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春高2025

神戸の中学生女子が楽しく密度の濃い時間でレベルアップ 第2回デンソーテン杯

  • 9人制
  • 2025.02.19

 難しさのなかに楽しさも感じられた

 

 

 9人制女子の強豪、デンソーテンレッドフェニックスが主催の「第2回デンソーテン杯 中学生の部」が28日、9日にデンソーテン体育館(兵庫)で開催され、神戸市の中学女子4チームが集まった。1日目はシッティングバレーボール、2日目は6人制と2種目のバレーボールを楽しめるのが最大の特徴である。

 

 本大会は、障害者バレーの魅力をもっと多くの人に知ってほしいという思いと、レッドフェニックスの本拠地である神戸でバレーボールをもっと盛り上げたい! という気持ちを込めて、昨年度から開催されているもの。今回はデンソーテンのある兵庫区からは夢野中と、ほかに太山寺中と玉津中(西区)、向洋中(東灘区)が参加。1日目には、昨年に引き続きひょうごシッティングバレーボール連盟の皆さんが講師役を務めた。

 

不慣れなシッティングバレーはチームワークがポイント

 

 1日目はシッティングバレーボールに挑戦。座った姿勢でプレーすること以外は6人制のルールと共通点が多く、経験者にとっては障害者バレーの中でも戸惑いなく始められるのが魅力の一つ。脚に障害を持つ人も健常者も一緒に楽しめて、夏季パラリンピックの競技種目にも採用されている。

 

 午前中は、ひょうごシッティングバレーボール連盟の皆さんが講師となって体験教室を開催。床にお尻を着けたまま移動する方法や、後ろにのけぞったときに床に頭を打たないような動き方など、シッティングバレー独特の動きを体験しながら学んだ。座って輪になってパスをつないでいると「意外とできるのでは?」と思うものの、実際に向かい合ってパスを行い、ネットを挟んでアタックするとなると、座ったまま移動することのままならなさを実感する中学生たち。簡単そうにプレーしていた連盟の皆さんや、レッドフェニックスの選手たちのすごさが伝わったのではないだろうか。

 

 

シッティングバレーの様子

 

 

 午前中に基本をマスターしたところで、午後からはシッティングバレー大会を実施。4校総当たり戦で順位を競った。太山寺中や夢野中がユニフォームに着替えたこともあってムードの盛り上がるなか、レッドフェニックスのメンバーも審判やコーチ役として担当校を応援した。

 

 シッティングバレーは動きに制約がある分、ボールが後ろに飛んだら前衛はすぐに振り返ってバックの動きを見たり、声を掛けたりするなどチームワークを問われる部分が大きい。午前中はおとなしめだった中学生たちも、試合となると真剣そのもの。終盤には大きな声も出るようになり、初心者とは思えないプレーで盛り上がった。

 

 最後はエキジビションマッチとして、レッドフェニックス、連盟の皆さんに加えて各校のコーチや監督も参戦。先生方が活躍するたびに生徒からは大歓声があがり、楽しいひとときとなった。

 

 第2回デンソーテン杯、シッティングバレー部門の優勝は玉津中。シッティングバレー経験が豊富で、6人制でも県大会に出場するほどの実力を備えるだけに、さすがの試合運びで勝利を重ねた。

 

 

1日目を終えての集合写真

 

 

シッティングバレーの学びも生きた6人制

 

 2日目は6人制バレーボールの日。午前中はまずレッドフェニックスによるバレーボール教室を行った。せっかく4校が集まっているので、他校の生徒と交流してほしいと考えたウォーミングアップは「8月生まれの人がいる8人組」「長ズボンを履いている人がいる10人組」といったお題に沿って組分けを行い、時間切れになったら簡単な罰ゲームが待っているというもの。各校が入り乱れたところで6人組をつくり、そのままリレー形式のアップを実施することで、自然と全体的に和気あいあいとしたムードに。

 

 アップ終了後はアンダーハンドパスとオーバーハンドパス、強打レシーブ、3人レシーブ、そして各ポジションの練習へ。アタッカーはスパイクを、セッターはトス、リベロはサーブレシーブを重点的に練習。9人制はローテーションがないため、6人制よりも各選手がポジションに特化したプレーを磨けるのが特色の一つ。レッドフェニックスのメンバーがポジション練習でそれぞれしっかり教えられるのも、選手個々に得意分野があるからこそと言える。

 

 午前の最後に行ったサーブ練習において、サーブが苦手だという生徒にはメンバーが腕の振り方やボールのミート位置などを個々にアドバイス。その結果、ネットを越えられるようになってハイタッチで喜ぶ姿も見られた。

 

 

いつも好評、デンソーテン恒例の熱血バレーボール教室

 

 

 午後からは初日と同様に4校総当たり戦で、6人制の試合を行った。レギュラー以外の選手たちにも試合の雰囲気を楽しんでもらいたいと、適宜交代ありのルールで2セットマッチ。レッドフェニックスのメンバーは前日と同じく、審判やコーチポジションに付きつつ担当した学校を応援した。

 

 初日のシッティングバレーで声掛けやチームワークの大切さを、2日目の午前にはあらためて基礎の大切さを学んだ今大会。成長期の中学生だけあって、レッドフェニックスの選手が少し教えるだけでも上達は早く、この試合でもう、その成長を感じられる場面をたくさん見ることができた。

 

 最後は4校から選ばれたメンバーによる「神戸選抜」とレッドフェニックスで試合を行った。中学生に負けるわけにはいかないものの、神戸選抜は即席とは思えないチームワークで粘り強くボールをつなぎ、ラリーが続く好ゲームに。時間が許すギリギリまで、学校関係なく参加者全員でバレーボールを楽しんだ。

 

 6人制の部で優勝したのは、昨年に引き続き夢野中。閉会式では各校にレッドフェニックスの佐々木遥香主将から景品が贈られた。森友美選手からは「上達の早道は上手な人のマネをすることなので、たくさんうまい人のプレーを見てほしい。レッドフェニックスの選手も最初から上手だったわけではなく、教えてくれる先生やコーチ、日々を支えてくれる家族に感謝しながら一生懸命練習したから上手になった。みんなも感謝を忘れず、練習を頑張っていってほしい」とアドバイスがなされた。

 

 最後に記念撮影を行って、2日間のデンソーテン杯は終了。今年も参加者からは「楽しかった! ぜひまた来年も参加したい」という、充実した声が響いていた。

 

 

6人制の部は夢野中が優勝。みんなで記念撮影

 

 

有意義な交流と学びの2日間を終えて

 

■参加者(中学生)の声

「シッティングバレーはいつものバレーと違って難しいところもありましたが、みんなで協力して楽しかったです。レッドフェニックスや連盟の皆さんに教えてもらって、少しは動けるようになってよかったです」

 

「シッティングバレーは移動が難しかったけど、試合は楽しかった。いろんな学校の人と一緒にプレーできたのがよかったです」

 

「足が不自由な人とも一緒にバレーが楽しめてよかったです。2日間いろんな経験をさせてもらえてめっちゃ楽しかった。レッドフェニックスの選手も優しくて最高でした!」

 

「シッティングバレーは上半身だけでプレーするので、9人なのに全然うまく動けなくてもどかしかったけど、次はもっとうまくやれるはずなのでまたやりたいです。2日目もいろいろ教えてくれて、最後の試合では学校関係なく試合ができてめっちゃ楽しかったです」

 

大会の模様

 

 

■指導者の声

「ふだんの練習では球出しする大人もいないので、レッドフェニックスの選手たちにしっかり見てもらえるのは非常にありがたい。障害がある人とも身近に接する機会は少ないので、一緒に競技が楽しめることを知ることができて子どもたちにはいい体験になっていると思う。いつもはサーブが苦手な子も、シッティングバレーではうまくて、意外な一面が見られた。貴重な2日間を体験させていただき、ありがとうございました」

 

「練習試合で他校との交流はあるものの、バレー教室という形式は初めて。とにかくレッドフェニックスの皆さんが素晴らしい選手ばかりで、生徒もとても喜んでいた。シッティングバレーも帰り道にみんなで『またやりたい!』『楽しかった!』と言っており、いい経験になったと思う。またぜひ参加させていただきたい」

 

「レッドフェニックスのバレーボール教室を見ていて毎回思うのは『バレーボールを楽しく、好きにさせてくれる』ということ。うまい子はさらに上達するように、初心者にはどうやったらうまくできるようになるかと、各々のレベルに合わせて指導してくれるので全員が楽しそうで、こういう空気感のなかでバレーができるのがうれしい。ずっと続けてもらいたい」

 

最後に表彰も行われた

 

 

■デンソーテンレッドフェニックスは対象を問わず充実の指導を実施 パート2 四天王寺中バレーボール部強化練習会

■デンソーテンレッドフェニックスは対象を問わず充実の指導を実施 ひょうごスポーツ応援部主催「バレーボール交流会(小学生対象)」&親和女高合同練習会

■「選手時代の教えを伝えていきたい」 デンソーテンOGが高校の監督として思い出の体育館へ

■パナソニックにまつわるもう一つの名称変更。9人制女子のジュニアチーム「門真BluebellsFjr」のFに込められた地域との共創

■地元・大船渡で初のバレー教室 9人制デンソーテンの佐々木遥香

 

【次ページ】第2回デンソーテン杯の様子

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