JOC杯で2年ぶり通算8度目の優勝を飾った東京都選抜男子
昨年末に行われたバレーボールの「JOCジュニアオリンピックカップ第38回全日本都道府県対抗中学大会」(以下、JOC杯)で男子は優勝、女子は準優勝の成績を収めた東京都選抜が1月17日に忍岡中学校(東京)で解団式を行った。
中学生世代では全国屈指の名門校がひしめく東京都から男女各12名が編成された今回のJOC杯東京都選抜。「集まった選手とスタッフの顔ぶれを見て優勝できると感じました」と堀江滋監督(南六郷中)が振り返る男子は、活動が始まった9月は週に1回、10月は週に2回、11月は3回と練習頻度を増やしながらチームづくりを行なってきた。本番を前にして堀江監督が「絶対に優勝できると確信を持っていた」と語るほどの仕上がりとなり、実際に大会では対戦相手を圧倒して2年ぶり通算8度目の優勝を飾っている。
そのなかでもキャプテンの星越大輝(駿台学園中3年)は「メンバーの顔ぶれから、プレーに関しては何も言うことはありませんでした」と明かす。一方で、仲間への厳しい声かけは欠かさなかったといい、それは「例えば、練習場所に東京体育館を貸してもらったなら、きたときよりもきれいにして帰る。荷物はきれいに並べる。東京都の代表として、みんなにずっと注意してきました」という責任感から。解団式で「もっともっとこのメンバーでやりたかった」とこぼした星越キャプテンは「周りの方々に迷惑をかけることなく活動を終えることができてよかったです」と誇らしげに語った。
女子は優勝まで一歩届かずも「力のある選手たちだった」
一方の女子は「例年どおり長身選手を軸に編成し、日本一を目標に掲げて、限られた練習機会のなかでもチーム力アップに重きを置いて活動してきました」とは指揮を執った天野嘉之監督(文京学院大女中)の言葉。活動を通しては、選手たちの高さを生かしたブロックを起点とするトータルディフェンスの構築に力を注いだといい、これにはキャプテンの宮川希空(共栄学園中3年)も「攻撃型チームになるのかな、と想像していましたが、こんなに守備がうまいチームになるとは思っていなかったです」と驚きを口にする。大会では組織力を最大限に発揮して決勝まで勝ち進んだ。
悔しくも日本一には届かなかったが、「最後は選手たちが意地を出して、(ストレートで敗れた決勝の)第2セット終盤は相手を追い詰めていました。ほんとうに力のある選手たちだったのだとあらためて感じました」と天野監督は健闘をたたえた。
東京都選抜としての活動は、この解団式をもって閉幕となる。選手たちのなかには進学先の高校ですでに練習に加わるなど、次のステップを踏み出している者も。解団式に出席した東京都バレーボール協会の朝日健太郎会長(参議院議員)は「選手の皆さんにはJOC杯での戦い、一つ一つを思い返してほしいです。点差をつけた試合もあれば、競り合った試合もあったと思いますし、そのときどきでさまざまな思いをめぐらせたことでしょう。それらが今後のバレーボール人生でプラスになると思いますので、自信を持って次のステージでも頑張ってください」とエールを送った。
(取材・写真/坂口功将)
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