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春高2025

3年間での成長は亀岡世代以上⁉︎ 駿台学園高 土岐大陽コーチ、高橋真輝コーチが語る春高3連覇&全国三冠への道

  • 高校生
  • 2025.02.21

1月の全日本バレーボール高等学校選手権大会で3連覇、そして全国三冠を成し遂げた駿台学園高(東京)。その偉業を、指導者たちはどう見たのか。高校時代は梅川大介監督のもとで指導を受けた土岐大陽コーチ、高橋真輝コーチが大会を振り返る。スタメンとしてチームを引っ張った3年生たちの成長とは

 

 

高橋真輝コーチ(左)、土岐大陽コーチ

 

 

——春高3連覇、全国三冠という偉業をどう感じましたか?

高橋 生徒たちには、自分たちがやるべきことをしっかりすれば優勝できるという自信がありました。そう思って挑んだ春高で自分たちのパフォーマンスを出して優勝することができたので、ほっとしたというか。自分もコーチになって1年目で、春高で優勝することができてよかったです。

 

土岐 今回は例年と違って大きな選手がそろっていたこともあり、今の日本代表に近いスタイルで戦うことができました。(高橋)真輝が言ったとおり、ベストを尽くせば絶対に負けないだろうと思っていました。

 

 3年生を中心に立てた「全国三冠」という目標は難しかったと思います。僕たちが高校3年生のときもそうで、2年生のときに負けて、次の年に「悔しかったから頑張ろう」という気持ちになることが多いですが、今の3年生は春高では負けなし。その中で1年間を通して勝ち続けられたのはほんとうにすごいことだと思うので、純粋にうれしかったです。

 1年生のころから見続けた学年はカメ(亀岡聖成〔筑波大1年〕)たちの代と合わせてまだ2学年しかありませんが、今の3年生はカメたちの代よりも成長したと思います。

 

——優勝後のインタビューでは、梅川監督の涙もありました

高橋 今の3年生は先生(梅川監督)が担任をしているので、そういったところでも思い入れがあるのかなと感じました。ただ、それにしても「先生が泣くのか」という気持ちでした。

 

土岐 歳じゃない? 涙腺が緩んできたから(笑) これまでも何回か泣いていますよ。カメたちのときも高川戦(高川学園高〔山口〕/昨年の春高3回戦)で勝ったあとに泣いていましたし。多分、それ以来ですね。でも、やっぱりびっくりしました。

 

 

決勝の東福岡戦で、好プレーに声を上げる土岐コーチ(#12は舟木颯太)

 

 

——大会を振り返ると、失セット0での優勝でした

高橋 自分はギャラリーから試合を見ていました。競った場面こそテンパっていると感じましたが、基本的には最後の春高を楽しんでいるようで、ほんとうにいいバレーをしていると思いました。

 

土岐 スタメンで出ていた3年生7人のうち、昨年度までメインで出続けていたのは(谷本)悦司と(三宅)綜大と(高澤)大馳ぐらい。緊張するだろうな、と不安もありましたが、いい緊張感で試合ができたと思います。コーチとして見てきた4年間では、最初から最後までいちばんいいコンディションで終えられた春高だったと思います。

 

——亀岡選手の代よりも3年間で成長したとおっしゃっていましたが、特に伸びた選手はいますか?

土岐 やっぱり(櫻井)信人。あとは植草(光稀)が組織として戦ううえではいちばん伸びたと思います。去年から出続けた悦司や綜大は、この1年間でチームをまとめる力が急激につきました。

 植草と綜大は1年生のときはBチームですから、僕は知らないんです。ただ、まじめで頭もいい。先生が「今年の代にはあまり指示をしなかった」とよく言っていますが、ほんとうにそのとおりで。こちらが少しアドバイスをしたら自分たちで考えてできる学年でした。

 

高橋 今の3年生が1年生のときに練習を見ていたら、信人はほんとうにパワーがすごくて。「なんで試合に出ていないのか」と不思議に思っていましたが、いざコーチになってみると、「パスができねぇ」「チャンスボールが返らねぇ」と感じました(笑) いちばん熱心にレシーブ練習をしたのが信人でした。

 

土岐 うまくなったよね。レシーブは壊滅的だった。

 

高橋 最初は顔面に当たるぐらいのレシーブで。面の向きと顔の向きが全部違いましたからね(笑)

 

土岐 「3年間で何してきたの?」というくらいだったよね(笑)(川野)琢磨と信人はすごく守備がうまくなった。

 

高橋 今の3年生が1年生のとき、自分がOBとして練習を見ているとすごく上手だなと感じていて。ただ、いざ1年間コーチとしてほぼ毎日のように接していると、意外と高校生なんだな、という部分もありました(笑)

 でも、みんなバレーに対してすごく熱量が高くて、わからないことがあったら「真輝さん、どうしたらいいですか?」「この攻撃はどう思いますか」と聞いてきました。バレーに対する意欲がすごく高くて、それがこの1年間の成長につながったと思います。

 

 

この1年間でレシーブ力が向上した櫻井

 

 

——3年生へのメッセージはいかがでしょうか?

土岐 僕も大学に入ってそうでしたが、駿台(学園高)で3年間を過ごしていると、「言わなくてもこれはもうわかるだろう」ということもあります。でも、いろんな経験をしてきたメンバーが集まるのが大学で、そこでより一層自分で引っ張る力が必要だと思います。また、高校生よりも自由が増えるので、自分がうまくいかないときにどれだけふんばれるかが大事です。

 4年間で高校とは違う経験が待っているので、それを楽しみながら、それぞれの道で頑張ってほしいです。ただ、単位を落としたら許しません(笑)

 

高橋 今の駿台は環境がすごく整っています。トレーナーがいたり、練習が終わったらごはんやプロテインがあるような環境は、これからは自分で用意しないといけないこともあります。意志が強くないと、周りに引っ張られてだらけてしまうこともあると思うので、意識をさらに高めて、自分がどうなりたいのかという目標を持って成長してほしいです。

 

どき・ひかり

1998年4月24日生まれ。駿台学園中→駿台学園高(ともに東京)→中央大。高校時代はリベロとして全国三冠を経験。現在は保険会社で働き、週末にチームをサポート

 

たかはし・まさき

2001年8月9日生まれ。駿台学園中→駿台学園高→日本大。高校3年生時には伊藤吏玖(東京GB)らとともに春高準優勝を経験。今年度からプロコーチとして日々選手を鍛える

 

取材/田中風太(編集部)

撮影/石塚康隆(NBP)、山田壮司、編集部

 

発売中の月刊バレーボール3月号では、OBでもある2人が駿台学園の強さの秘けつを語る対談を掲載中

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