金蘭は美波がエースだと思うから。お互いにその看板を背負って、決勝でよさを出して。「この試合、すごいな」と思ってもらえるような戦いをしたいです。

 

福村心優美(就実高〔岡山〕)

ふくむらこゆみ/2年/身長177㎝/栄進中(埼玉)/アウトサイドヒッター

1年生時から名門のエースナンバーを背負い、今年の春高ではチームを日本一へ。最優秀選手賞に輝いた注目のエース

 

西村美波(金蘭会高〔大阪〕)

にしむらみなみ/2年/身長176 ㎝/金蘭会中(大阪)/アウトサイドヒッター

高校では1年生時にインターハイを制すなど、すべてのカテゴリーで日本一を経験。最終学年はエースとしての活躍に注目

 

取材/田中風太(編集部)

写真/山岡邦彦(NBP)、編集部

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「決勝で戦えるように」と誓い合った今年度は、全国大会の決勝で2度対戦。インターハイでは西村擁する金蘭会高、国スポでは福村のいる就実高単独チームの岡山県が勝利した。最後の春高も反対のゾーンに入り、対戦するとすれば決勝のみ。観客が「この試合すごいな」と思うような熱い戦いは、三たび実現するのか。

 

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