アメリカの女子プロリーグ「LOVB」のカップ戦で井上琴絵が所属のオースティンが3位に。日本人選手対決も実現
- 海外
- 2025.02.19
大会3位の成績を収めたオースティン。15が井上
サーバーだけでなく、攻撃にも参加した本職はリベロの井上
バレーボールのアメリカ女子プロリーグ「LEAGUE ONE VOLLEYBALL」(リーグワン・バレーボール/頭文字をとって通称『LOVB』)は現地2月14日〜16日にカップ戦の「LOVB Classic」がカンザスシティで開催された。リーグ戦を戦う6チームが一堂に介し、井上琴絵が所属するオースティンが3位決定戦を制した。
バレーボール発祥の地・アメリカにおける新たな国内リーグとして創設されたLOVBは今年1月からシーズンがスタートし、第5週終了時点の成績から今回のカップ戦の組み合わせが決定。初日の1回戦(準々決勝に相当)では、その時点で5位のオースティンと、こちらは小島満菜美と松井珠己が所属する同4位のソルトレイクの“日本人対決”が実現し、オースティンが3-1(26-24,25-14,19-25,25-22)で勝利した。
翌日の準決勝では同2位のアトランタに1-3(15-25,25-22,23-25,20-25)で敗れたオースティンだったが、最終日の3位決定戦ではジョーダン・ラーソンやジャスティン・ウォン–オランテスらアメリカ代表のオリンピックメダリストを擁する同2位のオマハに3-1(23-25,26-24,25-19,25-19)で逆転勝利を収めた。
井上はオマハ戦こそ出番はなかったものの、最初の2戦ではリリーフサーバーで出場したほか、アトランタ戦では後衛に入った場面でバックアタックを繰り出す姿も披露した。
大会を振り返って井上は「チームがうまくいっているときはミスも少なく、ミドルブロッカー以外のアタッカーの決定率も高いけれど、ミスから自滅するパターンが多いんです。リードしているのに、『そこでミスはしてほしくない!!』ときに失点してしまうのがまだまだ課題だと思います」と分析。とはいえ、ここからリーグ戦は後半戦に突入するとあって、「その点を直せば。どこのチームも拮抗していると思うので、大事な場面で得点できるかが今後の鍵になってくる」とジャンプアップをにらんだ。
チームメートどうしの小島と松井がアップゾーンで話し合う様子も
小島と松井が所属するソルトレイクは最終5位
最終日の5位決定戦に回ったソルトレイクは同6位のマディソンに3-1(17-25,25-21,25-19,25-17)と勝利で大会を締めくくっている。LOVBにおいても高いレシーブ力が高く評価されている小島はリベロとしてフル出場。マディソン戦ではディグの回数が両チーム通して最多19本とフロアディフェンスを支えた。また松井も2枚替えでコートに立ち、かぎられたチャンスのなかでも得点を演出している。
なお大会はヒューストンが決勝でアトランタに3-1(25-23,25-27,25-20,29-27)で勝利し、LOVB Classicの“初代女王”に。表彰式ではアメリカを代表するジュエリーブランド「ティファニー」製のトロフィーが贈られた。大会MVPにはチャンピオンシップポイントを決め、チーム最多19得点をマークしたアメリカ代表オポジットのジョーダン・トンプソンが輝いた。
トッププレーヤーの階段を駆け上がるトンプソン(左)はアメリカ代表を牽引する存在
(取材・写真/坂口功将)
【LOVB Classic】
=最終順位=
優勝:ヒューストン/準優勝:アトランタ/3位:オースティン/4位:オマハ/5位:ソルトレイク/6位:マディソン
=個人賞=
MVP&ベストオポジット:ジョーダン・トンプソン(アメリカ/ヒューストン)
ベストアウトアイドヒッター:ローガン・エグレストン(アメリカ/オースティン)
ベストリベロ:ピヤヌット・パンノイ(タイ/アトランタ)
ベストセッター:マイカ・ハンコック(アメリカ/ヒューストン)
ベストミドルブロッカー:アンベル・アイジエディ(アメリカ/ヒューストン)
優勝したヒューストン
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