2024(令和6)年度バレーボール新人選手権大会(東京女子)最終日が2月9日(日)に駒場高校で行われた。決勝で八王子実践高を2-0で下した下北成徳高が優勝。1月の春高で全国優勝した共栄学園高は4位だった
19大会ぶりの日本一に輝いた春高から1ヵ月足らず。秋本美空キャプテンら同大会の日本一に貢献した3年生が一気に抜け、レギュラーで残ったのはミドルブロッカー山下裕子のみ。大きく入れ替わった布陣で臨む新人大会最終日は、初戦からいきなり正念場を迎えた。
駿台学園高との準々決勝は、うまさが光る相手の攻撃をなかなか止められず。第1セットは追う展開が続いた。2-1から7連続失点を喫し、10-16で2度目のタイムアウト。21-24から山下裕子の3連続得点でジュースに持ち込み、29-27でなんとかセットを先取した。すると、中村文哉監督は選手たちに言葉をかけた。
「チャレンジャー精神だろ、と言いました。特別にうまい選手がいるわけではないのに、なんで身構えているのかな、って。彼女たちの中で、(東京都)ベスト4が当たり前ではないけど、意味のないプライドがあったような気がしたので」
攻守にリズムが生まれ、第2セットはアウトサイドヒッター笹原悠希キャプテンのスパイクやミドルブロッカー山口愛のブロックも決まり、序盤から9-5とリード。19-19と一時は追いつかれたものの、最後は山下がスパイクを決め、ベスト4に駒を進めた。
準決勝(対八王子実践高)、3位決定戦(対文京学院大女高)はともにストレート負けを喫したが、指揮官は「時間がないなかでよくやっています。内容は悪かったけど、選手たちのプライドがちょっとは出たんじゃないかな」と準々決勝での勝利をたたえた。
春高都予選からレギュラーをつかみ、ブレイクを果たした山下。そして、その対角を組み、中村監督が「2試合(準々決勝、準決勝)でもブロックを止めたり、いいサーブも入っていました。ふだんはおとなしいですが、ほんとうに頑張っていて努力が実っている」と太鼓判を押す身長175㎝のミドルブロッカー山口愛など、楽しみな選手もいる。
思えば前チームもインターハイには出場することができず、優勝した春高も、都第3代表で切符をつかんだ。「今年は今年でいい色があると思う。伸びしろしかないです」。そう言いきる中村監督の言葉からも、これからの大きな成長を感じさせた。
2月9日(決勝大会3日目)の試合結果
■決勝
下北沢成徳高 2(25-18、25-19)0 八王子実践高
■準決勝
下北沢成徳高 2(25-17、25-17)0 文京学院大女高
八王子実践高 2(25-19、25-15)0 共栄学園高
■3位決定戦
文京学院大女高 2(25-21、25-21)0 共栄学園高
■準々決勝
下北沢成徳高 2(25-15、25-20)0 駒場高
文京学院大女高 2(25-22、25-19)0 東京立正高
共栄学園高 2(29-27、25-23)0 駿台学園高
八王子実践高 2(25-13、25-10)0 実践学園高
■5位決定戦
東京立正高 2(25-23、25-19)0 駒場高
駿台学園高 2(25-13、25-16)0 実践学園高
文・写真/田中風太(編集部)
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