昨年末の第71回秩父宮妃賜杯 全日本バレーボール大学女子選手権大会ミキプルーンスーパーカレッジバレー2024(全日本インカレ)で優勝し、連覇を達成した筑波大(女子)の3年生ミドルブロッカー、本田凜と清岡美緒。少数の4年生を支えた2人が集大成の舞台を振り返り、今後に向けた意気込みを語った。
チームの中核を担った本田(左)と清岡
お互いに支え合い心強かった存在
――今回の全日本インカレを通じて、ともにスタートから出場しましたが、どんな思いでプレーしていましたか?
本田 学年関係なく戦っていましたが、やはり自分と同じ学年の(清岡)美緒が入ってきてくれる、しかも対角だったのはとても心強くて。前回は同じ学年が自分一人でしたが、今はなんでも聞ける相手がすぐそばにいてくれることがいちばん大きく感じます。基本的に、2人で同時にコートの中に入ることはないですが、コート外でお互いに伝言を残し合っていました。自分のことを見てくれる存在、しかも同じ学年というのが心強かったです。
清岡 昨年度まではアウトサイドヒッターでしたが、今年度からは高校まで務めていたミドルブロッカーに戻り、出場機会も増えたことで不安を抱えていました。そのときに凜(本田)がいてくれて、とても心強いと思うことが多かったです。全カレ(全日本インカレ)では凜がコートから出てきたらしっかり声もかけるし、自分が入っているときも、お互いにベンチのところに伝言を残して、というかたちでコミュニケーションをとれて、とても心強かったです。
――今年度は人数が少ない4年生と一緒にチームを引っ張る立場でしたが、どんなシーズンでしたか?
本田 4年生だけでなく、そもそも全体的に人数が少ないので、誰か一人でも抜けると大変なんですよ。だからこそコンディションをしっかり整えて、欠けちゃいけない存在の上級生が引っ張っていく、という思いでした。下級生もついていくだけではなく、どんどんアクションを起こしていくことができていたチームだったので、みんなでチームを引っ張った感覚です。
清岡 プレー面では、昨年度まで入っていた4年生や下級生が引っ張ってくれていて、尊敬の念がありました。自分はついていくだけでしたが、周りを見ると、プレー外のところでみんながお互いのことをちゃんと見ることができるし、誰かが落ち込んでいて、様子が変だと思ったら、その人に寄り添っていました。チーム全員がお互いをよく見ていたと思います。
本田「同学年に助けてもらった1年」
――本田選手は今年度、副キャプテンでしたが、清岡選手は彼女をどんな思いで見ていましたか?
清岡 副キャプテンやチームの核として、またチームのどんな問題に対しても、いちばん凜が真摯(しんし)に向き合ってくれることが多かったと思います。凜がチームの主となって引っ張ってくれたのをとても感じました。
――それを聞いていかがですか?
本田 美緒など自分の学年のみんなに私の悩みを聞いてもらって、気を遣ってもらって。ほんとうに支えてもらいました。その思いには、勝利することでしか恩返しができないと思っていました。コート内のことはもっとできたと思いますが、自分から発信していこう、副キャプテンとしても中心にならないといけない、と自覚はしていたので、数多くいる同学年のみんなにとても助けてもらった1年でしたね。1年だけではなく、3年間ずっと助けてもらってばっかりなので、ほんとうにありがたい存在です。
――来季はどんなチームにしたいですか?
清岡 目標はぶれずに、大学四冠、全日本インカレ3連覇は、絶対に達成したいと思っています。
本田 コート内外の選手一人一人が自分の個性やオリジナルを持って、輝いてほしいと思っています。あと…、これ言っていいのかな?
清岡 いいんじゃない?(笑)
本田 おでんみたいなチームがいいという話をしていて。それぞれの具であるみんなが、今までの伝統ある筑波大学というダシに染まる、でも自分の持っているものは出していきたいです。おでんのように、人気がある、みんなが応援してくれるチームになれるように、自分たちがどういうふうに取り組んでいくかを考えています。
――では、自分たちをおでんの具に例えると?
清岡 自分たちは練り物系だと思います(笑)
本田 そうだね、練り物の何かだね(笑) ちくわとか?
清岡 はんぺんとかね(笑)
本田 私はちくわで、(清岡は)白いのではんぺんで(笑) 1年生はなんだろうね(笑)
清岡 1年生はまだ入ってきたばっかりだから、大根とか?
本田 あんまり味が染みていない具ね。
清岡 どんどん上にいくにつれて、なんか一緒に染みていく。
本田 しみしみのおでんにね(笑) 後輩たちも自分を出していかないといけないですが、その環境をつくるのはやっぱり上級生たちなので、そこを整えていく。今までよかったところを続けて、新しい取り組みもしていけたら、と思います。
最上級生になる2人。今年度できなかった大学四冠を目指す
本田 凜
ほんだ・りん/3年/身長177㎝/最高到達点301㎝/郡山女大附高(福島)出身/ミドルブロッカー
清岡美緒
きよおか・みお/3年/身長176㎝/最高到達点285㎝/大阪国際滝井高(大阪)出身/ミドルブロッカー
1月21日(火)発売の月刊バレーボール2月号では
4年生の中村悠、門田湖都の対談や2年生トリオの阿部明音、熊谷仁依奈、瀧澤凜乃の座談会、
さらに中西康己監督のインタビューを掲載中
◼︎筑波大(女子)1年生対談「先輩になる責任を持って」 井上凜香×田代 澪対談
◼︎昨年の全日本インカレ女子優勝記念インタビュー 「下手くそなイメージを払拭したい」本田 凜
◼︎昨年の全日本インカレ女子優勝記念対談「“4年生のために”日本一を飾ることができてうれしい」 阿部明音×熊谷仁依奈×瀧澤凜乃