下北沢成徳高が都新人大会で優勝 「勝てなくて自信がなくなる」3年生との練習試合を経て荻野、上村の両エースが成長
- 高校生
- 2025.02.13
2024(令和6)年度バレーボール新人選手権大会(東京女子)最終日が2月9日(日)に駒場高校で行われた。八王子実践高との決勝を2-0で制した下北沢成徳高が頂点に輝いた
得点を決め、拳を握る#4荻野キャプテン
下北沢成徳高
相手は180㎝超えのブロッカー
日々の練習で成長
「日本一の高さ」を前に、心を折られた日々が結果に結びついた。2年連続春高準優勝に導いた絶対的エースのイェーモンミャなど、スタメンの3年生が6人抜けた下北沢成徳高。新たな布陣を模索するなかで、同大会を経験した荻野明花キャプテン、上村夏子の両エースの頼もしさが光った。
4-7とリードされた決勝の第1セットは、上村のブロックを利用したスパイクなどですぐさま同点に。そこから再びリードを許したが、相手のミスを含む4連続得点で逆転すると、その後も上村のストレートへの狙いすましたスパイクが止まらず、25-18で第1セットを奪った。
第2セットも1-3とリードされたものの、荻野キャプテンがその同級生エースに負けない活躍を見せた。パワフルなスパイクで3枚ブロックを次々と打ち抜き、序盤以降は主導権を握り続けて25-19でセットを連取。1月26日に行われた東京私立高等学校男女選手権大会準決勝ではフルセットで敗れた、八王子実践高に快勝を収めた。
優勝し、選手たち以上に喜んでいたのが今大会まで練習に付き合っていた3年生たち。これまで試合に負けても感情を押し殺したイェーモンミャの目には、光るものがあった。その涙を見た荻野キャプテンは「めっちゃうれしかったですし、3年生には感謝の気持ちしかないです」と笑顔。身長180㎝のブロッカーが並び、全国トップの高さを体感した日々の練習が、大きな力になった。
「10回(紅白戦を)して1回勝てるかどうか。正直、全然勝てなくて自信がなくなる日々でした(笑) でも、新人戦の相手はそこではありません。日本一の高さの相手と練習をさせてもらえるのは自分たちしかいないので、ほんとうにありがたいなと思いました」
優勝が決まり、安堵の表情を見せる3年生たち
この日の1試合目となった準々決勝(対駒場高)後、「スパイクがしっくりこなかった」という荻野キャプテンは、準決勝までの間にイェーモンミャに助言を求めた。「打ち方やボールをとらえる位置を教えてもらって、だんだん感覚がつかめました」と決勝での活躍につなげた。
伊藤崇博監督は両エースを「本来の力が出せるようになってきた」とたたえたうえで、今大会で光った選手として名前を挙げたのがセッターの土岐陽夏。2024女子U17世界選手権大会を経験した司令塔だが、レギュラーとしてのプレーは新チームになってからが初めて。八王子実践高との前回の対戦では、伊藤監督は「トスの安定感がなかった」と振り返るが、この日は「トスが伸びていて、打ちきりやすい高さとテンポになっていたと思います」と太鼓判を押した。
「土岐は1年生ですが、持っているものはすごい。荻野、上村を合わせたこの3人を中心に、センターとライトの攻撃をどうつくっていくか」と新年度の青写真を描いた。
八王子実践高
要所のミスが響き
悔しい敗戦
東京私立高等学校男女選手権大会を制した八王子実践高は、下北沢成徳高にリベンジを許す悔しい結果に。決勝はセッター窪田倖叶キャプテンがミドルブロッカー小島真佳、オポジット馬塲弥音を軸に攻撃を展開したが、両セットともに要所でミスが響いた。
昨年の国スポで3位に入ったメンバーからはサウスポーの市川悠乃以外は残り、JOC杯では最優秀選手賞にあたるJOC・JVAカップに選ばれた大雲舞子(八王子実践中3年)も入学予定。期待が高まる1年に向け、この負けを飛躍のきっかけにできるか。
得点源として期待がかかる#3小島
2月9日(決勝大会3日目)の試合結果
■決勝
下北沢成徳高 2(25-18、25-19)0 八王子実践高
■準決勝
下北沢成徳高 2(25-17、25-17)0 文京学院大女高
八王子実践高 2(25-19、25-15)0 共栄学園高
■3位決定戦
文京学院大女高 2(25-21、25-21)0 共栄学園高
■準々決勝
下北沢成徳高 2(25-15、25-20)0 駒場高
文京学院大女高 2(25-22、25-19)0 東京立正高
共栄学園高 2(29-27、25-23)0 駿台学園高
八王子実践高 2(25-13、25-10)0 実践学園高
■5位決定戦
東京立正高 2(25-23、25-19)0 駒場高
駿台学園高 2(25-13、25-16)0 実践学園高
文・写真/田中風太(編集部)
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